2021年新作時計から厳選！BEST BUY WATCH／ラグジュアリースポーツウォッチ編

高級機械式時計のケース素材といえば、ゴールド。そんな不文律があった中で、ステンレススティールケースを採用した時計が登場した。それが、1970年代初頭。当時の時計愛好家たちはすぐさまその目新しさと軽やかなデザインに心を奪われ、そうした時計はいつの間にか大きな潮流となっていく。これが、ラグジュアリースポーツウォッチという新境地が開拓された瞬間である。そして現代。実用性に磨きをかけた高級機械式時計をデイリーに楽しむ姿に、男たちは進取の気風を感じ取るのだ。

『クロノス日本版』編集長がアドバイス！
ラグジュアリースポーツウォッチ選びのポイント

今や時計業界を席巻する“ラグスポ”。スポーティーなデザインに加えて、シチュエーションを選ばないタフさが大きな魅力だ。とはいえ、着け心地を重視した現在のラグジュアリースポーツウォッチに、スポーツウォッチ並みの頑強さは期待しないこと。見た目がスポーティーでも、防水性能が50mしかない時計の場合、水遊びは控えたほうがよさそうだ。このジャンルの時計を選ぶキモは、着け心地のよいものを探すこと。どんなにかっこいい時計であっても、装着感の悪いものはやがて使わなくなってしまう。ケースやブレスレットを触って、エッジが立ちすぎていないものを選ぶこと。また、時計本体だけが重すぎないモデルを選べば、外れを引くことはないはずだ。

今買うべき“ラグジュアリーウォッチ”8選

ブルガリ「オクト フィニッシモS クロノグラフ GMT ステンレススティール」

超薄型クロノグラフに加わったSSモデル。ケース厚を8mm台にすることで100mの防水性能を与えるなど、世界最薄クロノグラフを記録したチタンモデルとは異なる、よりスポーティーなキャラクターを持つ。サンレイ仕上げのブルーダイアルが美しい1本。

ハリー・ウィンストン「ザリウム バリエーション・イエロー」

宇宙工学で用いられるジルコニウム系合金、ザリウムをケース素材に採用し、「HW オーシャン」から誕生したモデル。プロジェクト Z10をベースに、鮮やかなイエローを文字盤とストラップに使用。

ジラール・ペルゴ「ロレアート アブソルート Ti230」

今から230年前の1791年にイギリスでチタンが発見されたが、これはジラール・ペルゴの創業年と同じである。このことを記念して製作されたのが今作で、ケースにグレード5チタンを多用。グラデーション文字盤が美しい限定モデルだ。

ブレゲ「マリーン 5517」

スレートグレーダイアルにギヨシェを刻んだ新作。ケースサイドにコインエッジを設けるなど、基本はドレッシーだが、センターラグや三つ折りのバックルを合わせて、頑強さとスポーティーさを両立した。

ショパール「アルパイン イーグル ケイデンス 8HF」

5万7600振動／時という高振動ムーブメントを搭載した特別仕様。軽量なグレード5チタン製の外装に合わせて、鷲の虹彩をイメージした文字盤にヴァルスグレーを採用。

パルミジャーニ・フルリエ「トンダグラフ GT」

2020年に追加されたデイリーユースウォッチの新色。一体型ブレスレットや“逆パンダ”のダイアルカラーによってスポーティー感を、モルタージュ装飾が刻まれたベゼルによってラグジュアリー感を両立する。クロノグラフと年次カレンダーを併載。

ティソ「ティソ PRX オートマティック」

「ティソ PRX クォーツ」に続いて登場した機械式バージョン。価格以上の高品質な仕上がりが魅力だ。外装の大きな違いは“エンボスド・チェッカード・パターンダイアル”。光の当たり方で表情を変化させる。

シチズン「ザ・シチズン メカニカルモデル キャリバー0200」

シチズンが約11年ぶりに開発した機械式ムーブメントを搭載する和製“ラグスポ”。SS製のケースと一体感のあるブレスレットは、美しい仕上げもさることながら、快適な装着感をもたらす。

デイリーユースに必須の“使う視点”
そこに感じる進取の気風

SSケースをまとい、クロノグラフにGMT機構を搭載、そして10気圧の防水性能を誇る。モダンでエレガントなスポーツウォッチが教えてくれるのは、新時代のラグジュアリー観だ。それは高級機械式時計のデイリーユース。そして重要なのは金銭の多寡ではなく、“使う視点”。磨き抜かれた実用性は何よりも価値がある。