ブルガリは、世界的な人気を誇るプレイステーション®用リアルドライビングシミュレーター「グランツーリスモ」とのコラボレーションモデル「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」を発表した。「ブルガリ アルミニウム クロノグラフ」のスマートでクールなデザインはそのままに、ブラックとイエローを基調とした2種類のタキメーターダイアルが与えられたメモリアルピースだ。
[2023年12月4日公開記事]
グランツーリスモへの敬意が込められた「ブルガリ アルミニウム クロノグラフ」
2023年12月1日から3日間(現地時間)、バルセロナで開催された「グランツーリスモ ワールドシリーズ ワールド ファイナル2023(PlayStation®5/PlayStation®4用ソフト「グランツーリスモ7」の公式世界大会・決勝)」の会場において、「ビジョン グランツーリスモ」プログラムの10周年を記念し、ブルガリの「ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ 限定モデル」が発表された。本作は、同時にお披露目されたコンセプトカー「ブルガリ アルミニウム ビジョン グランツーリスモ」と相互に結びついたデザインが特徴だ。
自動巻き(Cal.B381)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。アルミニウムケース(直径41mm)。100m防水。69万3000円(税込み)。アンスラサイトダイアル: 世界限定1200本。イエローダイアル: 世界限定500本。
アルミニウム製ケースやラバー製ストラップの基本的な造形は、23年6月にリニューアルされた「ブルガリ アルミニウム クロノグラフ」と同様だが、文字盤にはグランツーリスモのゲーム画面計器用フォントが採用され、1990年代のイタリア車のダッシュボードから着想を得た鮮やかなイエローが取り入れられている。
文字盤の最外周には、2020年のアルミニウムコレクション復活以降初となるタキメーター(任意の区間平均速度を算出する計算尺)が盛り込まれるなど、これまでになくモータースポーツへの敬意が込められたデザインだ。
また、チタン製のケースバックとアルミニウム製の収納ケースには、プログラムの10周年を記念した「ビジョン グランツーリスモ」のロゴが印字され、アニバーサリーモデルならではの特別仕様となっている。
12月4日より抽選販売の受け付けスタート!
なお、23年12月4日(月)0時より、特設サイトで本作の抽選販売が受け付けられる。
翌12月5日(火)以降はブルガリ公式サイトでも案内が行われるが、いち早く情報をキャッチするには、まず特設サイトを訪問することをお勧めする。
ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ限定モデル 特設サイト
https://bulgari.runfair.com/ja-JP/jp/bulgari-aluminium-gran-turismo/
時計ブランド初となる「ビジョングランツーリスモ」プログラムへの参画
今回、ブルガリがコラボレーションを果たした「グランツーリスモ」は、1997年に登場し、今なお世界的な人気を誇る家庭用ゲーム機向けのリアルドライビングシミュレーターだ。
ポリフォニー・デジタルの山内一典によって考案・開発された同シリーズは、それまでの手軽な爽快感を重視したレーシングゲームとは異なり、実車のリアルな挙動が再現され、実際に録音されたエンジン音が楽しめるなど、その類まれなる本物志向によって家庭用ゲーム機の世界に新たなジャンルを切り開いた作品である。
2012年には、ゲームのトッププレイヤーからリアルレーサーを育成するプログラム「GTアカデミー by 日産×プレイステーション®」より輩出されたヤン・マーデンボローが実車のレーシングドライバーとして大活躍し、モータースポーツ業界にも大きな反響を巻き起こしてきた。
そんな「グランツーリスモ」シリーズが、自動車メーカーに対し、理想のクルマを開発・デザインしてもらう独自の取り組みが「ビジョン グランツーリスモ」(以下VGT)だ。VGTではゲーム内の架空のレーシングカーのみならず、時には実車が製作されることもあった。そして、これまでの参画企業は自動車メーカーが主だったが、プログラムの開始から10年目にあたる23年、ブルガリは時計ブランド(非自動車メーカー)初となるコンセプトカー「ブルガリ アルミニウム ビジョン グランツーリスモ」を発表したのである。
時計と車が相互に影響を与えあったコラボレーション
今回、プロジェクト全体のディレクションを担当したのは、ブルガリ ウォッチプロダクト クリエイション エグゼクティブディレクターであるファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニだ。
彼自身も自動車業界の出身だが、コンセプトカー「ブルガリ アルミニウム ビジョン グランツーリスモ」のデザインは、元ピニンファリーナのデザイン・ディレクターで、現在はアッカエッフェ・クリエイティブ・コンサルティングのエグゼクティブ・ディレクターを務めるファビオ・フィリッピーニとふたりで練り上げたものだという。
1971年イタリア生まれ。工業デザイン大学ローマ校を卒業後、98年にフィアットに入社。2005年には自身のデザインスタジオを設立し、それをブルガリが吸収するかたちで、ブルガリに参画。ブルガリ ウォッチプロダクト クリエイション エグゼクティブディレクターとしてデザイン部門を率いる。
「プロジェクトがスタートした時、車の要素を持つ時計を作って終わりにするのではなく、初めにアルミニウムとの一貫性がある車を作ることを提案しました。1970年代のイタリア車に着想を得て、ファビオとお互いにスケッチを送りあった結果、幾何学的で角ばったフォルムや大きなホイールアーチ、フロント部のブラックパートなど、見事にアルミニウムの世界観を表現した車となり、とても興奮しています。カラースキームも絞り、ボディのアルミニウムはマット加工、他のエレメントはブラックとイエローにまとめました」
ジャン-クリストフ・ババンへの直談判で実現した原寸大コンセプトカー
時計をコンセプトとした車が先に誕生し、その要素を再び時計に落とし込んだプロダクトがブルガリ アルミニウム グランツーリスモ限定モデルという、相互に結びついたコラボレーションだが、グランツーリスモシリーズの生みの親である山内一典は、今回のプロジェクトをどのように見ているのだろうか?
1967年千葉県生まれ。「グランツーリスモ」シリーズのクリエイター。ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)在籍時に「グランツーリスモ」を開発。1998年にポリフォニー・デジタルを設立し、現在同社の代表取締役 プレジデントをつとめる。
(右)ジャン-クリストフ・ババン
1959年フランス生まれ。MBAを取得後、P&G、コンサルティング会社などを経て、タグ・ホイヤーCEOに就任。2013年にブルガリ グループCEOに就任。
「『ビジョン グランツーリスモ』は、皆さんが考えるグランツーリスモをデザインして下さいというプログラムですので、私の方から要望を伝えたりはしていないのですが、この車はすごく好きですね。円弧と直線だけで車を作り上げるという極めて挑戦的な制約があったにも関わらず、どこを見ても比率が完璧で、プロポーションが美しい」
山内一典の本プロジェクトへの想いの強さは、原寸大コンセプトカーを展示したグランツーリスモ ワールドシリーズ ワールドファイナル2023の会場作りからも見て取れる。
「実はもともと原寸大コンセプトカーの製作予定はなかったのですが、これはマスターピースになる車だと確信し、私からブルガリ グループCEOのジャン-クリストフ・ババンに直談判して実現していただきました。面白いことに車というのは一度誕生してしまうと、こういった経緯は一切忘れられてしまうんですね。でも車自体は100年後も残っていくし、どんどん輝きを増していく。同時に作られた時計(ブルガリ アルミニウム グランツーリスモ限定モデル)もまた、そうなっていくと思います」
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