〝インフォーマル〟で 〝オールパーパス〟なブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」

2021.12.21

「クロノマット B01 42」は、ブライトリングCEOのジョージ・カーンが就任以来、提唱してきた“インフォーマル”で“オールパーパス”な“ラグスポ” である。実際に1週間以上、同機を着用したことで、身をもって体感できたその理由を述べよう。

ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」

ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」
モデルチェンジにあたり、“ラグスポ”を意識してデザインしたとクリエイティブディレクターが明言するように、初代クロノマットの意匠を受け継ぎつつも、現代の“オールパーパス”ウォッチとして外装もムーブメントも進化を遂げている。自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径42.00mm、厚さ15.10mm)。200m防水。97万9000円(税込み)。
吉江正倫:写真 Photographs by Masanori Yoshie
鈴木幸也(本誌):文 Text by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2021年11月号掲載記事]


“オールパーパス”に活躍の場が広がった新世代の歴史的アイコン

ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」

ライダータブの上面にはヘアラインが施され、全面ポリッシュ仕上げのベゼル上にあっても視認性はしっかりと確保されている。“オールパーパス”ウォッチを謳うだけあって、既存モデルより薄くなったライダータブは、日常使いにもなじむ。

 新生「クロノマット B0142」について、本誌が提唱する〝ラグスポ〞の新条件に沿って具体的に見ていこう。搭載されるキャリバー01は、フリースプラングではなく、緩急針付きである。耐衝撃性を考慮すれば、緩急針を廃したフリースプラングが望ましいが、ブライトリングは緩急針による歩度調整を優先したのだろう。着用テスト時における精度は、T24で日差マイナス1秒、T48で日差0秒、T72でも日差マイナス1秒と、誤差は非常に小さく、よく調整されていた。

 ブレスレットは、初代クロノマットと同じ懐かしのルーローブレスレットを採用するが、その構造は進化を遂げている。左右のガタがなく、手首をしっかりとホールドしてくれる。加えて、各コマの腕なじみも良い。筒状のコマはひとつひとつ独立しているように見えて、実は筒ふたつでひとつのコマを構成しており、必要以上にまとわりつくことがなく、程よい滑らかさで手首に沿うため、装着感は心地よい。各コマはネジではなくピンで留められているが、脆弱なヘアピンタイプではなく、バータイプのため、ネジ留めほどではないが、ブレスレットの剛性は適切にかなえられている。

ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」

進化したルーローブレスレットは、耐久性が向上するだけでなく、すべてのコマを分解できるため、凝った仕上げを与えられる。裏側の接続部にはくぼみがあるため、汗をかいた時などの不快な密着感が軽減される。また、サテン仕上げが浅く入れられているので、汚れが固着しにくいのも利点だ。

 ケースとブレスレットはサテン仕上げをベースに、面取り部と中ゴマにポリッシュ仕上げが施され、節度ある艶感の中に、ポリッシュの光沢がアクセントとして効いている。文字盤を縁取るベゼルは、全面がツヤツヤに研磨され、一際目を引く。ここは、元来、パイロットウォッチであるクロノマットに、最も〝ラグスポ〞らしさを感じる部分だろう。とはいえ、15分置きに配されたライダータブの上面がヘアライン仕上げのため、ポイントとなる15分単位の視認性はしっかり確保されている。

 立体的にダイヤモンドカットされたインデックスと時分針は、高級感のある鏡面を持つが、黒文字盤がマット仕上げのため、針とインデックスが文字盤に溶け込んで見えなくなることはない。同様に、3つのインダイアルもマットなシルバーカラーのため、上面を磨かれたカウンター針もしっかり読み取ることができる。加えて、アワーマーカーと時分針、さらにクロノグラフ秒針と3つのカウンター針のいずれにも蓄光塗料が塗布されているため、暗所での視認性も十分確保されている。

ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパン エディション」

リュウズガードが別体になったのも従来との違いだ。破損しても、リュウズガードのみを交換すればよく、メンテナンス性が向上すると同時に、細部に凝ることでより豊かな表情を与えられ、ラグジュアリー感も演出する。

 直径42mmというケースサイズは、今やスポーツウォッチとしては大きすぎず、標準的なものだが、ラグを短くし、かつ、すとんと落ちるルーローブレスレットの弓管部のおかげで、17cmという細めの手首であっても浮くことがなく、多くの日本人の手首にもしっくりとなじむだろう。

 1週間以上、着用してみて唯一気になったのは、ケースの厚さだ。クロノグラフだから致し方ないが、15.10mmという厚さはPCを中心としたデスクワークには向かない。それ以外の場面では、ブライトリングが〝オールパーパス〞と標榜するように、快適に過ごすことができた。サテン仕上げの程よい艶感の中に、キラリと光るベゼルが目に入るたびに、ただのスポーツではなく、〝ラグスポ〞だと感じられたのは、むしろ誇らしく、快かった。

Cal.01

2009年の誕生以来、12年を経て熟成を重ねたCal.01は心強い。フリースプラングでなくとも、固定されたヒゲ持ちなど、強固な設計は抜かりない。



Contact info: ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707


ブライトリング「クロノマット B01 42」の着用レビュー

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