モーリス・ラクロアの代名詞と言っても過言ではないほどの人気を誇る「アイコン」。ケースサイズや文字盤、ストラップの色など、バラエティに富んでいるのも魅力のひとつだ。実は、このアイコンの専用ストラップは、異なるリファレンス同士であっても一部モデルが互換性を持ち、付け替えを楽しめる。今回は、モーリス・ラクロア・クラブ・ジャパン創設者の中澤浩司氏の協力のもと、「アイコン」の専用ストラップの種類や互換性、そしてそれぞれの色によって、どのような印象を人に与えるかを紹介しよう。
Text by Mutsuyo Ito
[2024年5月10日公開記事]
「アイコン」をさらに楽しむ為に知っておいて損はなし? 専用ストラップの互換性
モーリス・ラクロアを代表するコレクション「アイコン」には、いくつかのストラップが用意されている。そしてこのストラップは、一部のモデル間で互換性を持つため、たとえケースサイズが異なったとしても、付け替えられる場合がある。アイコンをいっそう楽しむために、アイコンのストラップの互換性について知っておこう。
Aグループ内で付け替えられるストラップ
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径42mm、厚さ11mm)。20気圧防水。30万9100円(税込み)。
自動巻き(Cal.ML165)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径43mm、厚さ12mm)。30気圧防水。39万6000円(税込み)。
上記写真の2モデルはケースサイズは異なるが、実はストラップには互換性がある。これらの2モデルをAグループとして説明していく。このふたつのモデル、つまりAグループのストラップは、カーフレザー(ブラック・ブラウン・ブルー)とラバー(ブラック・グレー・ブルー・グリーン・ホワイト)が用意されており、別途購入することで、付け替えが可能だ。なお、Aグループにのみ付けられるホワイトのラバーストラップは、モーリス・ラクロア ウォッチクラブジャパンから誕生した特別モデルAIKON AUTOMATIC CLUB JAPAN EDITIONのために、同団体創設者の中澤浩司氏の色指定によって作成されたストラップで、真っ白ではなく薄くグレーがかった色だ。ステンレススティールと近い色にしているだけあって、どのダイアル色にも合わせやすいことが特徴だ。
なお、同じ種類のモデルであればストラップの付け替えが可能だ。そのため、文字盤やストラップ違いの「アイコン オートマティック 42mm」Ref.AI6008-SS000-430-4やRef.AI6008-SS002-730-1。「アイコン オートマティック ベンチュラ GMT」Ref.AI6158-SS002-130-1やRef.AI6058-SS001-430-1もAグループとして、同じストラップを楽しむことができる。
Bグループ内で付け替えられるストラップ
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径39mm、厚さ11mm)。20気圧防水。30万9100円(税込み)。
自動巻き(Cal.ML115)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径38mm、厚さ12mm)。30気圧防水。32万5600円(税込み)。
同じく、この2モデルも互換性のあるストラップを付け替えることが可能だ。さらに、「アイコン クォーツ 39mm」も、同じストラップを付けることができる。これらのモデルをBグループとする。このBグループ内にはストラップはカーフレザー(ブラック・ブラウン・ブルー)とラバー(ブラック・グレー・ブルー・グリーン)が用意されている。
掲載した写真のモデル以外だと、「アイコン オートマティック 39mm」Ref.AI6007-SS000-630-5やRef.AI6007-SS002-170-1、「アイコン オートマティック ベンチュラ 38mm」のRef.AI6057-SSL72-150-1やRef.AI6057-SSL50-630-5も同じストラップに対応している。
このように、異なるモデル同士でも、ストラップに互換性があることを知ると、いっそう時計の楽しみ方が広がるだろう。そもそものモデルにはなかった色やタイプのストラップを付け替えて、楽しむことが可能になるのだから。
