2021年新作時計から厳選！BEST BUY WATCH／パイロットウォッチ編

大空へ羽ばたく男たちの情熱と夢を託す時計、それがパイロットウォッチである。深海や宇宙と同様に大空もまた、ロマンと過酷さが同居するフィールドだ。だからこそ視認性、耐磁性、操作性、そして第2時間帯表示や航空用回転計算尺など、コックピットで使われる時計として、欠かすことのできない機能があった。大空を飛び回る時計には、計器という道具としての価値が何よりも求められた。手元を“見上げる”たびに、僕らは大空に夢を見た男たちの姿に思いを馳せるのだ

『クロノス日本版』編集長がアドバイス！
パイロットウォッチ選びのポイント

時計業界で密かに注目を集めているのが、パイロットウォッチのジャンルだ。スポーツウォッチ並みの高い視認性と、適度なカジュアルさを持つパイロットウォッチは、服装を問わず合わせやすい。ミリタリールックが人気を集める現在、各社がパイロットウォッチに力を入れるのは当然か。

機能に特化した「ナビタイマー」のような時計はさておき、一般的にパイロットウォッチを選ぶ際に重要なのは高い視認性だ。針やインデックスに十分蓄光塗料が載っていて、強い光にかざしても針が文字盤に埋もれてしまわないような時計は、優れたパイロットウォッチと言える。また、風防に両面無反射コーティングが施されていれば、なお時間は読み取りやすい。

今買うべき“パイロットウォッチ”8選

ブライトリング「スーパー クロノマット B01 44」

2020年の「クロノマット」復活に続き、21年は「スーパー クロノマット」が誕生した。より大きく、マッシブなケースとセラミックベゼルを持つ点がクロノマットとの相違点だ。写真はルーローブレスレットにUTCモジュールを埋め込んだ特別仕様。

IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ 43」

直径46mmケースで展開していたビッグ・パイロット・ウォッチをサイズダウンし、親しみやすいスペックに。搭載する機能を絞り、視認性を高めた。リベット打ちのストラップが、かつての軍用時計らしい要素を色濃く残す。

ロンジン「ロンジン アヴィゲーション ビッグアイ」

「ビッグアイ」という名称は、3時位置の30分積算計が他のインダイアルより大きいことから付けられたもの。チタン製ケースと、ブルーの柔らかなグラデーション文字盤を持ち、1930年代のオリジナルから正統な進化を遂げた。

ジン「103.KLASSIK12」

ブランド創業60周年を記念した「103」。クラシックの名前にふさわしく、横3つ目のトリコンパックスレイアウトが採用された。セラミックベゼルインサートや、サファイアクリスタル風防など、現代仕様だ。

フォルティス「フリーガー F-39-J オートマティック」

両方向回転ベゼルやシンプルなダイアルを持つ正統派パイロットウォッチ。日本限定モデルはブルーダイアルが印象的だ。インデックスと各針のスーパールミノバは発光時間が最も長いX1グレード。

ゼニス「パイロット タイプ20 クロノグラフ シルバー」

飛行機から着想を得た本作は、航空分野と深い関係を持つゼニスの歴史を想起させる。シルバーケースに収まるのは飛行機の胴体を模した文字盤で、立体的なリベット加工が特徴だ。

ハミルトン「カーキ アビエーション X-ウィンド デイデイト オート」

偏流修正角を計算するフライトコンピューターを搭載したパイロットウォッチにカモフラージュ柄モデルが追加。グリーンのテキスタイルストラップと併せて、ミリタリーカラーを強調する。

ダマスコ「DK30OC B」

真っ青な文字盤が映える、ダマスコを代表するパイロットウォッチ。これまでの汎用機に置き換わる自社製キャリバーA26を搭載しており、堅牢性や巻き上げ効率を向上させている。ブラスト仕上げを施した硬化サブマリンスティール製ケースが、本作のタフさを物語る。

耳を澄ませば聞こえてくる
ロマンを追い求める男の鼓動

鼻をつくガソリンの匂いを妙に心地よく感じながら、愛しい車の機嫌をうかがう。飾り気のないダッシュボードの計器には飛行機のそれと通ずるロマンが息づく。それを知る男の手元には、UTCモジュールをブレスレットに組み込んだ漆黒のダイアルが輝く。自由を象徴した大空への憧憬を誘う、懐かしの意匠だ。