2025年 IWCの新作時計を一挙紹介!

2025.04.02

Watches & Wonders Geneve2025で発表された、IWCの新作腕時計を一挙紹介。昨年は「ポルトギーゼ」でそろえられたが、今年は「インヂュニア」に新しいバリエーションが追加されると同時に、特別な「パイロット・ウォッチ」も華やかに登場している。

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」


IWCの2025年新作時計①「インヂュニア・オートマティック 35」

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」

 2023年にフルモデルチェンジを行った「インヂュニア」に、ケース径35mmの新モデル「インヂュニア・オートマティック 35」が追加される。現在のインヂュニアは、1976年にジェラルド・ジェンタがデザインした「インヂュニア SL(Ref.1832)」に回帰するデザインコンセプトであり、全体のシルエットだけでなく、ケースサイドとブレスレットをつなぐなだらかなラインや、ベゼル上のネジにその特徴が見て取れる。

 2023年発表の「インヂュニア・オートマティック 40」はケース径40mm、厚さ10.7mmであるのに対し、新作のインヂュニア・オートマティック 35はケース径35mm、厚さ9.44mmと、よりコンパクトに、より薄く仕立てられた。サイズダウンに際し、デザインコードやスタイリングを維持するようにすべてのパーツ、すべてのディテールの見直しが行われている。また、小型かつフラットなシルエットと、人間工学の観点からのさらなる改良により、良好な着用感が期待できる。

 用意されるのは3種のバリエーションであり、18Kレッドゴールド製モデル1種と、ステンレススティール製モデルのシルバー文字盤およびブラック文字盤の計2種である。いずれも搭載するのは自動巻きムーブメントのCal.47110で、パワーリザーブは約42時間だ。

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324903

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324903
自動巻き(Cal.47110)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KRGケース(直径35mm、厚さ9.4mm)。10気圧防水。575万3000円(税込み)。

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324901

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324901
自動巻き(Cal.47110)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径35mm、厚さ9.4mm)。10気圧防水。155万4300円(税込み)。

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324906

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324906
自動巻き(Cal.47110)。23石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径35mm、厚さ9.4mm)。10気圧防水。155万4300円(税込み)。


IWCの2025年新作時計②「インヂュニア・オートマティック 42」

IWC「インヂュニア・オートマティック 42」Ref.IW338903

「インヂュニア」コレクションに新サイズとなるケース径42mmで、ブラックセラミックス製ケースを採用した新モデル「インヂュニア・オートマティック 42」が追加される。セラミックスはIWCが得意とする素材のひとつであり、他のコレクションや、フルモデルチェンジ以前のインヂュニアでは採用事例があるが、現在のデザインとなったインヂュニアでは初採用となる。

 セラミックスは非常に硬度が高く、耐傷性に優れるだけでなく、軽量で温度変化の影響を受けないなど、腕時計、特にツールウォッチに好適な素材である。IWCは、このセラミックスの特徴に注目し、1986年に酸化ジルコニウム・セラミックス製ケースを備えた世界初の腕時計を発表して以来、約40年間にわたって研究および腕時計への採用を続けてきた。

 本作は、このようなIWCの知見が注がれた新作で、インヂュニアのデザインコードを維持しながら、ケースリング、ベゼル、裏蓋リング、リュウズ、リュウズガード、ブレスレットに至るまでブラックの酸化ジルコニウム・セラミックス製とし、ケース径42mm、厚さ11.5mmのスタイリングにまとめられている。

 ステンレススティールをはじめとした金属とセラミックスは特性が大きく異なるため、金属製ケースと同じ構造でセラミックスに置き換えるだけでは成立しないことが多い。本作では、ベゼルと裏蓋リングをネジによってケースリングに固定するために内側にチタン製リングを追加し、ムーブメントの保持と防水性の確保にも利用している。風防とケースバックのサファイアクリスタルは、チタン製リングで保持するのではなく、セラミックス部品に直接圧着されており、この構造によってオリジナルのステンレススティールモデルの構造と特徴的なプロポーションを維持しつつ、防水性を確保している。

IWC「インヂュニア・オートマティック 42」Ref.IW338903

IWC「インヂュニア・オートマティック 42」Ref.IW338903
自動巻き(Cal.82110)。22石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。酸化ジルコニウム・セラミックケース(直径42mm、厚さ11.5mm)。10気圧防水。296万1200円(税込み)。


IWCの2025年新作時計③「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」

IWC「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」Ref.IW344903

 インヂュニアコレクションに永久カレンダー機構を組み込んだ「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」が発表された。前述の通り現在のインヂュニアは、「インヂュニア SL(Ref.1832)」をベースとしたモデルである。そしてIWCにおいて永久カレンダーといえば、1985年発表で、IWCの機械式時計の系譜を支えた技術者クルト・クラウスが開発した永久カレンダー機構を搭載する「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」がアイコンとなっている。すなわち本作は、IWCに大きな影響を与えた偉大な2名の作品を組み合わせたモデルと言える。

