【84点】ジャガー・ルクルト/マスター・コンプレッサー・ダイビング・オートマティーク・ネイビー・シールズ

2011.09.03

JAEGER-LECOULTRE / MASTER COMPRESSOR DIVING AUTOMATIC NAVY SEALS

マスター・コンプレッサーのラインが誕生して以来、ジャガー・ルクルトは堅固なスポーツウォッチを作るメゾンとしても知られるようになった。米海軍のエリートダイバー集団“U.S. NAVY SEALS”との提携により誕生したのは、まさにプロフェッショナル仕様のダイバーズウォッチである。

アレクサンダー・クルプ:文 Text by Alexander Krupp
ニック・シェルツェル:写真 Photographs by Nik Schölzel
岡本美枝:翻訳 Translation by Yoshie Okamoto

point
・必要な要素がすべて揃ったダイバーズウォッチ
・いかなる条件下でも確保される良好な視認性
・暗所でも強い発光力が持続する蓄光塗料
・快適な装着性

point
・ラグの角がとがっている
・姿勢差誤差が大きい
・レザーストラップの形状がケースに合わない

水中こそ我が住処

転式の角型ケースを特徴とするジャガー・ルクルトのレベルソは、今年誕生80周年を迎えた。今年の3月に刊行されたクロノスドイツ版編集によるレベルソ特集号では、時を刻み続けるこのアイコニックピースのさまざまな側面を知ることができる。レベルソ・スクアドラのクロノグラフを除けば、レベルソの幅広いポートフォリオに欠けているのは本格的なスポーツウォッチである。2種類のバリエーションが用意されているレベルソ・スクアドラ・クロノグラフも、レベルソのラインにしてはどちらかと言えばニッチなモデルだ。とはいえ、レベルソのラインにスポーツウォッチがひとつもなかったかと言えば、そうではない。レベルソ・グラン・スポールがあった。

だが、人気が伸び悩んだことから生産は段階的に打ち切られてしまった。同時期、レベルソ・グラン・スポールよりもはるかに大きな成功を収めたスポーツウォッチ・コレクションが、ラウンドケースで発表されたマスター・コンプレッサーである。このモデルの特徴は、外側に張り出した存在感あふれるリュウズである。マスター・コンプレッサーにはこれまでに数多くのバリエーションが加わり、今日ではジャガー・ルクルトの主要なラインにまで成長している。

スポーツウォッチにおいては、さまざまなブランドがこぞってスポーティーな要素を強調することに注力してきた。ジャガー・ルクルトも例外ではなく、ここ数年、マスター・コンプレッサーの性能を存分に示してきた。しかしながら、いかに性能が高くても、信頼できる証拠がなければ評価が持続することはない。その点、米海軍の特殊部隊「U.S.ネイビー・シールズ」がパートナーであれば、負荷試験によって時計の性能が常に試されている何よりの証拠になる。陸、海、空、すべての領域がU.S.ネイビー・シールズの任務範囲であり、この特殊部隊の装備品は極めて頑丈で、かつ、いつでも正確に機能しなければならない。つまり、時計を持続的にテストして、さらに改善するには理想的な環境なのだ。