機械式時計の特徴
燃費は悪く、狂いやすいが力の強い機械式
機械式時計のメリット・デメリット
メリット:ほとんどは修理可能。力が強い。クォーツに比べて資産価値があると考えられている
デメリット:正確ではない。ゼンマイを巻かないと数日間で止まる。磁気と衝撃に弱い。相対的に高価
現在、高価格帯の時計が好んで採用するのが、ゼンマイで動く機械式ムーブメントだ。メリットは、クォーツムーブメントに比べてトルクが強いこと。太くて長い針を載せられるため、デザインの幅は広がるほか、老眼になっても時間が見やすい。また機能を増やしやすいため、今では機械式時計で、さまざまな複雑時計が発表されている。現在クォーツにも多機能モデルはあるが、トルクの大きさは、今なお機械式ムーブメントの大きな利点といえる。
もうひとつのメリットが修理可能なこと。手で組み立てることを前提とする機械式ムーブメントは、その多くが修理可能である(ただし現在は、修理の際にムーブメント交換するメーカーも少なくない)。
一方デメリットは4つある。ひとつは構造上クォーツほど正確でないこと。高精度なクロノメーター規格を通った機械式時計ならば、一日の遅れ進み(日差という)が-4秒から+6秒以内だが、一般的な機械式時計は、日差が30秒以内とあまり正確ではない。月差30秒から15秒以内というクォーツ時計に比べて、正確さでは劣る。ふたつめは磁気に弱いこと。心臓部に使われているテンプという部品は、磁気と衝撃に大変に弱い。そのため強い磁気や衝撃にさらすと、時計が狂ったり止まる可能性がある。クォーツムーブメントならば磁気から外せば普通に動くが、機械式時計の場合は、磁気抜きをしたり、最悪の場合はすべて分解して修理する必要がある。三つ目は駆動時間の短さ。機械式時計は、トルクが強い分、ゼンマイを巻かないと数日以内で止まる。そして四つ目は価格である。手作業で組む機械式ムーブメントの価格は、自動ラインで組み立てられる大多数のクォーツムーブメントに比べて高く付く。手作業で装飾を施したムーブメントは、工芸品的な意味が加わるため、さらに価格は上がる。
機械式時計とクォーツ時計の立ち位置
現在、世界的に注目されるのは趣味性の高い機械式時計である。しかし実用性だけを考えると、針の太さや長さ以外、クォーツにアドバンテージがある。