ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブには初出展となるブルガリが、他の時計ブランドを圧倒するような新作時計を発表した。とりわけ再び“史上最薄トゥールビヨン”を更新した「オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨン」は傑出している。
ブルガリ2025年新作①「オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨン」
2025年、ブルガリは新作「オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨン」によって、累計10回目となる新記録を打ち立てた。本作はトゥールビヨンウォッチ史上で最も薄いモデルとなり、直径40mm、時計の仕上がり厚さはわずか1.85mmである。500円硬貨の厚さが1.81mmとされているため、ほぼ同等の厚さであることを考えると、本作の薄さがいかに尋常ならざるものであるかが分かるだろう。全体のデザインは「オクト」および従来の「オクト フィニッシモ」に準ずる八角形を強調したシルエットとモノクロームなカラーコーディネートである。極めて薄い仕立てでありながらファセットが取られ、立体感が与えられている点にも注目だ。

手巻き(Cal.BVF 900)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。Tiケース(直径40mm、厚さ1.85mm)。要価格問い合わせ。
では、ブルガリの超薄型ウォッチへの追求について振り返ろう。2014年に手巻きトゥールビヨンの薄型化から始まった挑戦は、2016年に3.12mmを実現した世界最薄ミニッツリピーターによって躍進し、2017年に3mmを切って2.23mmとなったオートマチック、2021年に史上最薄のパーペチュアルカレンダーとして2.75mmを達成している。そして、2022年に「オクト フィニッシモ ウルトラ」によって2mmを大きく下回る1.80mmの金字塔を打ち立てたのであった。
オクト フィニッシモ ウルトラでは、その驚異的な薄さを実現するため時針と分針は個別のダイアルに配される特有の表示形式が取られた。しかし今回発表されたオクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨンでは、2時位置に時分針を同軸に配し、より一般的な表示形式を実現している。同軸を実現するには1本の軸に対してふたつの歯車を重ねて配置必要があり、極限の薄型化を実現するには障害となるはずであるが、本作ではこれを成し遂げているのである。
超薄型時計の実現には、全体の強度確保も必須となる。本作ではベゼル、ミドルケース、ラグにチタンを用い、メインプレートには金属切削用工具にも用いられるタングステンカーバイドを採用し、強度部材として活用している。そしてメインプレートの5時位置にはトゥールビヨンを配する。また従来モデルと異なる点として、文字盤部、トゥールビヨン部、7時位置の輪列部にはスケルトナイズが施されており、本作の薄さと各種輪列、特にトゥールビヨンの作動を際立たせている。
ブルガリ2025年新作②「セルペンティ エテルナ」
ブルガリのアイコンのひとつである「セルペンティ」がこれまでで最も大胆な変貌を遂げ、モチーフとする蛇の本質に迫りって前衛的なフォルムとなった「セルペンティ エテルナ」が発表された。

クォーツムーブメントを搭載した、18KWGケースのモデル。リュウズにエメラルドを、文字盤やブレスレットにダイヤモンドをあしらっている。ブレスレットの長さは155mm。要価格問い合わせ。

こちらはクォーツ式の18KPGケースのモデルで、SサイズとLサイズが展開される。リュウズ、ケースのヘッド、文字盤、ブレスレットにダイヤモンドをセッティングしている。ブレスレットの長さはSサイズが145mmでLサイズが155mm。要価格問い合わせ。
セルペンティとはイタリア語で蛇を意味する。蛇が脱皮して成長する様子を再生に見立て、西洋、東洋問わず、神秘的な存在として扱われてきた歴史がある。また、特有のテクスチャーやさまざまな模様を持つことから、クリエイティビティ―を刺激する存在でもあった。
ブルガリは1948年以来、蛇をモチーフとしたセルペンティコレクションにジュエリーやウォッチをラインナップしてきた。今般発表された新作のセルペンティ エテルナは、蛇の持つ神秘性にフォーカスし、その魅力の本質を表現することをテーマに、大胆な変貌を遂げたモデルである。セルペンティ エテルナのシルエットやディティールには、蛇の頭や眼といった具体的なモチーフは用いられていない。しかし、そのシルエットからは蛇の本質とダイナミックさが表現されている点が特徴だ。

ラインナップされるのは18Kピンクゴールドモデルと、18Kホワイトゴールドモデルの2型である。いずれも、蛇の額にあたる部分に文字盤が配され、そこから手首に巻きつくように細くなるシルエットとなる。また、蛇の背にあたる部分には、蛇の鱗や模様を思わせる大小様々なダイヤモンドがちりばめられる。