3月20日のプレスデーで幕を開け、26日に閉幕したバーゼルワールド2019。100年以上の歴史を持つ世界最大規模の同展で、現地に足を運んだジャーナリストたちはなにを見て、なにを思ったのか。国内外の著名ジャーナリストにバーゼルワールドで発表された2019年新作からベスト5をそれぞれ選んでもらった。
ウォッチ&ジュエリージャーナリストの本間恵子が選ぶ新作ベスト5
5位ロレックス/オイスター パーペチュアル デイデイト36
文字盤にハードストーンをよく使うロレックスだが、今回はメイトリックスの入った(おそらくは無処理の)ターコイズ。メイトリックス入りは好みが分かれるだろうが、こうしたスパイダーウェブの入った個性的な石のほうに、より面白さを感じる。
自動巻き(Cal.3255)
31石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約70時間
18KYG(直径36mm)
100m防水
4位パテック フィリップ/Twenty~4 オートマチック 7300/1450
このモデルのスノーセッティングは、びっしりと留められたダイヤモンドのサイズにかなり大小の差がある。ここまで大小のメリハリをつけたパヴェは最近あまり見ないので、思わず目を奪われた。ジェムセッターの根気と力量を賞賛したい。
自動巻き(Cal.324 S)
29石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約38時間
18KRG(直径36mm)
3気圧防水
時価
3位グラフ/オーバルシェイプ ファンシービビッドイエロー ダイヤモンド ウォッチ
極めて彩度の高い「ファンシービビッドイエロー」のダイヤモンドをトータル32カラット、しっかり色を合わせてセットしたという贅沢さに目が丸くなった。イエローダイヤモンドの豊富な品ぞろえを誇るグラフにしか作れない、レアすぎるユニークピースだ。
32ctファンシー ビビッド イエローダイヤモンド
価格未定
2位シャネル/プルミエール ミッドナイト イン ヴァンドーム
リングウォッチの秀作を久々に見た! 一見ボールドなオニキスのリングだが、センターストーンをくるりと反転させると小さな文字盤が現れる、という趣向が楽しい。過剰さを感じさせないミニマルな造形はさすがのひと言。何とも通好みな佳品だ。
クォーツ
18KYG(直径19.7mm、厚さ8.9mm)
30m防水
1.09ctダイヤモンド
価格未定
1位ショパール/レッド カーペット コレクション
ナイフエッジと呼ばれるセッティングでダイヤモンドの存在感を際立たせ、しかもブレスレットをしなやかに仕上げた細工が見事。大粒のルビーの美しさも圧巻。ジュエラーがほとんど撤退したバーゼルワールドにおいて、この時計は別格の輝きを放っていた。
クォーツ
18KWGケース
60ctダイヤモンド
6ctルビー
価格未定
選者のプロフィール
本間恵子/ほんまけいこ
時計・ジュエリー専門のジャーナリスト。元はジュエリーデザイナーだったが、紆余曲折を経てニッチな物書き業に転身。キズミとともに宝石用の高倍率ルーペを常に持ち歩く。