【ニューレトロなドレスウォッチ】ドレスウォッチをカジュアルに楽しむ冬

文字通り、華やかな装いに映えるドレスウォッチは、時代の変化や価値観の多様化によってその基準を再設定しながら、デザインの様式を拡張。今や着けるシーンを選ばない存在になりつつある。エレガントな佇まいと袖に収まりやすい薄さ。これを基準に、各社は自由な表現を尊重している。そこで今冬は、ドレスウォッチとカジュアルな装いの組み合わせを6つのカテゴリーで提案する。

ニューレトロなドレスウォッチ × ダッフルコート

　昔懐かしい趣きを好む。それは時計愛好家ならずとも、ファッションや建築、あるいは音楽などその他のカルチャーにも共通するものだ。芸術でいえば、規範は常に先行する様式にある。それほど過去、つまり古典主義は偉大なのだ。そして往時を彷彿させる意匠にどこか新しさを感じ、つい心が動くもの。レイモンド ウェイルの「ミレジム スモールセコンド」然りだ。ここでは、古典を正確に解釈し、そこに現代的な要素を加えてリファインしたニューレトロなドレスウォッチとダッフルコートの組み合わせを提案する。

　まずはブルーのチェック柄が印象的なハリスツイード製のタイプ（写真1）。表情豊かな生地はスコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島産の羊毛を、染色から整経、仕上げにいたるまで現地の島民が行い、手織りされたものだ。

　そして発色の良いオレンジの逸品は、英国の名門生地メーカー、ジョシュア エリスの上質なヘリンボーンウールを採用する（写真2）。肉厚で温かみがありながらも柔らかな風合いが魅力だ。細部もリアルホーントグルにレザーループを使用する本格派である。

　最後はスーパー130’sのダブルパイル素材で仕立てられたもの（写真3）。見た目以上の軽やかな着心地が魅力で、2022年の秋冬シーズンに登場したモデルをベースに全体のシルエットを細身に変更。Aラインを意識して若干ウエストを絞り、フードの収まりも抜群。いずれも冬の相棒にふさわしいダッフルコートだと言えよう。

ニューレトロなドレスウォッチカタログ