ブランパンらしさが凝縮されたエレガントなメカニカル レディスコレクション
ブランパンのレディスコレクションといえば、1956年に誕生した丸型の機械式レディスウォッチとして当時世界最小の「レディバード」があまりにも有名だが、さらに四半世紀以上前さかのぼる1930年には世界初の自動巻きレディスウォッチを発表している。以来、ブランパンはレディスウォッチの先駆けとしても歴史にその名を刻み、その実力は、1983年のブランド復興以降も変わることなく、現在に受け継がれている。
そんなブランパンのレディスウォッチの中でも、ここで紹介する「ヴィルレ デイト ムーンフェイズ」は、メンズウォッチとは異なる女性らしくて愛らしい表情を持つ月をムーンフェイズ表示にあしらう。
指針式の日付表示とムーンフェイズ表示を備えるヴィルレのレディスモデル。ポインターデイトの先端を赤く着色し、星形のつけぼくろを口元にあしらい、長いまつげを持ったムーンの表情がいかにもレディスらしい。文字盤には8つのダイヤモンド(0.026カラット)がインデックス代わりに配され、ベゼルにも合計0.576カラットのダイヤモンドがセッティングされる。自動巻き(Cal.913QL)。20石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径29.2mm、厚さ10.36mm)。30m防水。174万9000円(税込み)。
ブランパンにとってムーンフェイズは特別な意味を持つ。というのも、かつては懐中時計や機械式腕時計に付加価値を与えるための機能として搭載されていたこの月齢表示機構だが、1970年代以降の機械式時計の衰退とともに表舞台から姿を消していた。1983年に復興したブランパンこそが、機械式時計の魅惑的な機能のひとつとして、このムーンフェイズ表示を復活させた立役者だからだ。こうして“顔”を持つムーンフェイズ表示はブランパンの象徴となった。
「ヴィルレ デイト ムーンフェイズ」のムーンディスクの月に描かれた顔を注視すると、女性らしいたおやかな口元に星形の“つけぼくろ”が配されているのが見て取れる。ブランパンが設立された18世紀、フランスの宮廷において“つけぼくろ”は、宮廷の女性たちが求婚者へメッセージを送る際に使用し、コケティッシュなこのサインをどこに付けるかによってそのメッセージの意味が異なったという。その歴史的な遊び心をレディスウォッチのディテールに採り入れるあたり、ブランパンの粋な趣向とムーンフェイズ使いの巧みさが際立つ。
(右)サファイアクリスタル製ケースバックからはデイト表示とムーンフェイズを搭載したムーブメントCal.913QLが鑑賞できる。緩急針を持たないフリースプラングテンプにはシリコン製のヒゲゼンマイが採用される。
もうひとつのレディスモデル「ヴィルレ ウルトラスリム」も紹介しよう。このモデルもブランパンが手掛けるレディスウォッチにふさわしく、女性のために設計・デザインされ、手作業での組み立て・装飾が施された機械式ムーブメントが搭載される。しかも、精度の要である調速機を構成するテンプに現代の素材であるシリコン製ヒゲゼンマイを積極的に採用するあたり、「革新こそ伝統」と謳うブランパンらしく、レディスウォッチでもあっても機械式時計の伝統と革新を追求する姿勢に一切の妥協はない。
「ヴィルレ」コレクションの特徴であるダブルステップ・ベゼルとゴールド製アプライドローマンインデックスが品格あるアイコニックな意匠を与える一方、内部にはシリコン製ヒゲゼンマイを備えた自動巻きメカニカルムーブメントを搭載し、実用性をも併せ持つ。自動巻き(Cal.913)。20石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。18Kレッドゴールドケース(直径29.2mm、厚さ9.2mm)。30m防水。149万6000円(税込み)。
シリコン製ゼンマイの特性として、軽くて衝撃に強く、耐磁性をも備えている。加えて、シリコン素材は精密な加工が可能なため、金属製のヒゲゼンマイよりも最適な形状に加工することができる。結果、ヒゲゼンマイが伸縮する際の重心のズレをさらに抑えることが可能となり、テンプの等時性が改善され、時計の精度が向上する。
スマートフォンやバッグの留め金など、現代社会においては、身の回りの至る所に強力な磁石が存在し、機械式時計の精度にとって大敵な帯磁の危険性が常に付きまとう。その帯磁から機械式時計を守ってくれる素材がシリコンである。難しいことは抜きにして、シンプルに帯磁しにくいシリコン製ヒゲゼンマイは、機械式時計である以上、メンズウォッチだけでなく、レディスウォッチにとっても大いに有用なのだ。
遊び心と実用性、そしてエレガントな意匠。これらを兼ね備えたブランパンの機械式レディスウォッチ。ぜひ店頭で実機を手に取って体感していただきたい。
