リシャール・ミル
「RM 07-02 オートマティック ピンク レディ サファイア」
2016年にリシャール・ミルは、洗練された女性をターゲットに、1930年代に生まれたカクテルの名前にちなんだ、3ピース構造のピンクサファイアクリスタル製ケースを備えた「RM 07-02 オートマティック ピンク レディ サファイア」を発表した。ケースは人間工学に基づいたカーブを描くトノー型で、サイズは縦46.75x横32.90mmだ。ベゼル、ミドルケース、ケースバックはすべてピンクサファイアのブロックから削り出して作られるため、ケース1点を製作するのに約40日もの機械による作業と仕上げ工程を要す。ダイヤモンドに取り囲まれたマザー・オブ・パール文字盤の背後には、自動巻きのスケルトン仕様のキャリバーCRMA5が搭載される。ムーブメントのブリッジと、文字盤の外周、そしてリュウズは18Kレッドゴールド製であり、エッジに施された手仕上げの面取りが反射する光も、スケルトンやマイクロブラスト仕上げの地板の美しさを引き立てている。シースルーバックを備えたムーブメント側からは、レッドゴールドにダイヤモンドをセットした、幾何学的模様のローターを見て取ることができる。巻き上げ効率を追求し、約50時間以上のパワーリザーブを保持。ストラップにはホワイトカラーのアリゲーターが採用されている。
MB&F
「HM6-SV プラチナム」
「HM6-SV プラチナム」の名称にある「SV」は"Sapphire Vision"の略である。この時計は同社から2014年に発表された「HM6スペースパイレート」の透明版であり、サファイアクリスタル製のプレートが時計上部とケースバックを覆っている。これらのプレートに、上部には5つ、ケースバックに4つ、合計9つのドームが取り付けられ、そのうち4つが紙の厚さほどに加工されたアルミニウムによる時分表示を行う。他の4つには、ふたつの回転ローターから回転数を増幅する輪列を通して駆動する、ケースバックからも鑑賞可能なタービンが格納されている。タービンの役割は、ローターの回転が速すぎる時に、空気抵抗を利用して回転を減速させることにより、ローターへの負荷を軽減するというものである。中心のドームに収まっているのはフライングトゥールビヨンだ。トゥールビヨンには格納式チタン製シールドが備えられており、紫外線から潤滑油を保護する役割を担っている。このシールドの開閉は9時位置にあるリュウズで行うことができる。「HM6-SV プラチナム」は、ローズゴールドモデルとともにいずれも世界限定10本として2016年に発表された。
グルーベル フォルセイ
「ダブル トゥールビヨン 30° テクニック サファイア」
グルーベル フォルセイの「ダブル トゥールビヨン 30° テクニック サファイア」は、わずか8本のアメリカ市場限定として作られたモデルだ。ケースは、サファイアクリスタルの塊から丁寧に機械を使って削り出されている。その目的は2軸のトゥールビヨンを備えたムーブメントの階層が、どの角度からでもよく見えるようにするためだろう。4つの香箱によって生み出される約120時間のパワーリザーブを備えた手巻きムーブメントは、特許取得の30°傾いたトゥールビヨンを内蔵し、伝統的なトゥールビヨンと同様に1分間に1回転する。そしてこれが、外側にある4分間で1回転するトゥールビヨンと連結している。ケースサイズは直径49.95mm、厚さは17.41mmであり、同じモデルのローズゴールド、ホワイトゴールド、プラチナ、チタンなどのモデルよりも若干大きく作られた。GFのロゴがエングレービングされたリュウズもサファイアクリスタル製である。
ヴィスコンティ
「2スクエアード クリスタル デモ ヒュメ」
イタリア・フィレンツェに本拠地を置く筆記用具メーカー、ヴィスコンティは、2013年より時計業界へと新たに乗り出した。そのラインナップには、自社の「デモンストレーター」というクリアボディのペンから着想を得た透明なサファイアケースモデルがある。ヴィスコンティは2015年に、「デモ」ウォッチと呼ばれる「2スクエアード クリスタル デモ オートマティック」を発表した。そのケースはサファイアクリスタル製のモノブロックで、あらゆる角度からムーブメントを見ることができる。搭載するのは約5日間のパワーリザーブを誇るスイスのテクノタイム社製ムーブメントだ。パワーリザーブ表示は4時から6時の間に配され、12時から2時の間にはレトログラード式のデイト表示を備える。