 クルト・クラウス開発の永久カレンダー機構は、リュウズのみで操作できる点が画期的であった。本作に搭載される自動巻きムーブメントのCal.82600もこの特徴を引き継いでおり、シンプルな操作で、閏年、月、曜日、日付、ムーンフェイズ表示を調整可能である。また、閏年を考慮した各月の日数を元にカレンダーは制御され、ムーンフェイズ表示は577.5年に1日分の誤差しか生じない高い精度を有する。自動巻き機構は、IWCの伝説的な技術者であるアルバート・ペラトンが開発したペラトン自動巻き機構を採用している。この機構で最も負荷の高いパーツ(巻き上げ力を伝達する爪)にはセラミックスを採用するなど改良が行われているが、基本構造はペラトンの設計を踏襲しており、本作はIWCにとって重要な3名の作品が組み合わさっているとも言えるだろう。

 また、文字盤にも注目である。最初の工程で、インヂュニアの特徴的なグリッドパターンが施され、サブダイアルが文字盤の下地に取り付けられる。文字盤を着色した後、サブダイアルにはカレンダー表示の情報がパッド印刷され、多様で精密な表示が必要な永久カレンダーを実現している。グリッドパターンの直線的な光の反射に加え、サブダイアルに施されたサンレイ仕上げによる柔らかな光の反射がコントラストをなしている。

IWC「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」Ref.IW344903

IWC「インヂュニア・パーペチュアル・カレンダー 41」Ref.IW344903
自動巻き(Cal.82600)。46石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41.6mm、厚さ13.4mm)。10気圧防水。562万5400円(税込み)。


IWCの2025年新作時計④「インヂュニア・オートマティック 40」のレッドゴールドモデル

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324906

「インヂュニア・オートマティック 35」に18Kレッドゴールド製モデルが登場するのに合わせ、「インヂュニア・オートマティック 40」にも18Kレッドゴールド製モデルが追加される。ケースとブレスレットは落ち着きがありながら華やかな18Kレッドゴールド製で、ブラックのグリッドパターン文字盤が全体を引き締めるデザインとなっている。

 シルエットやディテールは、2023年発表のステンレススティール製モデルに準じつつ、ケースと裏蓋リング、ベゼル、リュウズやリュウズガード、ブレスレットのリンクに至るまですべてゴールド製となる。この中でブレスレットは、現在のインヂュニアのデザインを決める大きな要素であるためディテールを保ちながら、可動範囲を確保して着用感を維持する必要がある。この点は、評価の高いIWCによるブレスレットの設計と製造技術が注がれていると言えるだろう。

 搭載されるのはパワーリザーブ約120時間の自動巻きムーブメントCal.32111で、ケースバックからそのムーブメントの作動の様子を鑑賞することができる。

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324906

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324906
自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。18KRGケース(直径40mm、厚さ10.4mm)。10気圧防水。707万6300円(税込み)。


IWCの2025年新作時計⑤「インヂュニア・オートマティック 40」のグリーン文字盤モデル

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324908

 今般追加された「インヂュニア・オートマティック 40」のグリーン文字盤モデルは、2025年夏に公開予定の映画「F1®」で、ブラッド・ピット演じる主人公が着用する時計から着想を得た世界限定1000本のモデルである。映画「F1®」は、実際のF1グランプリを背景に撮影され、F1ドライバーのルイス・ハミルトンがプロデューサーとして参加するなど、かつてない規模で撮影が行われている注目作である。

 ブラッド・ピット演じるベテランレーシングドライバーの主人公“ソニー・ヘイズ”は作中で「インヂュニア SL(Ref.1832)」を愛用しており、その文字盤はソニーのトレードマークとなるグリーンにカスタマイズされている。この撮影用の特別な腕時計は、IWCとブラッド・ピット、ヴィンテージウォッチのカスタマイズを行う専門のデザインスタジオであるクロイスター・ウォッチ・カンパニーのコラボレーションによって誕生したものである。

 本作はこの特別な腕時計から着想を得たモデルであり、作中同様のグリーンの文字盤にゴールドメッキのアプライドインデックスの組み合わせが用いられている。本作は世界限定1000本となる。

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324908

IWC「インヂュニア・オートマティック 35」Ref.IW324908
自動巻き(Cal.32111)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.4mm)。10気圧防水。世界限定1000本。195万4700円(税込み)。


IWCの2025年新作時計⑥「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」

IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」Ref.388801

 デジタル形式の永久カレンダー機構とクロノグラフ機構を組み合わせ、IWC独自のセラタニウム製ケースを用いた「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」が発表された。

 本作の特徴となるデジタル形式のカレンダーは、1880年代の懐中時計「パルウェーバー」の時刻表示からインスピレーションを受けたもので、本作では、文字盤上の3時位置の月表示、9時位置の日付表示のそれぞれは、ゴールドカラーのダブルディスクによって実現されている。この機構は非常に複雑かつ、安定して作動させる難易度の高いものであり、毎晩、日付ディスクを作動させながら少しずつエネルギーを蓄えて、月あるいは年の終わりにそのエネルギーを確実に放出させ、各ディスクを正確な位置まで進める必要がある。本作に搭載される自動巻きムーブメントCal.89802では、このような機構を安定して作動させつつ、IWCの永久カレンダーの伝統となるリュウズのみで完結する操作系を実現している。