色相が同じなら色味も同じ? ブルーとグリーンのストラップの色味の違いと人に与える印象を解説
腕を出す機会が増えてくる春夏。多数あるストラップの中でも、ブルーやグリーンのストラップに挑戦したくなるのではないだろうか。海や森などの自然を連想させる色はカジュアル・リラックスシーンにピッタリだ。今回紹介したAグループ、Bグループのモデルに用意されているストラップには、どちらにもブルーとグリーンのストラップが用意されているため、ぜひこの機会にどちらかの色にチャレンジしてみてほしい。時計を購入せずとも、ストラップ購入だけで新しいスタイルに挑戦できるというのは、お得感も強いのではないだろうか。
とはいえ、ブルーとグリーンという括りの中でも、「どれを着けても同じ」というわけではない。そこで、ブルーとグリーン、それぞれの色のストラップを写真と一緒に紹介するとともに、色相は同じでも、それぞれ違いを持つことを、“色味”と“人に与える印象”の2点から、解説していく。
ブルーのストラップ(Aグループのストラップ)
上の写真は、一般的に「ブルー」に分類されるストラップだ。しかし、それぞれで色味が異なり、人に与える印象も違う。
左のレザータイプはブルーというよりもブラックに近いダークネイビーで、ステッチのブルーのアクセントがあることで、地味になりすぎない。革が持つ素材感、そしてダークネイビーという色味が相まって、真面目で誠実な印象を与える。
中央と右のラバーストラップは一見同じ色に見えるが微妙に色味が違う。中央の方が若干黄みを帯びており、明度も低めだ。右は黄みが全くなく、真ん中のラバーよりも明るい。どちらのブルーも爽やかで知的な印象を与える。より軽やかに見せたい方には右をお勧めする。
グリーンのストラップ(Bグループのストラップ)
こちらの2本のラバーストラップも、一見すると同じグリーンだ。しかし、肌に載せると微妙に色味が違って見える。さほど大きな違いはないのだが、左の方が若干黄みを帯びて見えるのだ。とはいえ、選ぶ際は色味よりもデザインの好みで選んでもいいだろう(下記画像参照)。なお、グリーンは親しみやすさや穏やかさなどの印象を与える。
ここで少し、色の小ばなしを。
カラーセラピーでは「グリーンは名医である」(D.P.ガアディアリ博士)と言われ、リラックス効果・鎮静効果があるとされる癒しの色だ。突然グリーンが気になりだしたら、心からのサインかも。グリーンを身にまとって自分を癒してみてもいいかもしれない。
ストラップの互換性と色味の違いを知って、楽しい「アイコン」ライフを!
ストラップを変えてひとつのモデルを何パターンも楽しむのが当たり前になってきた昨今。ラグの形状上、専用ストラップでしか対応できないモデルでも、互換性を知ることで色選びの幅を広げる事ができる。さらに、店頭に常時置けないストラップは、実物を見ないままに購入することになる。そんな時、色味の違いを知ることで、写真だけでもストラップ交換にチャレンジしやすくなる。ぜひ、ストラップ交換やそれぞれのストラップが持つ特徴を知って、「アイコン」ライフをもっと楽しんでほしい。
筆者プロフィール
伊藤むつよ
時計とジュエリーに特化した異色のコンサルタント。催事会場・ブティックでのコンサルティングや色彩セミナー開催に加えて、販売接客講師も務める。
時計メーカーの現役色彩監修者。J-color認定講師・カラーセラピスト・時計修理技能士2級など多くの資格を保有。(株)parakeITO代表取締役。
HP:https://www.mutsuyo-ito-parakeito.com/
監修者プロフィール
中澤浩司
スイス腕時計ブランド MAURICE LACROIX 世界初の公認MAURICE LACROIX Watch Club JAPANを創設。
同ブランド日本人初、日本限定コラボレーションモデル「AIKON AUTOMATIC CLUB JAPAN EDITION」を発表。
時計ケースブランド “CELIEU”創設。
フランスマニュファクチュールレザーブランド Jean Rousseauとダブルネーム発表や新たなウォッチクラブ「All Watch Club」創設。
HP:https://www.celieu.com/link
https://www.webchronos.net/features/106263/
https://www.webchronos.net/features/101547/
https://www.webchronos.net/features/107185/