上面には隅々までサテン仕上げが、
側面にはポリッシュ仕上げが施されている。
他の構成部品に比べ、ブレスレットはそれほど複雑な作りではないが、加工品質は同様に高い。セーフティーフォールディングバックルにはもう少し使いやすさを求めたい。
良好な精度
キャリバー8500に与えられた数多くの新技術により、内部構成部品の摩耗耐性が著しく向上し、結果として寿命が格段に延びた一方で、熟考を重ねたキャリバー設計によって高い精度が実現している。クロノスドイツ版編集部にあるウィッチ製の最新歩度測定機、クロノスコープX1では、他の測定機とは異なり、2万5200振動/時のコーアクシャル脱進機の歩度を正確に解析できるが、平均日差はプラス2・3秒/日とかなり小さく、最大姿勢差も5秒とそれほど大きくなかった。また、すべての姿勢において、常にプラス寄りの数値を見せてくれたのは喜ばしい結果である。精度が最も優秀だったのは手首に着けた時で、着用テストでは一貫してプラス1秒/日未満という、著しく小さなプラス傾向が観察されるにとどまった。
クロノスドイツ版編集部での歩度測定機による簡易的な精度試験の結果、実際の着用時にはあまり発生しないことから、スイスクロノメーター検定協会(C.O.S.C.)の精度試験では考慮されない“3時右"という姿勢を含めても、測定値はC.O.S.C.の規定値をクリアしていた。平均日差は6姿勢でプラス2・3秒/日、C.O.S.C.と同じ5姿勢でもプラス2・8秒/日と、マイナス4・0秒からプラス6・0秒の範囲に収まっている。
ここで、シーマスター アクアテラの購入者は何を得られるのかを考えてみよう。遠くからよりも近くから鑑賞したほうが個性的に映るのは否めないが、美しいアクセサリーを手に入れることができるのが第一のメリットである。さらに、名だたるスイスブランドが作った、高品質で使いやすいデイリーウォッチを手にすることができる点。そして、何よりも重要なのが、独自のテクノロジーを搭載した見事なマニュファクチュールキャリバーを所有できることだ。これだけの特性を備えた時計であれば、49万3500円は決して高すぎる価格ではないだろう。
技術仕様
オメガ/シーマスター アクアテラ
製造者: | オメガ |
モデル: | Ref.231.10.42.21.02.001 |
機能: | 時、分、秒(ストップセコンド仕様)、日付(1時間刻みで合わせられる時針で調整可能) |
ムーブメント: | オメガ自社製キャリバー8500、自動巻き、クロノメーター、2万5200振動/時、39石、コーアクシャル脱進機、フリースプラングテンプ(WG製マイクロスクリューによる微調整)、直列接続式ツインバレル、ニヴァショック耐震軸受け、パワーリザーブ約60時間、直径29.00mm、厚さ5.50mm |
ケース: | SS製、ドーム型サファイアガラス(両面無反射コーティング)、ねじ込み式トランスパレントバック、150m防水 |
ストラップとバックル: | SS製ブレスレットおよびセーフティーフォールディングバックル(フリップロック非装備) |
サイズ: | 直径41.50mm、厚さ12.95mm、総重量150g |
バリエーション: | |
価格: | 49万3500円 |
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。
精度安定試験 (日差 秒/日、振り角)
文字盤上 | +3 | |
文字盤下 | +5 | |
3時上 | +2 | |
3時下 | +1 | |
3時左 | +3 | |
3時右 | 0 | |
最大姿勢差: | 5 | |
平均日差: | +2.3 | |
平均振り角: | ||
水平姿勢 | 253° | |
垂直姿勢 | 239° |
評価
ストラップとバックル(最大10pt.) | 8pt. |
操作性(5pt.) | 4pt. |
ケース(10pt.) | 8pt. |
デザイン(15pt.) | 12pt. |
視認性(5pt.) | 3pt. |
装着性(10pt.) | 8pt. |
ムーブメント(20pt.) | 18pt. |
精度安定性(10pt.) | 8pt. |
コストパフォーマンス(15pt.) | 13pt. |
合計 | 82pt. |