Q:スプリングドライブって何?
A:セイコーが開発したスプリングドライブとは
セイコーが1999年に発表したスプリングドライブは簡単に言うと、機械式時計の心臓部を左右に振動するテンプではなく、水晶振動子(クォーツ)に置き換えたものです。具体的には、主ゼンマイのほどける力でローターを回して発電し、その電力でクォーツを振動させて、時計の進みを一定にします。
スプリングドライブの動画
スプリングドライブのメリット
メリットは機械式ムーブメントの強い力と、クォーツ式ムーブメントの高い精度を持つこと。一般的に、クォーツ式時計は機械式時計よりはるかに長時間動きますが、その代償として針を動かす力が機械式ムーブメントの半分程度しかありません。
その点、主ゼンマイを動力源に持つスプリングドライブは、クォーツ式ムーブメント級の精度を持ちながらも、機械式時計と同じく、太くて長い針を回せるのです。また、テンプを持たないため、時計に強い衝撃を与えても時計はほとんど狂わず、磁気にも強いです。
スプリングドライブのデメリット
一方のデメリットは仕組みがかなり複雑なので、大量生産に向かないこと。そのため、価格はどうしても高くなってしまいます。
次世代スプリングドライブムーブメント
グランドセイコー誕生60周年にあたる2020年にリリースされた、次世代スプリングドライブムーブメントCal.9RA5。サイズの異なるふたつの香箱を搭載するデュアルサイズバレルによって、従来品の約72時間から、約120時間へとパワーリザーブを大幅延長した。同時に、マジックレバーをオフセットにしたり、リュウズの位置をできるだけケースバック側に寄せるなどして、手首への装着感にも考慮された設計となっている。なお、「信州 時の匠工房」でスプリングドライブを製造していることから、信州の自然の情景をオマージュした仕上げも必見。
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGA009
Cal.9RA5の文字盤側にあったパワーリザーブ表示を、ケースバック側に配したCal.9RA2搭載モデル。トランスパレント式のケースバックから、このムーブメントを観賞することができる。自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RA2)。38石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.8mm)。10気圧防水。127万6000円(税込み)。
Cal.9RA5の文字盤側にあったパワーリザーブ表示を、ケースバック側に配したCal.9RA2搭載モデル。トランスパレント式のケースバックから、このムーブメントを観賞することができる。自動巻きスプリングドライブ(Cal.9RA2)。38石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.8mm)。10気圧防水。127万6000円(税込み)。