「集めたくなる腕時計」を考えたことをきっかけに、また腕時計を買いたくなった話(オチもなければ金もない)

LIFE編集部ブログ
2024.08.12

本ブログを書く前日、webChronosのXの公式アカウントをフォローしてくださっているFさんと「集めたくなる腕時計」について、返信欄で少し話した。その後、この話題を自分の中で深掘りしたくなった。いろいろな楽しみ方がある中で、「集める」ということに価値を見出しやすい腕時計について考えたことをつらつらと書いていく。

鶴岡智恵子(クロノス日本版):文・写真
Text and Photographs by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2024年8月12日公開記事]


「集める」のが楽しい腕時計

 自分は、腕時計を12本所有している。腕時計が趣味ではない方からは、この所有本数から「腕時計を集めている人」と、私は認識されるだろう。しかし12本の腕時計のブランドに統一感はなく、価格もデザインもかなり違う。

 一方で時計クラスタに目を向けると、同一ブランド、時には同一コレクションのモデルを蒐集しているユーザーを見かける。同一コレクション内で蒐集、という例は稀かもしれないが、自分の「欲しい時計リスト(暇さえあれば更新している)」には、既に所有している腕時計と同一のコレクションのモデルが結構あったりする。自分が同一コレクションの中で集めたい、集めることに楽しさを覚えそうな腕時計は、大きく分けて「年式違い」と「色違い」があった。


「年式違い」のモデルを集める

2018年夏に購入したチューダー「サブマリーナー」Ref.73090。1980年頃に製造されたと思われる個体。この年の秋に同ブランドが日本上陸して「チューダー」の呼び名が広まったが、当時はチュードルだったなぁ……

 私は、現行モデルではないが、チューダーの「サブマリーナー(ボーイズサイズのRef.73090)」と「ブラックベイ 32」を所有している。一時期「クロノタイム」も所有していた。このようにひとつのブランドで複数モデルを所有しているが、同一コレクションの別のモデルを買ったことはない。とはいえ“年式違い”のモデルを集める、というのは楽しいだろう。特にチューダーのサブマリーナーは1950年代~2000年頃までと製造期間が長く、この期間の中で針やインデックス、あるいはカラーでバリエーションが多数展開されており、加えて女性の私でも着けやすいサイズ感のモデルも多いので、Ref.73090をすでに所有している今も、ほかに気になるモデルは少なくない。

 こういった分かりやすいバリエーションのほか、サブマリーナーには蓄光塗料の種類やバックル、ブレスレットの形状にも年式違いがあって、このあたりにハマりだすと沼が深くなる。そうそう、昔のチューダーだと、ROLEXのロゴや王冠マークが入っているかどうかも面白いかも。ちなみに私が所有しているRef.73090には、ケースバックやバックルからロレックス仕様であることが分かり、チューダーとロレックスのダブルネーム感を楽しめる。

「クロノタイム」も年式違いによるバリエーションが豊富。自分にとっては少し大きかったこともあり、すぐに手放してしまったが、また入手したいと思いつつある今日この頃。

 チューダーのサブマリーナーから、今持っているのとは別にもう1本買うとしたら、写真がなくて恐縮だが、径33mmのRef.73090よりも少しだけ大きいRef.75190の、ブルーベゼル&ブルー文字盤のモデルが良いなぁ。1990年代くらいから作られ始めた、サブマリーナーにとっては比較的新しい世代で、割と落ち着いた価格で状態の良い個体を探しやすいのも◎。


「色違い」のモデルを集める

2021年くらい? に購入したG-SHOCK「GMW-B5000D-1JF」。手首回り14.7cmの自分にとって少し大きいが、気に入って愛用している時計のひとつ。メタル素材なので傷は少し気にするものの、G-SHOCKらしくオールシーズン、ガシガシ使っている。

 もうひとつ、最近欲しい腕時計の中で、G-SHOCKのフルメタル5000シリーズがある。ちなみに冒頭で話したFさんとの話の中心だったのだが、私はすでにGMW-B5000D-1JFを所有している。しかし昨年末に「GMW-B5000BPC-1JF」を、そして今年の3月に「GMW-B5000D-2JF」を1週間程度着用レビューして、このバリエーション違いの購入を真剣に検討するようになった。

G-SHOCK GMW-B5000D-2JF

2024年3月にリリースされた「GMW-B5000D-2JF」。蒸着処理によってメタリックブルーが差し色として添えられていることが特徴だ。

 ちなみにGMW-B5000系は、スペックは基本同じ。なので2本目を購入するとしても、何か新しい機能が付加されているということはない。また、“オリジン”ことDW-5000Cのデザインを受け継いでいるため、外観にも大きな違いはない。しかし「同じ外観」の中に、差し色、または全体の色の違いがあって、10万円以下という買えない金額じゃないという価格設定も相まって、コレクション欲をくすぐるのだ。

 同様のことは、先日スウォッチを見ても思った。

(左から)「ムーンスウォッチ MISSION TO THE SUPER BLUE MOONPHASE」と「ムーンスウォッチ MISSION ON EARTH - POLAR LIGHTS」。バイオセラミックによって、腕時計としては珍しい発色を実現しているのが面白く、色違いで欲しくなる腕時計の代表ではないだろうか。とはいえムーンスウォッチは、モデルによって販売期間が決まっていたり、いつも店頭にあるとは限らなかったりするため、コレクションには情報収集が欠かせない。

 先日、スウォッチのPR担当者がクロノス編集部までいくつかの製品を持って遊びにきてくれた。その時、スウォッチ×オメガ「ムーンスウォッチ」やスウォッチ×ブランパン「バイオセラミック スキューバ フィフティ ファゾムス」を見せてもらった。

 基本的なデザインは同じなのだが、スウォッチのバイオセラミックが実現するカラフルなモデルの数々は目で見て楽しく、同じコレクションなのに、まったく別のモデルに思えるようなものも存在した。改めて、これは集めるのが楽しそうだぞと感じたものだ。

 もちろんこのコラボコレクションのみならず、スウォッチは手頃な価格で充実したバリエーションを展開している時計ブランドのひとつだ。新作モデルも定期的にリリースされているので、スウォッチを集めるというのも楽しいだろう(実際、自分のSNSアカウントでフォローしているユーザーが長年スウォッチを蒐集されてきた方で、過去のモデルを多く含むそれらのコレクションは圧巻だ)。


さまざまな楽しみ方がある時計趣味

 今回、ふとしたきっかけで「集めたくなる腕時計」について思いを巡らせた。特にオチはないのだが、改めて時計趣味にはさまざまな楽しみ方があり、「所有する」こと自体が楽しみのひとつなのだなぁと思った。

 なお、自分の内面の“所有欲”を振り返った結果、またいろいろと欲しい時計が思い起こされてきて、でも先立つものがないので買うこともできず悶々とする気持ちもあるが、10月に先日予約したレイモンド ウェイルの新作「ミレジム」が届くので、それを最大の楽しみに、また日々頑張って働いてお金を貯めたい。


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