オメガの腕時計より、ペアウォッチとしてお勧めのモデルを5組紹介する。高い実用性と堅牢性を備え、アイコニックなデザインを有する同社の腕時計は、長年にわたってふたりの時間を刻むにふさわしいアイテムだ。
Text by Tsubasa Nojima
[2025年7月15日公開記事]
ふたりの時間を刻む、素敵なペアウォッチを探そう
パートナーとの時間を彩ってくれるペアウォッチ。時計愛好家であれば、恐らく一度は憧れたことがあるのではないだろうか。現代では、結婚指輪の代わりに高級時計を着けることも珍しくはない。ブランドやコレクション、あるいはダイアルカラーなど、共通点を持つふたつのモデルを選び着用すれば、ふたりの絆も一層深まることだろう。
しかし、高級腕時計には多くのモデルが存在し、さらに毎年のように新作が発表されている。何を選べば良いのか悩ましいところだ。そこで今回は、世界的にもメジャーなブランドであるオメガより、ペアウォッチとしてお勧めできるモデルを5組紹介していく。
同社は、1848年に創業した老舗ブランドでありながら、コーアクシャル脱進機やシリコン製ヒゲゼンマイなどの革新的な技術を積極的に取り入れ、常に進化を続けている。その優れた実用性は、日常的に使用する中での安心感をもたらしてくれることだろう。さらに、長年にわたって一貫したデザインコードを堅持する同社のコレクションは、この先何十年と着用しても古臭くならないアイコニックな魅力にあふれている。それぞれのコレクションの特徴を踏まえ、是非とも素敵なペアウォッチ探しの参考としていただきたい。
オメガのペアウォッチ①「スピードマスター」
オメガと言えば「スピードマスター」。ここでは、「スピードマスター ムーンウォッチ」のホワイトダイアルモデルと、オールホワイトの「スピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーン」を取り上げる。プロフェッショナル向けの硬派なツールウォッチという印象が強いスピードマスターだが、ホワイトを取り入れることで、スポーティーかつ爽やかに仕上げられている。

オメガの定番、「スピードマスター ムーンウォッチ」のホワイトダイアルモデル。マスター クロノメーター認定を取得した手巻きムーブメントを搭載する。手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径42mm、厚さ13.2mm)。50m防水。125万4000円(税込み)。

オールホワイトの外装が眩しい、スピードマスター。時分同軸積算計を備えた、自動巻きクロノグラフムーブメントを採用している。自動巻き(Cal.9300)。54石。2万8800振動/時。パワーリザーブ60時間。セラミックスケース(直径44.25mm)。50m防水。196万9000円(税込み)。
スピードマスター ムーンウォッチは、その名の通り、月に降り立った手巻き仕様の“プロフェッショナル”の系譜に連なるモデルだ。長らく採用されていたレマニア製のクロノグラフムーブメントをベースとして、コーアクシャル脱進機を備えたCal.3861を搭載している。
一方でスピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーンは、ホワイトセラミックス製のケースにホワイトのアリゲーターレザーストラップを装着した、オールホワイトモデル。コーアクシャル脱進機を搭載した機械式自動巻きクロノグラフムーブメント、Cal.9300を採用している。見た目にはクラシカルなツーカウンターダイアルだが、3時位置のインダイアルは時分同軸の積算計であり、クロノグラフ機能を用いて最長12時間まで計測することができる。
どちらも直径40mmオーバーであり、決してコンパクトなモデルではない。しかし、ホワイトのカラーリングが見た目に柔らかさをプラスし、フェミニンなテイストを持ち合わせている。男性のみならず、女性の方にも是非試していただきたいモデルだ。
オメガのペアウォッチ②「スピードマスター 38」
スピードマスターには、直径38mmの小ぶりな「スピードマスター 38」もラインナップされる。豊富なカラーバリエーションが存在し、好みに合わせたモデルを選ぶことが可能だ。
Ref.324.30.38.50.01.001は、ダイアルとベゼルをブラックで統一し、ステンレススティールブレスレットを組み合わせたモデル。スピードマスターらしい精悍なカラーリングは、プライベートのみならず、ビジネスシーンでも活躍してくれることだろう。

直径38mmのコンパクトなケースを与えられた、スピードマスターの自動巻きモデル。ブラックのダイアルが精悍な印象だ。自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。85万8000円(税込み)。
Ref.324.28.38.50.02.002は、ベージュとブラウンのカプチーノダイアルを採用し、18Kセドナゴールド製のベゼルにダイヤモンドをあしらったモデルだ。トープブラウンのアリゲーターレザーストラップを装着している。本格スポーツウォッチであるスピードマスターを華やかに仕上げた本作は、女性にとっても着用しやすいクロノグラフだ。

