2021年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大規模展示会の中止が相次ぎ、ほとんどのブランドがオンラインでの発表を行った。しかしその半面、魅力的なモデルが多かったことも確かだ。今回のTop 10ランキングでは、2021年に発表された数多くのモデルの中から秀作を集計。100万円前後の実用機が上位と下位に並び、特に上位では国産ブランドの健闘が見られた。

[クロノス日本版 2022年3月号掲載記事]


秀作ぞろいの2021年

10位 ゼニス/クロノマスター スポーツ

16point / 2persons

クロノマスター スポーツ
Photo:「クロノマスター スポーツ」。自動巻き。SS。116万6000円(税込み)。問/ゼニス ブティック銀座 Tel.03-3575-5861

●2021年初頭の大ヒットモデル。デザインの質、機械の質、ともに素晴らしい。(篠田)

9位 IWC/ビッグ・パイロット・ウォッチ 43

18point / 2persons

ビッグ・パイロット・ウォッチ 43
Photo:「ビッグ・パイロット・ウォッチ 43」。自動巻き。SS。107万8000円(税込み)。問/IWC Tel.0120-05-1868

●選に加えたのは、完全に筆者のエゴである。搭載する82000系自動巻きは、パワーリザーブこそ3日に届かないが、頑強で精度に優れている。取り立てて華があるわけではないが、優れた工業製品を体現する1本。筆者は大変好みである。(広田)

8位 フレデリック・コンスタント/スリムライン モノリシック マニュファクチュール

22point / 2persons

スリムライン モノリシック マニュファクチュール
Photo:「スリムライン モノリシック マニュファクチュール」。自動巻き。SS。59万4000円(税込み)。問/フレデリック・コンスタント相談室 Tel.0570-03-1988

●すごい挑戦。調速脱進機能をシリコン素材で作った1枚のオシレーターに集約し、1時間に28万8000振動させる新技術は、機械式時計の未来を切り開くカギになるかもしれない。(菅原)

7位 オメガ/シーマスター 300

23point / 2persons

シーマスター 300
Photo:「シーマスター 300」。自動巻き。SS。82万5000円(税込み)。問/オメガお客様センター Tel.03-5952-4400

●初代を思わせるヴィンテージルックだが、高い精度と耐磁性を兼備するモダンな機能が何よりも魅力。(名畑)

6位 ジャガー・ルクルト/レベルソ・トリビュート・ノナンティエム

26point / 2persons

レベルソ・トリビュート・ノナンティエム
Photo:「レベルソ・トリビュート・ノナンティエム」。手巻き。18KPG。475万2000円(税込み)。問/ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833

●コロナ禍においてレベルソ誕生90周年を祝うことになったジャガー・ルクルトだが、しっかりと記憶に残るモデルがいくつも発表されている。中でも反転した面に美しいセミジャンピングアワーを採用した本作は出色だった。
(安藤)

5位 パルミジャーニ・フルリエ/トンダ PF マイクロローター

28point / 3persons

トンダ PF マイクロローター
Photo:「トンダ PF マイクロローター」。自動巻き。Pt×SS。258万5000円(税込み)。問/パルミジャーニ・フルリエ Tel.03-5413-5745

●足し算ではなく、ブランドネームさえ省いたミニマムなダイアル、プラチナ950ベゼル×ステンレススティールのケース、洗練されたブレスレットでスポーティーエレガンスを追求。その計算された美的センスが秀逸だ。(菅原)

4位 ブルガリ/オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー

32point / 2persons

オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダー
Photo:「オクト フィニッシモ パーペチュアルカレンダー」。自動巻き。Ti。716万1000円(税込み)。問/ブルガリ ジャパン Tel.03-6362-0100

●パーペチュアルカレンダーの新しい形。薄さに加えて、永久カレンダーらしからぬ視認性を盛り込んでいる。今のブルガリらしく、ムーブメントの仕上げもかなり良い。使える永久カレンダーの最右翼。(広田)