RM 50-03の一部デザインは、マクラーレン・ホンダF1から転用したもの。パワーリザーブとトルクインジケーターの色も、やはりマクラーレン・ホンダF1の計器で使われているものだ。加えて、レースでの使用を想定し、ムーブメントも改良された。例えば、コラムホイール。強い衝撃下でも確実に操作ができるように歯数は減らされ、コラムの柱も長くなった。そのため、ショックを受けてもレバーとの噛み合いは外れにくい。
マクラーレン・ホンダと10年間のコラボレーションを提携したリシャール・ミル。腕時計のF1カーを標榜し、時計にカーボンなどの新素材を採り入れてきたリシャール・ミルが、カーボンモノコックボディの採用でF1カーの設計を一新したマクラーレン・ホンダとパートナーになるのは当然の成り行きだろう。モデル名に「マクラーレン」の名を付けるだけでなく、新製品を共同開発すると、かつてミル氏が語っていた通りに実現した。
RM 50-03で時計に初めて採用された新素材が「TPTグラフ」である。蜂の巣のような六角形格子構造を持つ炭素原子のシート「グラフェン」を積層したものだ。非常に軽量で、理論上は強度が大きく高まる。