中東の時計見本市「ドバイ ウォッチ ウィーク 2021」注目すべき新作はこの5本!

FEATUREその他
2021.12.05

2021年の11月24日から28日まで開催された「ドバイ ウォッチ ウィーク2021」。いくつかのメーカーは、目を引く新製品を投入した。その中でも、好事家向けと思われる5本を挙げたい。とりわけ注目したいのは、MB&Fとブルガリのコラボモデル、そしてエナメル文字盤のロレアートだ。

ジラール・ペルゴ ロレアート エタニティ リミテッドエディション

ジラール・ペルゴ「ロレアート エタニティ リミテッドエディション」
自動巻き(Cal.GP01800)。19石、2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。SS(直径42mm)。100m防水。グリーン、ブルー共に世界限定188本。国内入荷価格未定。(問)ソーウィンド ジャパン Tel.03-5211-1791
広田雅将(本誌):文 Masayuki Hirota (Chronos-Japan)


傑作が定番化。オリス「ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403」

 オリスの新世代自動巻きである、キャリバー400系。その派生バージョンである403が、ようやく定番モデルに搭載された。基本的な構成は、2021年に発表された限定250本のヘルシュタインエディション2021に同じ。高い耐磁性と、クロノメーター以上の精度、そして10年という長い保証期間を持つ。また、簡潔な片方向巻き上げ自動巻きも、意外に巻き上げ効率が高い。400系は直径が30mmもあるが、今回オリスは、直径38mm、厚さ12mmという比較的小さなケースに収めてみせた。ラグ幅は19mm。社外品のストラップを探すのは難しそうだが、38mmのケース幅には合っている。シリコン製ガンギ車やアンクルなどの採用により、理論上は2000ガウス以上の耐磁性を誇る。地味だが非常に好ましい時計である。

 

オリス ビッグクラウン ポインターデイト キャリバー403

自動巻き(Cal.403)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SS(直径38mm、厚さ12mm)。5気圧防水。静態精度は-3秒から+5秒以内。42万9000円。(問)オリスジャパン Tel.03-6280-6876

 

エナメル文字盤付き!ジラール・ペルゴ「ロレアート エタニティ リミテッドエディション」

 大ヒット作のロレアートに、ギヨシェ仕上げとエナメル装飾を加えた限定モデル。同じ傘下にあるユリス・ナルダンがエナメル文字盤で知られるドンツェ・カドランを所有していることを思えば、この展開は当然か。ジラール・ペルゴ曰く、エナメルとギヨシェは社内で行っているとのこと。12月はセディキの先行販売。その後、正規販売店とウェブで販売される。単に文字盤をエナメルに変えただけでなく、デイトリングの色を揃えたりと、いちいち芸が細かい。仮に海外価格とそう変わらない値段で提供されたら、即完売は間違いなし。搭載するGP01800は、薄さと長いパワーリザーブ、そして相対的には優れた巻き上げ効率を持つ自動巻きだ。ありきたりの”ラグスポ”に飽きた人はぜひ。

ジラール・ペルゴ ロレアート エタニティ リミテッドエディション

自動巻き(Cal.GP01800)。19石、2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。SS(直径42mm)。100m防水。グリーン、ブルー共に世界限定188本。国内入荷価格未定。

 

グリーンで揃えたドゥ・ベトゥーン「DB25 パーペチュアルカレンダー」

 ようやく、その時計作りが正当に評価されるようになったドゥ・ベトゥーン。ドバイ ウォッチウィークに、新たなオーナーとなったウォッチボックスが出展することを思えば、新製品のリリースは当然か。新作は、傑作DB25 パーペチュアルカレンダーの色違い。お家芸のブルーを封印し、文字盤をグリーンに、そしてストラップを同色のテキスタイルにまとめたのが、いかにも2021年風。12時位置にはお馴染みの立体ムーンフェイズと、閏年表示を持つ。ケースはお馴染みのグレード5チタン製。実物は未見だが、ドゥ・ベトゥーンのことだから仕上げは良いだろう。問題は、日本に何本入荷するかのみ。

ドゥ・ベトゥーン DB25 パーペチュアルカレンダー

自動巻き(Cal. DB2324)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Ti(直径44mm、厚さ11.1mm)。国内入荷価格未定。(問)サイプレストレーディング Tel.06-6459-4140

 

入荷を待望!シンガー・リイマジネーテッド「トラック1 フラムボイヤント エディション」

 ポルシェのチューナーとして知られるシンガーによるクロノグラフが、「トラック1」である。搭載するのは「アジェングラフ」こと、アジェノーの新型自動巻きクロノグラフ。2017年のファーストモデルとデザインは変わっていないが、2021年度版は文字盤がレッドになった。華やかさを意味する「フラムボイヤント」と名付けられたのは納得だ。当初は難有りと言われていたムーブメントも、マイナートラブルを潰した結果、信頼性は大きく向上した。時間は時分の表示ディスクで、クロノグラフの積算は中心にある60秒、60分、60時間(!)同軸積算計で行う。日本未入荷が本当に残念なブランド。ポルシェ好きならば手にしてもよいと思う。

シンガー・リイマジンド トラック1 フラムボイヤント エディション

自動巻き(Cal. SINGER REIMAGINED 6361)。67石。2万1600振動/時。Ti(直径43mm、厚さ15mm)。10気圧防水。4万5000スイスフラン。(問)Singer Reimagined singerreimagined.com

 

これが真打か。MB&F×ブルガリ「レガシー マシン フライング T アレグラ」

 2021年のドバイ ウォッチウィークで最も話題をさらったのはこれだろう。MB&Fとブルガリによる異色のコラボレーションが「フライング T アレグラ」だ。スノーセッティングのダイヤモンドに加えて、3つのツァボライト、トパーズとアメジスト、タンザナイトとトルマリンが配される。オリジナルのフライング Tに比べて、ラグを短く切ることで装着感も改善している。実物は未見だが、これは間違いなく傑作だろう。ユニークな造形を得意とするMB&Fと、大振りなカラーストーンに妙味を見せる、ブルガリならではのコラボレーションだ。ただし残念ながら、世界限定20本。

 MB&F×ブルガリレガシー マシン フライング T アレグラ

自動巻き(Cal. MB&F フライング T)。30石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約100時間。18KWG(直径39mm、厚さ20mm)。3気圧防水。世界限定20本。予価2134万円。(問)ブルガリ ジャパン Tel.03-6362-0100


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世界のウォッチパーソン紳士録 2020年度版

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