ツートンのブラウンダイアルと、ダイヤモンドを配したベゼルが上品なモデル。スポーティなクロノグラフをドレッシーにまとめ上げている。自動巻き(Cal.3330)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SS×18Kセドナ™︎ゴールドケース(直径38mm、厚さ14.7mm)。10気圧防水。176万円(税込み)。
どちらのモデルも、機械式自動巻きクロノグラフムーブメント、Cal.3330を搭載。コーアクシャル脱進機やシリコン製ヒゲゼンマイによる、優れた実用性が魅力だ。
オメガのペアウォッチ③「シーマスター アクアテラ」
シンプルで、あらゆるシーンに溶け込むモデルを好む方にお勧めしたいのが、「シーマスター アクアテラ」である。時分秒の3針に日付表示という必要十分な機能を搭載した本コレクションは、150mの防水性を備えたデイリーユースにぴったりなモデルだ。ケースサイズやムーブメントの駆動方式、ダイアルのカラー、ケース素材など、豊富なバリエーションで展開されている。
今回紹介するのは、ブルー系ダイアルを採用したふたつのモデルだ。ケースの直径は38mmと30mm。どちらもマスター クロノメーター認定を取得した機械式自動巻きムーブメントを搭載している。
38mm径ケースのモデルは、やや緑のかかったラッカー仕上げのターコイズダイアルを採用している。外周に向かって暗くなるグラデーションがかかっており、針とインデックス、ロゴ、日付窓にグレーPVDを施すことで、深い海を想起させるデザインに仕上がっている。

グラデーションを施したターコイズダイアルが特徴のモデル。グレーPVDのインデックスと針は、視認性にも優れる。自動巻き(Cal.8800)。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SSケース(直径38mm、厚さ12.3mm)。150m防水。102万3000円(税込み)。
30mm径ケースのモデルは、PVDコーティングとラッカーによる深いブルーダイアルに、サンブラッシュ仕上げを施している。ヨットの船体をモチーフにした丸みを帯びたインデックスやドーフィン型の時分針、丸形の日付窓など、優雅なディティールが特徴だ。

爽やかなブルーダイアルのレディースモデル。メンズモデルとは、インデックスと針の形状が異なり、よりドレッシーな印象に仕上がっている。自動巻き(Cal.8750)。2万5200振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径30mm、厚さ10.6mm)。150m防水。96万8000円(税込み)。
オメガのペアウォッチ④「コンステレーション」
ブレスレット一体型のケースと左右に爪を配したベゼル、そしてダイアルに輝く星が特徴の「コンステレーション」。そのペアウォッチとして紹介するのは、対照的なデザインの2本だ。
Ref.131.30.41.21.99.003は、直径41mmのステンレススティールケースを採用したメンズモデル。一見してシンプルなデザインだが、ブルーダイアルの素材には、宇宙の神秘を感じさせるメテオライトが採用されている。天然の素材であるメテオライトは、ひとつひとつ模様が異なっており、個体ごとにダイアルに個性があることも魅力だ。ムーブメントは、マスター クロノメーター認定を取得した自動巻きのCal.8900を搭載。シースルーバックからは、アラベスク調のジュネーブウェーブが施された受けやローターを鑑賞することができる。

メテオライトダイアルを採用した、ステンレススティール製ケースの「コンステレーション」。メテオライトは天然素材のため、ひとつひとつダイアルの模様が異なっている。自動巻き(Cal.8900)。30石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.5mm)。50m防水。144万1000円(税込み)。
レディースモデルのRef.131.25.25.60.60.002は、直径25mmのケースを採用している。PVDによるパープルカラーのダイアルには、6時位置の星を中心として広がる、エレクトロケミカルエッチング技術を用いたスーパーノヴァ模様が描かれている。インデックスと18Kセドナゴールド製のベゼルにはダイヤモンドがセットされ、まるでジュエリーのような輝きを放つ。機械式に比べて手のかからないクォーツムーブメントは、日常使いにも便利だ。

スーパーノヴァ模様のパープルダイアルが際立つレディースモデル。インデックスとベゼルにはダイヤモンドがセットされている。クォーツ(Cal.4061)。SS×18Kセドナゴールドケース(直径25mm、厚さ8.1mm)。3気圧防水。147万4000円(税込み)。
オメガのペアウォッチ⑤「デ・ヴィル プレステージ」
オメガのクラシカルなドレスウォッチコレクション、「デ・ヴィル」。ダイアルカラーをはじめ、ケースのサイズや素材、ベルトの仕様など、幅広いバリエーションが存在し、ペアウォッチとして選ぶ楽しみを味わうことが可能だ。今回は、機械式自動巻きムーブメントを搭載した、ステンレススティールと18Kセドナゴールドを使ったコンビモデルから2本を選定した。
メンズモデルとしてチョイスしたのは、Ref.434.23.41.21.09.001だ。直径41mmのケースと、PVD加工によるリネンカラーのダイアルを採用している。ダイアルは、6時位置にパワーリザーブインジケーターと日付表示、9時位置にスモールセコンドを配し、アシンメトリーなレイアウトが躍動感をもたらしている。

6時位置にパワーリザーブインジケーターを配したドレスウォッチ。柔らかな印象のリネンカラーダイアルが特徴だ。自動巻き(Cal.8810)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SS×18Kセドナ™ゴールドケース(直径41mm、厚さ10.8mm)。3気圧防水。134万2000円(税込み)。
レディースモデルは、直径34mmのケースを採用したRef.434.20.34.20.03.001。サンブラッシュ仕上げを施した、発色の良いPVD加工のブルーダイアルを組み合わせた1本だ。セドナゴールドカラーのインデックスと針が、深いブルーに調和している。7連のブレスレットは、ステンレススティールと18Kセドナゴールドのリンクを組み合わせた華やかなデザイン。

深いブルーダイアルに、セドナゴールドカラーのインデックスと針を組み合わせたモデル。ベゼルとブレスレットの一部には、18Kセドナゴールドを採用している。自動巻き(Cal.8800)。35石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約55時間。SS×18Kセドナゴールドケース(直径34mm、厚さ10.10mm)。30m防水。129万8000円(税込み)。
参考サイト:https://www.omegawatches.jp/