Q:視認性の高い時計って何なの??
A: 買ったあと、意外に気になるのが時計の視認性。店で十分確認したのにどうも実際に使用してみると視認性が悪い、という経験のある人は少なくないでしょう。理由はなぜか。強い太陽光の下で時間を確認すると、しばしば針がブラックアウトを起こして、文字盤に埋没してしまうためです。人工光の下で見ても、こればかりは確認が難しい。どういう時計で起こるのかはケースバイケースですが、針が鏡面仕上げでかつ平面、そして文字盤が磨き上げた黒いラッカー文字盤で、針と文字盤の間隔が狭い場合、とりわけ起こりやすいと言われています。また、文字盤に比べてインデックスや針が細くて小さい場合も、やはり視認性は良くないとされます。
では、どういう時計が視認性に優れるのか。これもケースバイケースですが、以下の要件は挙げられます。
1.インデックスや針がポリッシュ×文字盤がサテン仕上げの場合
2.インデックスや針がサテン仕上げ×文字盤がポリッシュ仕上げの場合
3.インデックスと針のコントラストが極端に高い場合
4.インデックスと針が非常に立体的な場合
今の時計で、視認性が優れるといわれる時計は、例外なくこの4つの条件のどれかを満たしているはずです。改めて言うと、人工光と強い自然光の下での視認性は大きく変わります。見やすさを重視する人は、ぜひ時計店の店員さんに、視認性に優れる時計を聞いてみてください。
4番目に上がっている「インデックスと針が非常に立体的な場合」の好例がIWCの「ポルトギーゼ・クロノグラフ」だ。プレスによって成形された立体感のある時分針とアプライドインデックスを持ち、高い視認性を発揮する。なお、針とインデックスはポリッシュ仕上げ、対してダイアルはサテン仕上げのため、同モデルは1番目の「インデックスや針がポリッシュ×文字盤がサテン仕上げの場合」にも該当する。
Photograph by Eiichi Okuyama
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