現代ダイバーズウォッチの原点「フィフティ ファゾムス」コレクション
1953年に誕生したブランパンの「フィフティ ファゾムス」は、現代ダイバーズウォッチの“原型”とも“祖”とも呼ばれる。当時約91.4mの防水性能を備えた腕時計として最初期のモデルであったことはもちろんだが、そう呼ばれる要因として、他社に先駆けてロック機構付きの回転ベゼルと暗所での視認性を確保する夜光塗料を塗布したインデックスと針を備えた黒文字盤を持ち、さらに耐磁性を実現していたことが挙げられる。すなわち、現代のダイバーズウォッチに要求される最も根源的な機能と性能をすでに実装していたからだ。これらは、フランス海軍特殊潜水部隊の要求によって実現したものだ。
当時のブランパンCEOであったジャン-ジャック・フィスターは、自身も優れたダイバーであった。彼は、その豊富な経験をベースとして、スキューバダイビング用の腕時計を開発しようとしていた。時を同じくして、フランス海軍特殊潜水部隊を新設したロベール・“ボブ”・マルビエ大尉とクロード・リフォ中尉は、同特殊潜水部隊のミッションに使用できるダイビングウォッチを探していた。この両者が出会い、ブランパンが彼らの要望に応えることで「フィフティ ファゾムス」が誕生したのだ。
より具体的に説明すると、マルビエ大尉とリフォ中尉からブランパンへの依頼は、高い防水性は言うまでもなく、潜水開始時を記録できる目盛り付きの回転ベゼルを装備すること、黒い文字盤上で見やすいようにコントラストを高めたインデックスや針を採用し、さらに回転ベゼルとインデックスには大きな数字を与えること等であった。
(右)©Blancpain, Bob Maloubier wearing the Fifty Fathoms
(右)「フィフティ ファゾムス」を装着して潜る、フランス海軍特殊潜水部隊のロベール・“ボブ”・マルビエ大尉。
こうしてブランパンが高い防水性と視認性を実現し、ロック機構付きの回転ベゼルによってマルビエ大尉とリフォ中尉の要求を満たすことで、現代のダイバーズウォッチの原型が出来上がったのだ。なお、ブランパンは当時、二重密閉構造のリュウズシステム、ケーズバックのOリング、そしてロック機構付き回転ベゼルという3つの特許を取得するが、後に逆回転防止ベゼルを導入し、一層現代のダイバーズウォッチに近づいた。
時代を先取りするかたちで誕生したダイバーズウォッチの原点と言うべき「フィフティ ファゾムス」。この歴史的な名機が再び時計史に登場するのは1997年のことであった。さらに、その復活から10年後の2007年には本格的なコレクションとしてラインナップされ、後に、よりモダンでスポーティーな意匠を持つ「バチスカーフ」の復活も加わり、今やブランパンの主力となる定番コレクションとして人気を博す。
かつての「フィフティ ファゾムス」の意匠を踏襲しつつも、盛り上がった逆回転防止ベゼルを硬く耐傷性に優れ、わずかにカーヴしたドーム型のサファイアクリスタルに置き換えるなど、自社開発ムーブメントのCal.1315だけでなく、外装パーツもアップデイトされた。自動巻き(Cal.1315)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径45mm、厚さ15.5mm)。300m防水。170万5000円(税込み)。
現行モデルの「フィフティ ファゾムス オートマティック」と「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」が搭載する自社開発ムーブメントCal.1315は、ブランパンが2006年10月に発表した手巻式ムーブメントCal.13R0から派生したものだ。長らくシンプルな設計と高い性能を併せ持つムーブメントを探求してきたブランパンが自社開発したのがCal.13R0であった。この基幹キャリバーをよりスポーツウォッチにふさわしく自動巻き化し、比重が大きい金属をローターに採用し、バイメタルとすることで巻き上げ効率を高めたのがCal.1315である。また、Cal.1315はフリースプラングテンプをCal.13R0から受け継ぐ。緩急針を持たないフリースプラングテンプは衝撃によって緩急針が動いてしまい歩度に影響を与えることがないため、よりスポーツ仕様に向く。もちろん、ダイバーズウォッチには最適だ。
(右)頑強さを要求されるダイバーズウォッチのため、ラグは十分に太くありながら、手首にスマートにフィットするデザインとなっている。また、現代社会のあらゆる場面に存在する磁場による悪影響を防ぐため、搭載ムーブメントのCal.1315は全面的に耐磁インナーケースに包まれている。ゆえに、このモデルはトランスパレント仕様ではない。
