総評
長く続いた新型コロナによる自粛の影響なのだろう、旅への憧憬や誘いを感じさせる、GMT、ワールドタイム、デュアルタイムの好作が多数。ブレゲ「マリーン オーラ・ムンディ 5557」、エルメス「アルソー ル タン ヴォヤジャー」、パテック フィリップ「年次カレンダー・トラベルタイム 5326」はいずれも大いに心引かれた。
ダイバーズウォッチの充実も目に付いた。分けても、スイスブランドからISO 6425準拠のダイバーズがいくつも登場したのが感慨深い。タグ・ホイヤー「アクアレーサー プロフェッショナル1000 スーパーダイバー」、オメガ「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」、ロレックス「オイスター パーペチュアル ディープシー チャレンジ」など1000m防水以上のスーパーダイバーズが多数登場したのも特筆点だ。
そしてこれはここ数年の傾向だけれども、ジェンダーレスがほぼ定着しつつある気配。メンズモデル、レディスモデルという区別がなくなり、「ユニセックス」という言葉を使わなくなったブランドも多くなった。おかげで大好きなヴァン クリーフ&アーペルのポエティックコンプリケーションを堂々と着けこなせるわけだ。もっとも、買える財力があれば、だが。
と、まぁ、時計界は多種多様に発展し、時計好きとしてはうれしい限り。
で、それは置いといて、昨年に続いて今年も個人的に欲しくなったモデルを5本挙げた。どれも本当に欲しい。が、やはり問題は財力なのである。
選者のプロフィール
福田豊
ライター、編集者。『LEON』『MADURO』などで男のライフスタイル全般について執筆。webマガジン『FORZA STYLE』にて時計連載や動画出演など多数。特にFORZA STYLEが運営するYoutubeチャンネル内の人気シリーズ「腕時計魂」で、“ロック福田”として大ブレイク。そのインパクトあるキャラクターと、軽妙な語り口で老若男女を問わず、時計ファンから支持を得ている。
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