Q:機械式時計の針は逆方向に戻しても大丈夫ですか?
A:しばしば、時計好きの間で話題になるのが「針を逆戻ししていいのか?」です。
数時間程度であれば可能ですし、リュウズを押しこんだ時に針飛びする時計については、合わせたい時間より少し針を進めて、そして逆戻しし、リュウズを押しこむテクニックは有用です。これは時計師のミッシェル・パルミジャーニが推奨する手法で、針飛びを起こしやすい極薄時計などには向いています。
ですが、逆戻しができないタイプの時計もあります。今の時計には、逆戻ししても壊れない機構を組み込んだものもありますが、原則避けた方がいい時計もあります。そういった例には、レトログラード式の時分針を持つ時計、永久カレンダー、グランソヌリとプチソヌリ、ミニッツリピーターなどが挙げられます。とりわけ設計の古いものは、逆戻しすると壊れる場合が多いのです。
分針の針飛びを防ぐ方法として10分ほどの間での逆戻しを推奨する時計もあるが、それ以外は故障の原因となるので気を付けよう。写真は、薄型化を目指したキャリバー430Pを搭載するピアジェの「アルティプラノ」。