【コンビネーションのドレスウォッチ】ドレスウォッチをカジュアルに楽しむ冬

文字通り、華やかな装いに映えるドレスウォッチは、時代の変化や価値観の多様化によってその基準を再設定しながら、デザインの様式を拡張。今や着けるシーンを選ばない存在になりつつある。エレガントな佇まいと袖に収まりやすい薄さ。これを基準に、各社は自由な表現を尊重している。そこで今冬は、ドレスウォッチとカジュアルな装いの組み合わせを6つのカテゴリーで提案する。

コンビネーションのドレスウォッチ × コーデュロイパンツ

　狭義の基準に則れば、ドレスウォッチはケース素材を貴金属に限る。だが市場を見れば分かる通り、もはや現代においては、日常使いを前提とするうえでも、その定義は意味をなさなくなった。とはいえ、これみよがしである必要はなくとも、ドレスウォッチに華やかさは不可欠。

　そこで注目したいのが、ロンジンの「ロンジンマスターコレクション」のように、SS製のケースとゴールドのキャップを組み合わせたものだ。ここでは、そんな腕時計にコーデュロイパンツの組み合わせを提案する。

　まずは1911年にドイツ南西部のシュヴァーベンで創業したブランドが手掛けた、こっくりとしたチョコレートカラーが目を引く1本（写真1）。オーガニックコットン100%を使用し、シルエットは程よく太みのリラックスフィット。ガーメントダイによる独特な風合いが魅力だ。

　そしてペインターパンツ由来のデザインで、ワイドストレートシルエットを採用するタイプ（写真2）。数回の染色でゆっくりと色を重ねることで重を変えた経年変化の提案”をテーマにものづくりを行うブランドが手掛けただけあり、はき込んでなじむほどに美しい表情に仕上がる。

　最後はイタリア・ナポリ出身のテーラーがパルマで設立し、モダンな作風を得意とするブランドの逸品（写真3）。“ハレ”と“ケ”両方での着用を可能とした本作は太めのシルエットで、生地には上品なウール混のコーデュロイを採用する。いずれも冬服のワードローブに加えておきたい力作だ。

コンビネーションのドレスウォッチカタログ