代表的なモデル
クロノグラフには各ブランドからさまざまなモデルが登場している。その中でも代表的なモデルを紹介しよう。
オメガ スピードマスター ムーンウォッチ
手巻き(Cal.3861)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径42mm)。5気圧防水。73万7000円(税込み)。問/オメガお客様センター Tel.03-5952-4400
1950年代はスポーツウォッチという分野が開花した時代であり、オメガは「マスターシリーズ」として1957年、クロノグラフを搭載する「スピードマスター」を初めて世に送り出した。
その後、スピードマスターは次世代型を次々と誕生させていく。第2世代からは宇宙開発で使われるようになり、過酷な状況での運用が想定された。そして第4世代は、宇宙飛行士の標準装備としてNASAに採用された実績を持つ。
この第4世代は現行モデルの土台となっており、第5世代は、アメリカの月面着陸時に宇宙飛行士が着用していたことから「ムーンウォッチ」と称されている。
その後もスピードマスターはアップデートを重ね、2021年にはマスター クロノメーター認定を取得した「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」へとさらなる進化を遂げた。
シチズン時計 アテッサ
光発電エコ・ドライブ(Cal.H804/月差±15秒)。スーパーチタニウム(直径41.5mm)。10気圧防水。11万円(税込み)。問/シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807
日本の時計メーカーであるシチズン時計の腕時計には、世界が一目置く精密技術が使われている。視認性に優れたデザインと、高度な機能を備えた時計が多いのが特徴だ。そのシチズン時計が誇る「アテッサ」シリーズを見てみよう。
アテッサの特徴は、チタンを特殊加工したことによる強度とクロノグラフによって優れた機能を持っていることだ。
アテッサシリーズのひとつ「AT8040-57E」は、原子時計の電波を受信し、10万年に1秒の誤差という高い精度を有している。さらに、1/20秒単位で時間を計測できるクロノグラフに、曜日をハイライトした扇状のパーツをレイアウトするなど、機能も非常に個性的だ。
アテッサシリーズには、着け心地に対するシチズン時計のこだわりが見られる。アレルギー対策まで施されており、長時間着けていても肌に与える影響は少ない。
クロノグラフの使い方
クロノグラフは1秒以下の時間を計測することもあり、非常にデリケートな機構だ。扱いにはくれぐれも注意が必要である。
ここでは、クロノグラフの一般的な使い方を見ていこう。
基本的な使い方
クロノグラフの使い方は非常にシンプルである。スタートボタンを押せばクロノグラフ秒針が動き出し、もう一度押せば止まる。再びスタートボタンを押せば、その位置からまたクロノグラフ秒針がスタートするという仕組みだ。
リセットしたい場合はリセットボタンを押せば、クロノグラフ秒針はスタート位置に戻る。機械式時計の場合、クロノグラフを止めずにリセットボタンを押すと、故障の原因となるため、注意しなければならない。
クロノグラフの操作は、スポーツで使うストップウォッチを使ったことがある人にはなじみ深いだろう。
針合わせの方法
針が文字盤からずれてしまったら、スタートボタンを押してから数秒経ったところでもう一度ボタンを押して停止させる。それからリセットボタンを押すのが、もっとも簡単な針合わせの方法だ。
この方法で直らない場合は時計によって修理方法を変える必要がある。取扱説明書を見て修理をするか、それでも難しい場合は修理に出すほかないだろう。
管理のポイント
クロノグラフは精密機器のため、長く使おうと思ったら丁寧に管理する必要がある。ここでは管理について押さえておきたいポイントを解説しよう。
衝撃や磁気に注意
クロノグラフは構造上、非常に精密な部品が用いられている。スピードマスターのような耐久性に優れたモデルであればともかく、一般的なクロノグラフウォッチは衝撃や落下には強くはない。また、磁気を発生するものには近づけないようにしたい。
鞄の留め具などのマグネットには特に注意を払い、近づけないようにしたい。激しい運動を行う際にも、外しておくことをおすすめする。
定期的なメンテナンス
内部の細かく精密なパーツは摩耗しやすい。表面的には不具合がないように見えても部品が劣化している可能性は十分ある。
定期的にオーバーホールを行い、故障を未然に防ぐことも長く愛用するポイントだ。
クロノグラフの精緻さを体感しよう
クロノグラフは時間という情報に対してよりシビアな情報を知ることができる。備え付けのメーターによって、対象との距離や移動速度を測るなど、通常の時計では得られない機能が備わっているのが魅力だ。
世界中に愛好者がいるクロノグラフ。その機能やデザインを体感すれば、きっとあなたも魅了されるはずだ。
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