アーノルド&サンが2025年に発表した「コンスタントフォース トゥールビヨン 11 イエローゴールド」。世界限定11本生産の稀少なこの腕時計は、ジョン・アーノルドとアブラアン-ルイ・ブレゲの関係性を象徴するようなディテールも設けられている。
アーノルド&サンの2025年新作時計「コンスタントフォース トゥールビヨン 11 イエローゴールド」
18世紀に活躍したイギリスの時計師であるジョン・アーノルドと、その息子のジョン・ロジャー・アーノルドの名を復活させ、2001年に創業したアーノルド&サン。この伝説の時計師らが手掛けた時計からインスピレーションを得たコレクションの数々は、知る人ぞ知る魅力にあふれている。
そんなアーノルド&サンより、コンスタントフォース機構を搭載した世界限定11本の「コンスタントフォース トゥールビヨン 11 イエローゴールド」が発表された。18Kイエローゴールドをベースとしたグラン・フー エナメルダイアルを採用しており、その10時位置にオフセットされた時刻表示用のインダイアル、5時位置にスモールセコンドを兼ねた開口部を設けている。

手巻き(Cal.A&S5219)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約100時間。18KYGケース(直径41.5mm、厚さ13.7mm)。3気圧防水。世界限定11本。12万9800CHF。
5時位置の開口部から見えるのは、本作の最大の特徴であるコンスタントフォース機構だ。輪列とトゥールビヨンの間に組み込まれたこの特許取得済みの定力機構は、香箱からテンプへと伝達されるエネルギーを平滑化するために設けられている。ジョン・アーノルドはフュゼチェーンシステムを採用していたが、今回はその定力装置に代わってコンスタントフォースが用いられた。同軸に配された錨型の秒針は、クォーツムーブメントのように1秒ごとにジャンプするデッドビートセコンド仕様であることも特筆すべき点だ。機械式時計でこの運針を採用している時計ブランドは多くない。
ケースは18Kイエローゴールド製。シースルーバックからは、懐中時計のような梨地仕上げが施された受けや、大型のテンプが印象的なCal.A&S5219を鑑賞することができる。このムーブメントはふたつの香箱を備え、約100時間のパワーリザーブを備えている。