(左)「RM 63-02 オートマティック ワールドタイマー」。ブルーのインナーベゼルには世界24都市の名称が記され、ベゼルを反時計回りに回し、現地時間を知りたい都市名を12時位置に合わせるだけで、時針が連動して動き、現地時間を表示する。なお、サマータイムを導入している都市名は青、南半球の都市名は黄色で表示されている。自動巻き(Cal.CRMA3)。37石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。グレード5Ti(直径47.00mm、厚さ13.85mm)。30m防水。1740万円。(右)「Cal.CRMA3」。RM 63-02が搭載するCal.CRMA3。ベースはリシャール・ミル初の自社開発ムーブメントCal.CRMA1。リュウズの巻き上げ(W)、ニュートラル(N)、時刻合わせ(H)という3つの機能を選択できるファンクションセレクターは4時位置、カレンダー調整は10時位置のプッシュボタンで行う。
リシャール・ミルで研究開発と設計を担うサルヴァドール・アルボナ氏は言う。「当社のムーブメント開発は、リシャール・ミル氏の意向により、モデルごとにひとつのムーブメントを開発することになっています」。同メゾンが創業以来、わずか15年でここまでの評価を得るに至ったのは、ミル氏の独創的なコンセプトと、APルノー・エ・パピなど、外部の優れたムーブメント開発メーカーとのタッグの賜物にほかならない。こうしたファブレスな開発にあっては、ひとつひとつのムーブメントが〝特注品〟のようなもので、「モデルごとにひとつのムーブメントを開発する」のは当然で、むしろ、そうしなければ、これまで同メゾンの名声を築いてきた名機たちは誕生しなかっただろう。だが、リシャール・ミルはこのやり方を、自社開発ムーブメントにおいても採り入れているのだ。
例えば、リュウズを押すと文字盤が反時計回りに回転し、同時に時針が高速で回転するという独創的なデモンストレーションを開始するディジーハンズは、遊び心溢れる同メゾンらしい作品だが、搭載する自社開発ムーブメントCRMA3は、CRMA1をベースにしながらも、もはや別物としか言えない仕上がりだ。
RM 58-01 トゥールビヨン ワールドタイマー ジャン・トッド
トゥールビヨンに実用性の高いワールドタイマーを搭載。リシャール・ミルとAPルノー・エ・パピとのコラボレーションによって完成したコンプリケーション。手巻き(Cal.RM58-01)。41石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約10日間。18KRG×グレード5Ti(直径50.00mm、厚さ15.35mm)。30m防水。世界限定35本。7510万円。 |
RM 63-01 ディジーハンズ
リュウズを押すと、文字盤は反時計回りに回転し、時針も高速回転を始め、時間という概念を失わせるような動きが、目まい(ディジー)を誘うように見えることから命名された。自動巻き(Cal.CRMA3)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KRG×グレード5Ti(直径42.70mm、厚さ11.70mm)。30m防水。1420万円。 |