理想の腕時計とは何か? それは、僕らの想いを託すことができる分身であり、僕らに寄り添いともに歩んでいける相棒であり、僕らを鼓舞し、勇気づける存在だ。肌身離さず身に着けているからこそ、それは実用的でなくてはならない。働くときも、遊ぶときも、それは常に自分らしく自然体でいられる腕時計──。
そんなデイリーユースをかなえてくれるのが、スポーツウォッチである。
そして、スポーツウォッチは、季節の変化にも負けない強靭で堅牢なスペックを持ち、そこに豊かな個性が宿る。何よりスポーツウォッチが面白いのは、ケースに採用される素材によって、その個性にさらなる広がりを見せるところにある。それは、多様な趣味嗜好や感性と共振するかのような一体感をもたらす。1年の中で最も過酷な環境にさらされる、高温多湿な日本の夏。そんな夏をものともせずに、むしろ、その夏にこそ手元で映える“夏時計”。
ジーンズのように使い込むほどに味わいを増すブロンズ素材の腕時計は“育て甲斐”があると人気だ。古くは潜水ヘルメットや舷窓、六分儀、羅針盤などに多用された素材で、海との関わりも深い。そんなユニークな素材を外装に採用したのが、この角型ケースのダイバーズウォッチ。ブラウンダイアルがブロンズと見事に調和している。ケースバックはアレルギーを引き起こしにくいステンレススティール製。
シャツ/3万800円、ジョン スメドレー。問リーミルズ エージェンシー Tel.03-5784-1238。中に着たTシャツ/1万4300円、アスペジ。スニーカー/6万9300円、ラルディーニ。ともに問トヨダトレーディング プレスルーム Tel.03-5350-5567。デニム/5万8300円、アワー レガシー。問エドストローム オフィス Tel.03-6427-5901。サングラス/7万3700円、10 アイヴァン。問アイヴァン PR Tel.03-6450-5300
菊池陽之介:スタイリング
竹井 温(&’s management):ヘア&メイク
Soche :モデル
安部 毅:編集・文(スタイリングページ)
野島 翼、佐藤しんいち、クロノス日本版(広田雅将、鈴木幸也、細田雄人、土井康希):文
Photographs by Masayuki Shimizu(models / mili), Masanori Yoshie(watches)
Styling by Yonosuke Kikuchi
Hair & Make by Tazuru Takei(&’s management)
Modeled by Soche
Edited & Text by Takeshi Abe(Styling pages)
Text by Tsubasa Nojima, Shinichi Sato, Chronos Japan Edition
(Masayuki Hirota, Yukiya Suzuki, Yuto Hosoda, Kouki Doi)
使い込むほどに増す味わいが愛着を育むワン&オンリーなダイバーズ
経年変化、エイジング、あるいはパティーナ。そんな言葉で形容されるブロンズが持つ唯一無二の魅力。
それは、酸化により緑青が発生し、素材自体の色合いや風合いが変化していくことにある。使い続けることで味わい深く変化することから、所有者の愛着を育む素材として人気だ。
自動巻き(Cal.69385)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。ブロンズ(直径41mm、厚さ14.5mm)。10気圧防水。95万1500円。問IWC 0120-05-1868
自動巻き(Cal.NN20/2)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。ブロンズ(直径40mm、厚さ14.5mm)。100m防水。世界限定300本。55万円。問ノルケインジャパンTel.03-6864-3876
自動巻き(Cal.Oris754)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。ブロンズ(直径40mm)。5気圧防水。31万9000円。問オリスジャパン Tel.03-6260-6876
自動巻き(Cal.BR-CAL 302)。25石。パワーリザーブ約40時間。2万8800振動/ 時。ブロンズ(直径42mm、厚さ12.05mm)。300m防水。世界限定999本。57万2000円。問ベル&ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989
自動巻き(Cal.17)。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約38時間。ブロンズ(直径42.0mm、厚さ12.56mm)。300m防水。68万2000円(10月発売予定)。問ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707
『クロノス日本版』編集長がアドバイス!
ブロンズウォッチ選びのポイント
すっかり時計業界に定着したブロンズ素材。使うほど味が出るこの素材は、アンティーク風を強調する各社にとって、もはや欠かせない素材となった。もっとも、ブロンズと言っても素材は大きく2種類に分かれる。
ひとつは古典的な組成を持つもの。変色しやすいため味は出やすいが、服を汚すというデメリットがある。
そしてもうひとつは、アルミニウムなどを混ぜた新しいブロンズ。普段使いに向くが、半面、味が出にくい。
ブロンズ素材を選ぶ際は、どちらの組成を持った素材なのかを販売店に確認すること。ライフスタイルに合わなければ、ブロンズは持て余すでしょう。