2021年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大規模展示会の中止が相次ぎ、ほとんどのブランドがオンラインでの発表を行った。しかしその半面、魅力的なモデルが多かったことも確かだ。今回のTop 10ランキングでは、2021年に発表された数多くのモデルの中から秀作を集計。100万円前後の実用機が上位と下位に並び、特に上位では国産ブランドの健闘が見られた。
秀作ぞろいの2021年
10位 ゼニス/クロノマスター スポーツ
16point / 2persons
●2021年初頭の大ヒットモデル。デザインの質、機械の質、ともに素晴らしい。(篠田)
9位 IWC/ビッグ・パイロット・ウォッチ 43
18point / 2persons
●選に加えたのは、完全に筆者のエゴである。搭載する82000系自動巻きは、パワーリザーブこそ3日に届かないが、頑強で精度に優れている。取り立てて華があるわけではないが、優れた工業製品を体現する1本。筆者は大変好みである。(広田)
8位 フレデリック・コンスタント/スリムライン モノリシック マニュファクチュール
22point / 2persons
●すごい挑戦。調速脱進機能をシリコン素材で作った1枚のオシレーターに集約し、1時間に28万8000振動させる新技術は、機械式時計の未来を切り開くカギになるかもしれない。(菅原)
7位 オメガ/シーマスター 300
23point / 2persons
●初代を思わせるヴィンテージルックだが、高い精度と耐磁性を兼備するモダンな機能が何よりも魅力。(名畑)
6位 ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・ノナンティエム
26point / 2persons
●コロナ禍においてレベルソ誕生90周年を祝うことになったジャガー・ルクルトだが、しっかりと記憶に残るモデルがいくつも発表されている。中でも反転した面に美しいセミジャンピングアワーを採用した本作は出色だった。
(安藤)
5位 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF マイクロローター
28point / 3persons
●足し算ではなく、ブランドネームさえ省いたミニマムなダイアル、プラチナ950ベゼル×ステンレススティールのケース、洗練されたブレスレットでスポーティーエレガンスを追求。その計算された美的センスが秀逸だ。(菅原)
4位 ブルガリ/オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー
32point / 2persons
●パーペチュアルカレンダーの新しい形。薄さに加えて、永久カレンダーらしからぬ視認性を盛り込んでいる。今のブルガリらしく、ムーブメントの仕上げもかなり良い。使える永久カレンダーの最右翼。(広田)