総評
2022年の流行語のひとつが「タイパ」だとか。タイムパフォーマンスの略語で、時間対効果を差す。たとえばファスト映画やスピード再生なら、映画やドラマのあらすじや結末を手っ取り早く知ることで時間が節約でき、より多くの情報が摂取できる。テクノロジーの進歩とともに、社会の時間感覚も変化しているということだろう。知人のZ世代の息子は、タイパは円滑な人間関係に欠かせないという。だが、人付きあいよりも時間とうまく付き合いたいと思うのだ。
この数年アイドリング状態だった時計業界もいよいよアクセルを踏み始めたようだ。そんな中、自分の時間と向き合い、じっくり味わうことのできる個性派の5本を選んだ。
リシャール・ミルはこれまでのマッシブなスーパーコンプリからペラッとした新境地を開拓。CEOの退任とともに新時代を迎えるオーデマ ピゲは新たなアイコンに夢を見る。ブルガリのミッキーは今年一番のファンタジーをよみがえらせてくれるし、ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)のレディスウォッチ部門賞を受賞したパルミジャーニ・フルリエはむしろジェンダーレス部門で贈りたい。そしてキングセイコーに感じるのは、時代を越えたシティポップの煌めきだ。
こうした個性溢れる時計が時間の楽しさを教えてくれるのではないか。誰のためでもなく、もっと豊かに自分らしい時間を過ごせようにしたいと思う。
選者のプロフィール
柴田充
1962年生まれ。時計をはじめ、クルマやファッションなど男性の趣味の世界をテーマに、ライフスタイル誌や時計専門誌で編集執筆。
1/100mmを削ぎ落とす技術 リシャール・ミル「RM UP-01 フェラーリ」
https://www.webchronos.net/features/83287/
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