新型「ナビタイマー」をタッチ&フィール。全く別物になったブライトリングのアイコン

FEATUREその他
2022.04.02

2022年の3月29日、ブライトリングが新しい「ナビタイマー」を発表した。ムーブメントは今までに同じ、自社製の Cal.01。しかし外装が全て見直されたほか、ケースサイズは46mm、43mm、41mmの3つとなった。また、文字盤のバリエーションが増えたのも大きな違いだ。

ナビタイマー

広田雅将(クロノス日本版):取材・文
Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)


新型ナビタイマー 各サイズを紹介

 ブライトリングが新製品の発表の場に選んだのは、チューリヒ発ジュネーブ行の機上であった。これは世界中から招かれた約600名の時計関係者が、飛行機の中で新しいナビタイマーのタッチ&フィールを行うという、かつてない試みだった。

ブライトリング 機内発表会

機上で行われた新型ナビタイマーのタッチ&フィール。

 46mm、43mm、41mmに共通するのは、より立体的になった形状である。新しいナビタイマーは、文字盤がわずかにボンベになり、風防のドームが強調されている。加えて回転ベゼルを、内側をえぐったコンベックス状に変更することで、明らかに時計の立体感が増した。筆者個人はこの小さな、しかし、魅力的な変化を歓迎する。

 風防の曲面を強めた結果、新しいナビタイマーはミドルケースが相対的に細くなった。それに合わせて、ラグの曲げも抑えられている。細くなったベゼルやわずかに小さくなったプッシュボタン、そして丸みを帯びたベゼルと併せて、新しいナビタイマーは良い意味での「古典味」を増している。

 ケースの仕上げも異なる。今までは全面ポリッシュ仕上げだったが、新作はポリッシュとサテンのコンビとなった。一貫してポリッシュを好んできたブライトリングだが、今回は一転して、ツール感を強調するような仕上げを採用した。


女性にも使える、ナビタイマー41

ナビタイマー

立体感を強調したナビタイマーの造形。小径の41mmも、文字盤と風防のボンベ仕上げが目立つ

 今回ブライトリングは、ナビタイマーに41mmサイズを加えた。クロノマットの女性用がヒットしたことを受けて、同社がナビタイマーに女性にも使えるサイズを加えたのは当然だろう。女性を意識したためか、このサイズに限って、ナビタイマーではおなじみの「黒×白」文字盤がない。また、シルバー文字盤のモデルはインデックスと針がシルバーからゴールドに改められた。明らかに女性を意識した配色だが、古典的な色味の組み合わせは、時計愛好家にも好まれるだろう。41mmサイズには4つのリファレンスがあり、ひとつは18KRGケースを持つ。

ナビタイマー"

こちらはSS×金色の針とインデックスを持つモデル。女性を意識した配色だが、クラシカルなナビタイマーの造形には最も似合っているのではないか。やはり、文字盤のボンベには注目。


70年代風味を強調したナビタイマー43

ナビタイマー

70年代風の意匠を持つブラック×シルバーの組み合わせ。文字盤はメッキの上に、つや消しのラッカーを吹いている。前作と比べて、文字盤の表示はあえて簡略化された。

 新しいナビタイマーは、1970年代を意識した広告を展開している。一番の売れ筋になるであろう43mmサイズも、やはり70年代風の配色が目立つ。43mmは6つのリファレンスがあり、SSケース1モデル、18KRGケース1モデルを除いて、回転ベゼルとインダイアルがブラックに変更された。この色味は、1960年代から70年代のクロノグラフによく見られたものだ。個人的にはブラックの回転ベゼルに、シルバー色の文字盤を合わせたモデルが「キラー」である。

ナビタイマー

ブレスレット付きのモデル。弓管とケースの精密なかみ合わせに注目。この部分が良くなったため、ブレスモデルの見栄えはさらに良くなった。


腕が太い人はこちらもどうぞ、ナビタイマー46

ナビタイマー

標準的なブラック文字盤。しかし、写真が示す通り、仕上げはメッキではなくペイントである。黒に白い印字を載せているが、印字の発色は明瞭だ。

 CEOのジョージ・カーンはナビタイマーのプレゼンテーションで「ブライトリングはユニバーサルブランドである」と公言した。つまりは、全方向に隙なく新製品を展開するということだろう。ナビタイマー46は、欧米市場などを意識した大きなモデル。基本的なデザインは43mmモデルに同じだが、サイズが大きくなった結果、文字盤のボンベがより強調された。わずかな違いではあるが、筆者が見た限り、このサイズが一番古典的だ。


文字盤の変化にみる、ブライトリングの姿勢

 新しいナビタイマーのもっと大きな変化は、実のところ文字盤の仕上げである。従来のナビタイマーは、黒文字盤がメッキ仕上げだった。印字部分をマスキングして、その上に黒メッキを施すことで、ナビタイマーは非常に精密な印字を持つことができた。対して本作は、標準的なラッカー仕上げである。個性である精密な印字が損なわれたのではないか、という懸念を持ったが、印字自体は今までのものに同じく精密だ。また、メッキからラッカーに改めることで、よりいっそう、ブラックの発色が良くなった。筆者はメッキ仕上げのブラック文字盤に強いシンパシーを持っているが、ラッカー仕上げのペイント文字盤はありだろう。

Cal.01

搭載するB01は、緩急針が変更されている。今までのエタクロン風から、微調整が可能なトリオビス風に変更された。ただし、今まででも有用だった、緩急針のアオリ調整は残されている。昔の第二精工舎が採用したような、ユニークな緩急針だ。


東北エリア初、仙台にブライトリング ブティックがオープン

https://www.webchronos.net/news/66533/
限定モデルが狙い目。ブライトリング、京都と名古屋に新ブティックをオープン

https://www.webchronos.net/news/76007/
【4K動画】ナビタイマーを解説。回転式航空計算尺を持つブライトリングのアイコンの変わらない魅力とは

https://www.webchronos.net/features/68377/