2025年 クロノスイスの新作時計を一挙紹介!

2025.04.09

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025で発表された、クロノスイスの新作時計を一挙に紹介する。多彩なレギュレーターウォッチで知られるクロノスイスからは、「パルス ワン」「クォーターリピーター」「スモールセコンド」という、3種の新作が披露された。

クロノスイス「スモールセコンド ブルーオービット」


クロノスイス2025年新作①「パルス ワン」サンド/ブルー

「パルス ワン」は、グレード5チタン製ケースと、そのケースからシームレスに一体化するブレスレットを備えた、クロノスイスのまったく新しいコレクションである。

クロノスイス「パルス ワン サンド」Ref.CH-6823T-BRSI

クロノスイス「パルス ワン サンド」Ref.CH-6823T-BRSI
自動巻き(Cal.C.6001)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。Tiケース(直径41mm、厚さ12.75mm)。10気圧防水。世界限定100本。258万5000円(税込み)。

 本作では、クロノスイスのアイコンである3Dレギュレーター表示が採用されており、12時位置のサブダイアルで時間、センター針で分、6時位置で秒がそれぞれ独立して表示される。特筆すべきは、秒表示がレトログラード式となっている点だ。この機能は、30秒ごとに瞬時にフライバックするメカニズムを備えており、ダイナミックな時のリズムを盤面に与えるものとなっている。

クロノスイス「パルス ワン ブルー」Ref.CH-6823T-BRSI

クロノスイス「パルス ワン ブルー」Ref.CH-6823T-BRSI
自動巻き(Cal.C.6001)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。Tiケース(直径41mm、厚さ12.75mm)。10気圧防水。世界限定100本。258万5000円(税込み)。

 ダイアルバリエーションは、立体的なサンドブラスト加工が施されたガルバニック処理によるナチュラルブラウンと、CVDコーティングによるブルーの2種。ブラウンダイアルにはブルースティール、ブルーダイアルにはシルバーの時分針とミニッツマーカーが配されており、前者はクラシカルな印象を、後者はモダンな表情を視認性とともに備えた。

クロノスイス「スモールセコンド ブルーオービット」

本作のもうひとつの特徴が、グレード5チタン製のケースとシームレスに接続するブレスレットである。このブレスレットは、なめらかな動きとモダンなエレガンスを両立するよう設計されており、従来のモデルにはない着用感を備えるだけでなく、優れた堅牢性も実現している。

 レギュレーター表示とレトログラードセコンドを駆動するのは、ラ・ジュー・ペレと共同開発された新しい自社製ムーブメントCal.C.6001だ。効率的な巻き上げを実現するタングステン製ローターを有し、そして約55時間のパワーリザーブを備える本ムーブメントは、トランスパレント仕様のケースバックを通して、その精緻な装飾を鑑賞することができる。

ルテニウムメッキが施されたブリッジには、中心から放射状に広がるコート・ド・ジュネーブ装飾が施されている。

 ケース直径は41mmで、10気圧防水を備えている。ローレット加工が施されたベゼルや、その流線型のシェイプも相まって、スポーティーでもありエレガントでもあるレギュレーターウォッチである。


クロノスイス2025年新作②「クォーターリピーター」ブルーノート/スクリーム

「クォーターリピーター」は、1900年代のムーブメントを核に、レギュレーター表示をはじめとする革新的な技術を組み合わせることで、複雑機構クォーターリピーターを現代によみがえらせた意欲作である。

クロノスイス「クォーターリピーター ブルーノート」Ref.CH-1663T-BLSI

クロノスイス「クォーターリピーター ブルーノート」Ref.CH-1663T-BLSI
手巻き(Cal.C.126)。42石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約35時間。Tiケース(直径42mm、厚さ16.2mm)。3気圧防水。世界限定25本。830万5000円(税込み)。

 本コレクションの最大の特徴は、その名に冠するクォーターリピーター機構だ。10時位置にあるプッシャーを操作すると、現在時刻の「時」の数、そして経過した「15分単位」の数を、それぞれ異なる音色で知らせてくれる。また、肉抜きされたダイアルの1時位置付近には、ふたつのハンマーとゴングがのぞいており、視覚的、聴覚的な体験を提供する機能となっている。

クロノスイス「クォーターリピーター ブルーノート」

ダイアルには、クロノスイスのシグネチャーである立体的なレギュレーターレイアウトを採用。複数のアームで表示部を支える、大胆なオープンワーク仕様も特徴としており、その一部は、手彫りのギヨシェ仕上げによって美しく飾られている。

