スイス時計が一流の名をほしいままにしていた時代、世界に通用する日本産高級時計を作りたいという思いから、1960年に誕生したグランドセイコー。同ブランドが誇るムーブメントや、魅力あるコレクションについて解説しよう。
グランドセイコー腕時計選びのポイント
1960年に初代モデルを発表して以降、グランドセイコーは数々のモデルを開発してきた。グランドセイコーが展開するラインアップから、自分にマッチする1本を選ぶために押さえておきたいポイントを解説しよう。
ムーブメントの種類
グランドセイコーのムーブメントは、「機械式(メカニカル)」「クォーツ」「スプリングドライブ」の3種類だ。
グランドセイコーの機械式は、主に9S系と呼ばれる。ゼンマイで駆動するため、当然、電池交換は不要で、定期的なメンテナンスを怠らなければ、共に長く人生を歩んでいけるパートナーとなりうる。
9F系と呼ばれるクォーツは、1969年に「アストロン」でクォーツ革命を巻き起こしたセイコーの伝統が凝縮された、ムーブメント。高い精度はもちろんのこと、優れた実用性をも備えている。
スプリングドライブはセイコー独自のムーブメントであり、9R系と呼ばれる。機械式とクォーツ式のハイブリッドムーブメントと呼ぶことができ、双方の融合によって実現した、流れるような滑らかさで時を刻むスイープ運針を特徴とする。
主なコレクション
グランドセイコーが展開するコレクションは大きく3つに分かれている。各コレクションの特徴を、順を追って解説しよう。
「ヘリテージコレクション」は、白いダイアルに青針が冴える「SBGA211」が象徴するように、スタンダードなデザインと実用性を突き詰めた時計である。
時計に求められる、伝統的で本質的な機能を追求する姿勢が、まさにヘリテージ(伝統)という名に表れている。
「スポーツコレクション」は上品なたたずまいに遊び心を加味したシリーズだ。なかでも知的なデザインの「SBGC223」はセラミックスとチタンを採用し、堅牢性と快適な着け心地を実現している。
「エレガンスコレクション」は、上品かつ華やかに手元を演出する。女性向けモデルの「STGK011」は、カーブフォルムとジュエリーとの巧みな組み合わせが特徴的だ。
世界に名を馳せる高級メゾンでは、青針を多く採用する傾向が強いが、同コレクションもまた、青針を採用したモデルを数多く擁している。