オイスター パーペチュアル エクスプローラーⅡ
ロレックスのプロフェッショナルラインを支えるオイスター パーペチュアル エクスプローラー Ⅱ。2011年に定番だったRef.16570が、直径42mmのケースと改良された「31系」ことCal.3187を搭載する、Ref.216570に変更された。基本的なスペックは従来に同じだが、この時、耐震装置に「パラフレックス」を、ヒゲゼンマイには「パラクロム・ヘアスプリング」を採用することで、実用性をさらに高めた。また、視認性を向上させるため、夜光塗料は残光時間の長いクロマライトに変更され、針とインデックスが大きくなった。
そのモデルの後継機に当たるのが、2021年に発表された新しいRef.226570である。最大の違いはムーブメント。搭載する「32系」ことCal.3285。基本設計は31系に共通だが、ロレックスによると部品の約90%が置き換えられたとのこと。「パラフレックス」や「パラクロム・ヘアスプリング」は従来の31系に同じだが、パワーリザーブが約70時間に延びたほか、ローターがようやくベアリング保持となった。15年に、まずベーシックなCal.3235としてリリースされた32系は、毎年のようにバリエーション違いを追加。今年は、18年に「オイスター パーペチュアル GMTマスターⅡ」で初採用されたGMT針付きのCal.3285を載せた、「オイスター パーペチュアル エクスプローラーⅡ」がお披露目となった。
ムーブメントは刷新されたが、外装の大きな変化はなさそうだ。約5mmのエクステンションが可能なイージーリンクの付いた、セーフティキャッチ付オイスターロックも前作に同じである。ただし、昨年のオイスター パーペチュアル サブマリーナーでも微妙に手を入れたことを考えれば、細かなモディファイは施している可能性がある。
両方向巻き上げ自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径42mm)。100m防水。89万8700円(税込予価)。
オイスター パーペチュアル エクスプローラー
両方向巻き上げ自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径36mm)。100m防水。67万6500円(税込予価)。
2021年に発表されたロレックスの新作で意外だったのは、新しいエクスプローラーである。見た目は前作のRef.114270に似ているが、ケースサイズはなんと3mm小さい36mm。またムーブメントにはエクスプローラーⅡに同じく、「32系」のCal.3230が採用された。リファレンスは124270。私見を言うと、歴代エクスプローラーでベストのバランスを持っていたのが、31系を載せた114270(2000年から2010年にかけて製造)。後継機の214270も傑作と言える時計だったが、重さを含めると、114270が一歩勝っていたように思う。ミドルケースを持たないロレックスのオイスターケースは、ケースサイズがそのまま時計の重さに響くのである。
直径を小さくした新しい124270は、データ上で見る限りは、214270のいいとこ取りをした、114270のリバイバル版と言ってよい。214270の後期型(2010年代半ば以降のモデル)に同じく、3、6、9のインデックスにはきちんと夜光塗料が施されているし、塗料自体も残光時間の長いクロマライト ディスプレイだ。114270のプアな夜光を好まなかった人たちに、この変更は歓迎されるに違いない。
バックルは前作に同じ、セーフティキャッチ付オイスターロックで、約5mmのエクステンションが可能なイージーリンクが備わる。36mm径のサイズに重厚なバックルはトゥーマッチに思えるが、重さのバランスは、おそらく許容範囲だろう。驚くべきはその価格。日差±2秒以内という高精度に、常磁性ブルー パラクロム・ヘアスプリングのもたらす高い耐磁性と耐衝撃性などを持つにもかかわらず、値段は67万6500円なのだ。これは2021年の“wonderful buy”になるだろう。
こちらはロレゾールことコンビモデルである。両方向巻き上げ自動巻き(Cal.3230)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS×18KYG(直径36mm)。100m防水。114万2900円(税込予価)。