 バリエーションは、CVDコーティングを活かしたブルーカラーモデルに加えて、アヴァンギャルドな魅力が際立つ「スクリーム」と名付けられたモデルが登場している。このスクリームでは、カラーリングにオレンジ、ブルー、パープルといった、マルチカラーのCVDコーティングが駆使されており、“時を刻むロックコンサート”と称されるほどの、強烈な個性が演出された。

クロノスイス「クォーターリピーター スクリーム」Ref.CH-1663T-COL

クロノスイス「クォーターリピーター スクリーム」Ref.CH-1663T-COL
手巻き(Cal.C.126)。42石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約35時間。Tiケース(直径42mm、厚さ16.2mm)。3気圧防水。世界限定25本。830万5000円(税込み)。

 ムーブメントは、クロノスイスが発見し、改良を加えてきた歴史的な手巻きムーブメント、Cal.C.126を搭載する。1900年代にルーツを持つ本機は、熟練の職人の手による丹念な仕上げと構造強化を経て、クォーターリピーター機能とともに、現代にふさわしい機能性と美観を獲得している。ちなみにこのムーブメントには、プッシャーが完全に押し込まれた時のみチャイムを鳴らすという、安全装置も備わっている。

クロノスイス「クォーターリピーター スクリーム」

トランスパレントバックからも、Cal.C.126の駆動を見ることができる。なお、スクリームモデルはストラップもマルチカラーで彩られているのが目を引く。

 これを収める直径42mmのケースは、グレード5チタン製だ。この素材は、軽量かつ耐傷性に優れるだけでなく、優れた音響特性も備えており、本作のクォーターリピーター機構と組み合わせるにあたって、理想的な選択肢のひとつと言える。


クロノスイス2025年新作③「スモールセコンド」ブルーオービット/デザート

 日常に溶け込むエレガンスを追求した新コレクションとして、「スモールセコンド」が登場した。伝統的な時計製造の技巧と、現代的なデザイン性とを融合した、デイリーユースに最適なタイムピースである。

クロノスイス「スモールセコンド ブルーオービット」Ref.CH-8023.2-BLSI

クロノスイス「スモールセコンド ブルーオービット」Ref.CH-8023.2-BLSI
自動巻き(Cal.C.6000)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.5mm)。3気圧防水。世界限定100本。183万7000円(税込み)。

クロノスイス「スモールセコンド デザート」Ref.CH-8023.2-BLSI

クロノスイス「スモールセコンド デザート」Ref.CH-8023.2-BLSI
自動巻き(Cal.C.6000)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.5mm)。3気圧防水。世界限定100本。172万7000円(税込み)。

 バリエーションは、ブルーオービットと、デザートの2種がラインナップ。これら2モデルのダイアルでは、職人の手作業によるギヨシェ仕上と精密なレーザー加工が駆使されており、ブランドの卓越した技術や表現力が体現されている。また、テンパーブルーまたはシルバーカラーのインデックスが、ミニッツトラックに沿うような向きで配置されるなど、クラシカルでありながら個性的な一面も見せている。

クロノスイス「スモールセコンド ブルーオービット」

ブルーオービットモデルでは、深みのあるブルーダイアルの全面にギヨシェ彫りが施されており、光を受けてダイナミックな表情が生み出される。9時位置のスモールセコンドには、同心円状の繊細な模様が美しい、アズラージュ仕上げが施された。

 ステンレススティール製のケースは、直径40mm、厚さ11.5mmというスタンダードなサイズを採用している。ポリッシュ仕上げを多用し、フルーテッド装飾のベゼルを備えたその佇まいは、至ってエレガントな印象だ。ストラップには、それぞれのダイアルの印象を引き立てるカーフストラップが取り付けられている。

クロノスイス「スモールセコンド デザート」

「デザート」と名付けられたバリエーションでは、ダイアルに高度なレーザー加工とナノプリント技術が用いられ、独特の質感と風合いが与えられている。これは手つかずの自然、特に砂漠の風景から着想を得たものだ。なお、このダイアルは9時位置のスモールセコンドに、緻密なギヨシェ彫りが見られる。

 ムーブメントは、自社製ムーブメントCal.C.6000が搭載されている。パワーリザーブは約55時間だ。トランスパレントバックでは、高級感のあるルテニウムメッキや、巻き上げ効率を高めるタングステン製ローター、ローターの中心軸から放射状に広がるコート・ド・ジュネーブ仕上げを見ることができる。

タングステン製ローターは、特徴的な形に肉抜きされている。意匠としての面白みがあることはもちろん、ムーブメントの全体像が見やすいという点で、機械好きにとってはうれしいポイントだ。



Contact info:栄光時計 Tel.03-3837-0783


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