IWCといえばプロユースの時計が人気だが、実用性の反対ともいえる手巻き時計も魅力的なモデルがそろっている。機械式時計の9割が自動巻きといわれている時代に、手巻きを選ぶ理由とは? 手巻き時計ならではの魅力とIWCのおすすめ手巻きモデルを紹介する。
「手巻き」の魅力
現在流通している機械式時計の9割以上は自動巻きといわれている。実際、日常的に腕時計を身に付けるのであれば、自動巻きの方が手間もかからず主ゼンマイを巻き忘れて外出前に慌てることもない。
ただ「手がかかる子ほど可愛い」という言葉があるように、不便さを感じられるアナログだからこそ愛着がわくものもある。
手巻き特有の魅力を挙げるならば、やはり「ゼンマイを巻き上げる感覚」は外せない。巻き上げる際の手に伝わる振動は非常に味わい深く、趣のある時間を堪能できる。
もうひとつ、トランスパレントケースバックの場合に限られるが、眺められるムーブメントの美しさも大きな魅力といえる。手巻き時計には主ゼンマイを巻き上げるローターがない分、ムーブメントの複雑で繊細な造形をより堪能できる。
「自動巻き」との違い
自動巻きの時計がゼンマイを自動で巻き上げられるのは、ローター(回転錘)の働きによるもの。ローターの多くは半円状のプレートの形をしており、ムーブメントを覆うように取り付けられている。
ローターはムーブメントの大半を覆ってしまうため、ムーブメントが厚く重くなってしまう。反対に手巻き時計は、ローターがない分ムーブメントが薄く軽いのがメリットとも言える。
IWCで手巻きモデルがあるコレクション
IWCで手巻きモデルをラインナップしているコレクションといえばこのふたつ。ポートフィノとポルトギーゼを紹介しよう。
ポートフィノ
「ポートフィノ」という名前は、イタリアにある高級リゾート地「ポルトフィーノ」に由来している。1984年の初モデル誕生から現在まで、40年弱の時を経てもベースとなるデザインを大きく変えることなくクラシカルで上品な表情を持ち続けている。
IWCのエントリーモデルとして人気を集めるポートフィノだが、「オールドインターファン」からも愛されている。「オールドインター」とは、IWCの過去モデルを表す愛称だ。
現行のポートフィノは、ダイアルのロゴがブロック体で表記されているが、かつてのモデルは筆記体だった。ファンや愛好家にとっては、IWCやポートフィノの歴史や時を感じられる魅力的なオールドインターといえる。
【ブランド公式ページ】
https://www.webchronos.net/features/50379/
https://www.iwc.com/jp/ja/watch-collections/portofino.html
ポルトギーゼ
「ポルトギーゼ」とは、ポルトガル人という意味の英語だ。1930年代後半にポルトガル商人がIWCへ時計の製造を依頼したことがポルトギーゼ誕生のきっかけとなり、コレクション名の由来となった。
IWCの中で最も古いコレクションであるポルトギーゼは、発売当初それほど人気を得られなかった。しかし、1993年にIWCの創業125年を記念した復刻版モデルが時計愛好家たちのハートを射抜き、高い評価を獲得した。
ポルトギーゼは、ケースサイズの展開が40.0mm以上と大型であることが特徴。特に初代モデルの登場した1939年で40mmを超えたケースというのは異例のサイズだった。しかし、大型のケースサイズとは裏腹にケースの厚さは薄く作り込まれている。
【ブランド公式ページ】
https://www.webchronos.net/features/72585/
https://www.webchronos.net/features/74626/
https://www.iwc.com/jp/ja/watch-collections/portugieser.html