「月相」を意味する「ムーンフェイズ(moon phase)」は、月の満ち欠けを便宜的に文字盤上で表示する機能で、このロマンあふれる機構に魅了される時計ファンも多いだろう。主に「新月から何日経過したか」を読み取るムーンフェイズは本来、月明かりの有無や潮の満ち引きなどを知るための実用的なものだった。情報にあふれた現代では装飾的な意味合いが強くなったが、だからこそ時計ブランドは、個性に富んだメカニズムやデザインを生み出している。今回は、そんなムーンフェイズ表示搭載モデルの中から魅惑的な10モデルがランクインした。
月に想いを馳せる、ムーンフェイズウォッチ
10位 ジャガー・ルクルト/マスター・ウルトラスリム・ムーン
19point / 2persons
●「ムーンフェイズ」と聞いて真っ先に思い出したのがこのモデル。端正なフェイスはムーンフェイズと同軸に日付表示を装備しても決して崩れることもなく、美しいバランスを保っているのはさすが。(名畑)
9位 ブレゲ/クラシック 7337
26point / 3persons
●ブレゲの懐中時計の腕時計バージョン。かつてのような、“厳しい”人相の月だともっと好ましい。(菅原)
8位 アーノルド&サン/HM パーペチュアルムーン
29point / 2persons
●ルナマグナの陰に隠れがちだが、大きなムーンフェイズというジャンルを築き上げた立役者。カバーが動いて月齢を示すシャウボーグに対して、本作はディスクそのものが回転する。彫金で仕上げられた月は、かなり魅力的である。個人的には、最も夢のあるムーンフェイズウォッチだ。これだけ月が魅力的ならば、日付表示がないのも納得だ。(広田)
7位 オメガ/スピードマスター ムーンフェイズ クロノグラフ
31point / 3persons
●NASAの写真に匹敵する精密さと言われるリアルな月の姿は、さすが月への思い入れが強いオメガ。老眼が進んだ我が身に確認は難しいが、宇宙飛行士の足跡まで見られるというのが凄い。(安藤)
6位 シャウボーグ/ムーン ギャラクシー
37point / 4persons
●巨大なムーンフェイズが好みの筆者にとって、本作は“ツボ”だ。夜光塗料で仕上げられた月は、なんと直径13.4mmもある。腕時計らしからぬサイズが、リアルな月の表現を可能にした。メテオライト文字盤もあるが、一番映えるのは、写真のアベンチュリン文字盤だ。なお、ムーンフェイズの開発は、かのマーティン・ブラウンによるものだ。(広田)
5位 アーノルド&サン/ルナマグナ
38point / 3persons
●大理石とアベンチュリンで作られた巨大な球体の回転でムーンフェイズを表現。一方のオフセンターダイアルは懐中時計のよう。(菅原)
4位 A.ランゲ&ゾーネ/ランゲ1 ・ムーンフェイズ
44point / 3persons
●定番である「ランゲ1」をベースに、そのデザインを崩すことなくムーンフェイズを組み込む手法は見事。(篠田)