世界トップクラスのジュエラーとして名高い「ハリー・ウィンストン」。そんなハリー・ウィンストンが時計事業に着手したのは、1989年のことだ。わずか34年あまりで数々の複雑機構を生み出してきたハリー・ウィンストン。今回はその中でも、メンズ向けの時計の特徴や魅力を紹介しよう。
ハリー・ウィンストンとは
ハリー・ウィンストンはニューヨークに本店を構えるジュエリーブランドだ。ティファニー、カルティエ、ブルガリ、ヴァン クリーフ&アーペルと共に、世界5大ジュエラーとも呼ばれている。
その中でもハリー・ウィンストンは「キング・オブ・ダイヤモンド」と称されるほどの存在。「ヨンカー」や「ホープ」など、歴史に名を残す有名なダイヤモンドや宝石を数多く所有した。現在も希少なダイヤモンドのみを使用したジュエリーの数々を生み出し続けており、その輝きは世界各国の貴族や王族、セレブから愛されている。
そうした宝石を扱う繊細な加工技術、そして宝石による装飾は時計づくりにも活かされている。ハリー・ウィンストンの時計事業の始まりは1989年と、数々の時計メーカーに比べると歴史的には浅い。だが今日までの間に、トゥールビヨンやミニッツリピーターなどの複雑機構を搭載したモデルを多く発表し、時計ブランドとしての地位を確立した。
ハリー・ウィンストンはメンズのカテゴリーでも魅力的なモデルが多数展開されている。素材選びや細部の仕上げにもその精巧な技術が現れており、その豪奢な佇まいはすべての人を魅了する。
ハリー・ウィンストンの歴史
ハリー・ウィンストンは1932年、マンハッタン区にある世界最高級のショッピングストリートのひとつ、ニューヨーク5番街で誕生した。
希少なダイヤモンドや宝石の買い付けに成功していったハリー・ウィンストンは、貴族やハリウッド女優を顧客に掴むと瞬く間に世界最高峰のジュエラーとして名を馳せ、「キング・オブ・ダイヤモンド」や「スターたちのジュエラー」と称されるまでになった。
ハリー・ウィンストンは瞬く間にトップジュエラーとしての地位を確立した。1950年代にはスイスに初の海外出店を果たし、その後は世界各地に展開。日本では1988年、銀座に日本1号店となる旗艦店を出店させた。
時計業界に参入したのは、日本出店から1年後となる1989年のことで、この年、初の腕時計、「HW プルミエール」「シグネチャー」を発表した。その後もハイジュエリーと複雑機構の技術を活かし、高級時計ブランドとしての地位を確立してきた。
2013年、ハリー・ウィンストン社はスウォッチグループの傘下となった。以降はさらに時計製造にも尽力し、さらに新たな時計を発表し続けている。
ハリー・ウィンストンの特徴
ハリー・ウィンストンが手掛ける腕時計は、一目でそれとわかるデザイン的な特徴がある。
コレクションによって位置が異なるが、ケースの一部分が「3つのアーチ」を象っており、これはニューヨーク5番街にあるハリー・ウィンストン本店入口のアーチがデザインコードになっている。
また、ハリー・ウィンストンの腕時計には、ジュエリーメイキングの技術で培った、精巧かつ芸術的な装飾の加工技術だけではなく、貴重な伝統技術である「羽根細工」や寄木細工である「マルケトリ」等を用いたモデルも展開する。
ハリー・ウィンストンの時計の魅力とは
わずか34年ほどの間に、高級時計ブランドとしての地位を確立したハリー・ウィンストン。その魅力について解説しよう。
品質の高い宝石を使った豪華な宝飾
ハリー・ウィンストン氏はそもそも、世界的に貴重なダイヤモンドの1/3を所有していたとされるほど、ダイヤモンドの見識眼に長けた人物でもある。
だからこそ彼は「キング・オブ・ダイヤモンド」と呼ばれ、その名を冠するハリー・ウィンストンの時計には、彼の理念を引き継いだ職人が厳選したダイヤモンドが使用されているのだ。
すべてのダイヤモンドは、高度な技術によってカットされ、ケースやダイアルに用いられている。世界中の王族や富豪が、ハリー・ウィンストンの時計を愛する大きな理由のひとつでもある。
高度な技巧
卓越した宝石の装飾のみならず、ハリー・ウィンストンの時計には高度な技巧を要する複雑機構が用いられている。パーペチュアルカレンダーとバイレトログラード表示は、当初から採用されている機構だ。
このような複雑機構を搭載したことで、ハリー・ウィンストンの技術に対する評価は高まっていく。トゥールビヨンの回転軸を複数用いている「多軸トゥールビヨン」が登場したのは、記憶に新しいところだろう。加えて時計の機構だけではなくデザインに対しても、伝統的な技術がふんだんに利用され、時計の魅力を一層高めているのだ。