Cal.1315の特徴はほかにもある。3つの香箱を組み込み、それらを連動させることで約5日間のロングパワーリザーブを実現すると同時に、その間を通じて常にトルクを一定に保つこともかなえた。加えて、日付表示機構も改良された。一般的なカレンダー機構は、24時を中心としてその前後数時間は日付変更のメカニズムを破損させる恐れがあるため、日付調整は禁じられている。しかし、Cal.1315は、単独で日車(日付ディスク)を回転させることができるフィンガーピースを組み込むことで、日車の歯がカレンダー修正車の上を滑って日送りすることができる構造を持つ。そのため、24時前後に日付を調整しても日車や日付変更機構を損傷させる危険性をなくすことができたのだ。
歴史的な名作としての「フィフティ ファゾムス」を最先端のダイバーズウォッチとして見事にアップデイトしたブランパン。現代のダイバーズウォッチにふさわしい300mの防水性を備え、スポーツシーンはもちろん、シティーユースにおいても、その性能をいかんなく発揮してくれることは間違いない。
よりモダンでマルチパーパスなデザインを持つ「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」。サテン仕上げを施したステンレススティール製の逆回転防止ベゼルにはセラミックス製のインサートを用い、スケールにはリキッドメタル®を使用することで耐摩耗性を実現。視認性が高く美しいメテオグレー文字盤を採用。自動巻き(Cal.1315)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径43mm、厚さ13.4mm)。300m防水。123万2000円(税込み)。
(右)大きく盛り上がったベゼルを備える「フィフティ ファゾムス オートマティック」に対して「フィフティ ファゾムス バチスカーフ」のベゼルはフラットな上面を持つ。逆回転防止ベゼルのベゼルリングにはセラミックス製のインサートを用い、スケールにはリキッドメタル®を採用することで、ベゼルトップの耐摩耗性を確保している。
(右)サファイアクリスタル製ケースバックからは自社開発ムーブメントCal.1315を見ることができる。緩急針を持たないフリースプラングテンプはスポーツウォッチのバチスカーフに最適だ。また、シリコン製ヒゲゼンマイを採用し、耐磁性と精度の向上にも寄与している。
「フィフティ ファゾムス」コレクションカタログ
「フィフティ ファゾムス オートマティック」のフルチタンモデル。ブランパンがチタンを採用したのは、アメリカ海軍掃海艇チーム向けに「MIL-SPEC II」モデルの特別シリーズを製作した1960年代初めにさかのぼるというからその歴史は古い。チタンケースとブレスレットには鮮やかなブルー文字盤が合わせられた。自動巻き(Cal.1315)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径45mm、厚さ15.40mm)。300m防水。214万5000円(税込み)。
1956年に登場して以来、「フィフティ ファゾムス」コレクションの柱のひとつとして中核を成してきたバチスカーフ。そのスポーティーな伝統に、ブランパンが「ヴィルレ」コレクションで培ってきたコンプリートカレンダーとムーンフェイズを搭載し、より汎用性を高めたモデル。自動巻き(Cal.6654.P)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径43mm、厚さ13.9mm)。300m防水。172万7000円(税込み)。
ブランパンの厳選おすすめモデルはこちらのブティックまで!
ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233
ブランパン ブティック日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311(大代表)
ブランパン ブティック阪急うめだ本店 Tel.06-6361-1381(大代表)
Contact info: ブランパン ブティック銀座 Tel.03-6254-7233
【オフィシャルウェブサイト】
https://www.blancpain.com/ja
【カタログご請求フォーム】
https://www.blancpain.com/ja/catalog/request
https://www.webchronos.net/features/52167/
https://www.webchronos.net/features/40570/
https://www.webchronos.net/features/35359/