 また本作は、スポーティーな外観にふさわしい素材が用いられている点も特徴となる。用いられるIWCの独自素材のセラタニウムは、チタン系の合金でありながら、高温熱処理を施すことでセラミックスの特性が与えられた素材であり、チタンの軽量さとセラミックスの硬度と耐傷性を兼ね備えている点が特徴である。本作は、セラタニウム特有のマットブラックでまとめられており、パイロット・ウォッチコレクションのデザインにマッチするスポーティーなデザインとなっている。

IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」Ref.388801

IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト/マンス」Ref.388801
自動巻き(Cal.89802)。51石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。セラタニウムケース(直径43mm、厚さ16.5mm)。10気圧防水。1293万6000円(税込み)。


IWCの2025年新作時計⑦「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」

IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」Ref.IW357701

 SPRIN-g PROTECTシステムによって1万Gを超える衝撃に耐えるトゥールビヨンモデル「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」が発表された。モデル名の“XPL”は、本作の開発を担当したIWCの先進的なエンジニアリング部門の名を指す。その研究テーマのひとつがムーブメントの衝撃保護であり、本作にはその研究成果が投入されている。

 その衝撃保護を実現するのがIWCの特許技術のSPRIN-g PROTECTシステムである。これは、カンチレバー・スプリングを使用してムーブメントを緩衝し、ケース内でムーブメントを吊り下げる構造である。ケースに衝撃が加わった場合、ムーブメントに生じる加速力はスプリングによって吸収され、ダメージにつながる衝撃力の多くを吸収して軽減することができ、結果、高い衝撃保護性能を実現している。この際、ムーブメントと外部の接続部となる巻き芯に大きな応力がかかる可能性があるが、衝撃力入力時に独自のリュウズカップリングシステムのカップリングが外れ、ムーブメントがケース内で自由に動けるようになり、外力から免れることができる。

 そして本作の特徴が、このSPRIN-g PROTECTシステムをトゥールビヨン搭載モデルに採用した点である。トゥールビヨンを備えるムーブメントのCal.82915にこのシステムを適合するため、本作ではスプリング形状を再設計しており、その結果完成した本作は、一連のテストにて1万Gを超える衝撃に耐えることが確認されている。

IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」Ref.IW357701

IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー・トゥールビヨン・スケルトン XPL」Ref.IW357701
自動巻き(Cal.82915)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。セラタニウムケース(直径44mm、厚さ13.1mm)。10気圧防水。世界限定100本。3056万9000円(税込み)。


IWCの2025年新作時計⑧「パイロット・ウォッチ」コレクション3モデル

IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41」Ref.IW388309

 映画「F1®」とのパートナーシップを記念する、「パイロット・ウォッチ」3モデルも同時に発表された。いずれもモータースポーツにまつわるモデルらしいスポーティーなクロノグラフをベースに、作中で主人公が所属する架空のレースチーム“APXGP”にまつわるデザインが与えられている。

 映画「F1®」では、IWCがAPXGPのスポンサーおよび公式チームウォッチとして登場し、そのブランドロゴがレーシングカー、ドライバーのレーシングスーツやヘルメット、チームのユニフォームなどにあしらわれている。各モデルはこのような世界観の下でデザインされている点が注目点だ。

「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41(Ref.IW388309)」は、18Kレッドゴール製ケースにブラックラッカーの文字盤、タキメーター付きブラックセラミックベゼルを備えるモデルである。このモデルは、ダムソン・イドリスが演じるジョシュア・ピアーズが着用しており、華やかなゴールドの色調とスポーティーなデザインが組み合わさっている点が注目ポイントだ。

「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ “APXGP”」および「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41 “APGXGP”」は、いずれもAPXGPチームに向けてデザインされたモデルで、ブラックをベースにホワイトとゴールドで各種表示がプリントされた文字盤に、ゴールドメッキの時分針およびインダイアルの針が組み合わされる点が特徴だ。また、APXGPのチームロゴが裏蓋に描かれている点も特徴となる。

IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41」Ref.IW388309

IWC「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41」Ref.IW388309
自動巻き(Cal.69385)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。18KRGケース(直径41mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。410万8500円(税込み)。

IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ “APXGP”」Ref.IW378009

IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ “APXGP”」Ref.IW378009
自動巻き(Cal.69385)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径43mm、厚さ14.9mm)。10気圧防水。107万8000円(税込み)。

IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41 “APXGP”」Ref.IW388116

IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41 “APXGP”」Ref.IW388116
自動巻き(Cal.69385)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径41mm、厚さ14.5mm)。10気圧防水。105万2700円(税込み)。



Contact info:IWC Tel.0120-05-1868


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