考え抜かれたフルメタル耐衝撃構造は新モデルにも踏襲
さかのぼること約7年前にフルメタルG-SHOCKの構想が持ち上がった際、カシオでは時計の内部構造を一から見直さなければならなかったほど、その耐衝撃性確保は困難を極めた。というのも、G-SHOCKの多くに使われている樹脂と比較すると、ステンレススティールの方が耐衝撃性は高いが、一方でステンレススティールは比重が大きいため、落下時には相当な衝撃が加わることになるからだ。
試行錯誤の末に導き出したのが、従来の樹脂製モデルとは異なる耐衝撃構造である。モジュールを保護するセンターケースと、ステンレススティール製のトップベゼルとの間にファインレジン製のクッション材をセットする構造で、落下時に強い衝撃が加わってもクッション材がダンパー効果を発揮。これにより、時計の心臓部であるモジュールを保護する設計だ。
さらに、フルメタル化に際してはケースとバンドとの接合部も改良された。樹脂製のG-SHOCKではケースとバンドを2本脚で接合しているのに対し、フルメタルモデルでは3本の脚を設けて、この構造をバンドと連結させる新構造を採用している。2本脚ではケースとバンドを連結するパイプが落下時の衝撃でたわんでしまうが、脚の数を増やすことによって、パイプにかかる衝撃が分散されるようになる。
GM-B2100もこの耐衝撃構造を踏襲している。しかも、フルメタルG-SHOCKの共通エレメントであるスクリューバックを採用しながら、センターケースやトップベゼル内側の肉を削ぎ落としたり、ベゼル天面とガラス面とのクリアランスを縮めたりすることで、2100シリーズの特徴であるスリムサイズも確保。その厚みはフルメタルシリーズ最薄の12.8mmを実現し、GA-2100と比較してもわずかプラス1.0mmに抑えられているのだから、耐衝撃性と薄型化を両立させることへの執念が尋常ではなかったことがうかがえる。
実用に特化させたコネクテッドムーブメント
もちろん、GM-B2100は優れた耐衝撃性能とソリッドなルックスを両立させているだけではなく、G-SHOCKらしい実用的な機能も充実している。なかでも象徴的なのが、モバイルリンク/アプリ連携機能。Bluetooth通信によってスマートフォンと連携するため、スマートフォン側で取得した正確な時刻情報に時計側が自動的に修正してくれるのはもちろん、約300都市のワールドタイムに対応し、あらかじめ設定した都市の時刻を時計で確認できるようになっている。
(右)高輝度なダブルLEDライトを内蔵したスーパーイルミネーターの採用により、暗所でも高い視認性を実現。
専用のスマートフォンアプリ「CASIO WATCHES」で作成した予定を、時計でリマインド通知することも可能であり、万が一スマートフォンが見当たらない場合には、時計側から探索できる携帯電話探索機能が備わっているのも便利だ。また、前述したとおり、GM-B2100にはタフソーラーを搭載。フル充電時からソーラー発電がない状態でも最長約7カ月、パワーセーブモードで使用すれば約18カ月も使用できるのだから、実に頼もしい相棒と言えるだろう。
GM-B2100は、単にヒット作をフルメタル化したのではない。フルメタルG-SHOCKのラインナップ拡充とともに、2100シリーズのバリエーションを充実させることにも寄与したモデルだ。しかしこうした展開ができるのも、1983年のデビュー以来、常に性能を進化させ、同時代性のあるデザインへとアップデートを続けてきたG-SHOCKだからこそ。GM-B2100は、そんなG-SHOCKの最進化形モデルであり、今後の展開にさらなる期待を抱かせてくれる、まさに次世代のマスターピースである。
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