ウブロの主なコレクション
ウブロでは2005年の「ビッグ・バン」以降に新しいコレクションが登場している。「クラシック」を基礎としながらも、それぞれに個性の異なる5つのコレクションについて見ていこう。
クラシック・フュージョン
1980年に誕生した「クラシック」は「ビッグ・バン」が登場する2005年まで、ウブロの根幹をなすコレクションであった。この「クラシック」をブランドコンセプトである“フュージョン(融合)”により進化させたコレクションが「クラシック・フュージョン」である。
ひと目でウブロと認識できるフェイスを持ち、薄型でスーツにも合う、デイリーユースに最適なスタイルが特徴だ。
一方で現代美術家リチャード・オーリンスキーとのコラボモデル、フェラーリGTやクルズ=ディエズとのパートナーシップコレクション、ムーンフェイズ搭載モデルもラインナップしており、多彩な表情をみせる。
ベーシックな3針モデルでは100万円以下の価格のものもあり、ダイアルやブレスレット素材も豊富で選ぶ楽しさが味わえる。
またサイズ展開はケース径33mm、38mm、40mm、42mm、45mmと4種類揃う。同じモデルでもサイズ違いを選択してペアウォッチとして着用できることも特徴だ。
ビッグ・バン
「ビッグ・バン」は、2005年から続くウブロを代表する定番コレクションだ。「クラシック・フュージョン」と同じく、ウブロの原点である「クラシック」の特徴を踏襲している。
チタン、セラミック、ゴールドといった素材を組み合わせたケースとベゼルが基本で、ブルーセラミックやレッドセラミック、サファイアといった変わり種の素材も採用されている。
現行コレクションにはウニコ搭載モデルが多く、ダイアルの複雑さやケースとベゼルの装飾に際立った個性を備えたモデルが多いことも特徴だ。著名人が身につける例も多く、頻繁に目にする人気モデルも少なくない。
スピリット オブ ビッグ・バン
ラウンドケースを基調とするウブロの時計のなかで、トノー型を採用した「スピリット オブ ビッグ・バン」は異彩を放っている。
トノー型は20世紀初頭に流行したアール・デコの感性から生まれたフォルムであり、時計産業の伝統的な形である。
四角形になったことで「耳」と張り出したラグとの直線的な構造が際立つ格好となった。
横幅が狭いダイアルのなかには、ウブロの技術を象徴するように複雑かつ精緻な設計が凝縮されている。
フェラーリとのコラボレーションモデル
2017年、フェラーリ創立70周年記念モデルとして初めて登場した「テクフレーム フェラーリ トゥールビヨン クロノグラフ カーボン」の第2弾として2018年に発表された。
フェラーリ・デザインセンターが100%デザインを手掛けた点が魅力のひとつだ。
ウブロを特徴づけるH型ビスという特徴を保ちながら、高度な鋳造技術、複雑機構の象徴ともいえるトゥールビヨンを搭載するなどの特徴がある。
希少価値が高いモデルとして人気を博し、ウブロの伝統と技術を結集した時計としても価値が高い。
ウブロ腕時計の選び方
ウブロの時計は共通したデザインコードを守って設計されている。これによってすぐにウブロとわかるのだが、それはどれも同じデザインという意味ではない。
ウブロの個性的なコレクションのなかから、目的に合った1本を選ぶ方法を考えてみよう。
コレクションで選ぶ
ウブロの時計を選ぶ際、コアなコレクションとなるのが「ビッグ・バン」と「クラシック・フュージョン」だ。
このコレクションではモデルやサイズのバリエーションが豊富であり、デザイン、価格でもさまざまなユーザーのニーズに合致するバリエーションを誇る。
「ビッグ・バン」は複雑機構を搭載しているために、ボリュームがあり、ダイアルも複雑だ。ビジネスシーンでの着用を意図するならば、薄くデザイン面でも控えめな3針モデルのクラシック・フュージョンがフィットするだろう。
エクストリーム系を求めるならば「ビッグ・バン」の他に「スピリット オブ ビッグ・バン」という選択肢もある。これらのモデルはスポーツミックススタイルに最適だ。
ウニコ搭載モデルで選ぶ
フライバック クロノグラフを自社製造できるメーカーは限られている。ウブロのメカニカルな面を堪能するならば、ウブロ自社開発の「ウニコ」搭載モデルを選ぶことも意識したい。
ウニコ(Cal.HUB1242)は直径45mmのモデルに、ウニコ2(Cal.HUB1280)は直径42mmのモデルに搭載される。ともにフライバック機構を備えたクロノグラフムーブメントで、約72時間のパワーリザーブも使い勝手がよく魅力的だ。
そしてもうひとつ、モデル名にウニコの名を冠するのが2018年に登場した「ビッグ・バン ウニコ ゴルフ」だ。機械式ムーブメントながら、ショット数、ホール番号、トータルスコアを表示できる世界初の機構を備えたモデルである。
搭載されるムーブメントはウブロの自社開発ムーブメント、自動巻きキャリバーHUB1580。ショットはケース右上の黄色いプッシュボタンを押すことで数字が増え、右下の白いプッシュボタンを押すと、ホール番号がひとつ進み、ショット数がリセットされると同時にトータルスコアに加算される仕組みを持つ。
ウブロには「ウブロ以外には作れないモデル」が多数ラインナップするが、このモデルも間違いなくそのひとつ。ゴルフ専用のユニークピースとは、まさにウブロらしいアプローチで誕生したモデルといえよう。
複雑機構で選ぶ
2010年にウブロ初となる自社開発・製造ムーブメント「ウニコ(Cal.HUB1242)」を発表して以降、複雑機構を搭載したオリジナル・ムーブメントを発表している。
なかでも“特異な形状”で目を引くのが「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ」である。名前のとおり14日間のパワーリザーブ機構を備えたモデルであり、搭載ムーブメント、キャリバーHUB9011には7個連結された香箱(ゼンマイを収めるパーツ)が組み込まれている。一般的に香箱はムーブメントに対し水平に組み込まれるものだが、このモデルでは垂直。このためMP-11は水平方向と垂直方向の歯車が混在する構造になっているのだが、時計では希少な「ウォームギア」を採用することで、スムーズな動力の伝達を果たしている。
「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ」は香箱が並ぶ6時位置が膨らんだユニークな形状を採用しているが、これもセラミック製ケースとサファイアガラスの形状を思いのままに製造できる、ウブロの技術力ゆえである。
「ビッグ・バン トゥールビヨン 5デイ パワーリザーブ」に搭載されるキャリバーHUB6016では、複雑機構のトゥールビヨンをベースに、約5日間(115時間)の駆動時間を持たせるという高度な技術力を見せつける。しかもパーツの肉抜きを徹底することで、メカニカルな表情をも見せるモデルに仕上がっている。
「ビッグ・バン メカ-10」に搭載される約10日間のパワーリザーブ機構を備えるキャリバーHUB1201は、“メカニズムを見せる”ことを命題に開発されたムーブメント。そのため地板に代わりにブリッジを備えたリングを採用し、従来とは違ったムーブメントを設計している。この命題と機構をそのままに、トノー型の「スピリット オブ ビッグ・バン」のために開発されたのがキャリバーHUB1233だ。