名実ともにトップのブランド
パーフェクト、もしくは、少なくともかなり喜ばしいことには間違いない、というのは価格にも表れている。57万円という金額は、自社開発ムーブメントを載せた使い心地のよい自動巻きには、魅力的な価格だ。装着感については、144ページの評価表のポイントを参照されたい。オメガは羨望の的の高級ブランドとして確立されているが、こういう価格帯をラインナップから排除しないあたり、余計なお世話ながら、それでもメーカー側としては構わないのかと、問いたい気持ちすら起こる。つまり手短に言うと、それでこそ手の届くトップブランドの名にふさわしい存在なのだ。
オメガの戦略とは?
ビエンヌの老舗ブランドであるオメガは、技術的に優れた魅惑的な時計を作り続けているが、愛用者に有名人が多いことでも知られている。例を挙げると、アポロ計画のミッション時には宇宙飛行士にスピードマスター プロフェッショナルが〝ムーンウォッチ〟として公式採用されている。また、かのジェームズ・ボンドが1995年から装着しているのはシーマスターだ。ブランドのイメージキャラクターは、長年各界のトップスターが務めており、ジョージ・クルーニーやニコール・キッドマン、ローリー・マキロイなどの顔ぶれで親しまれている。しかし、こうしたマーケティングの何よりも、オメガを信頼に導くものは、精密さ、確実性、そしてコストパフォーマンスだろう。