ベル&ロス「BR 05 GMT AMBER」を外装フェチがレビュー。強い個性と進化した外装が特徴の実用時計

2023.02.28

しなやかな装着感と、屋外でも良好な視認性

 実際に腕に巻いてみると、ブレスレットの各コマの可動域が広いためか、硬質な見た目とは裏腹にしなやかな装着感だ。コマ同士の遊びも適切に取られているため、ねじれ特性も思ったほど悪くない。

 ただし、バックルに向かって強めのテーパーが効いてるため、ケース本体の重量を支えきれておらず、腕を上げ下げすると、ケースが振られる感覚が強く伝わってくる。また、ブレスレット裏面のエッジは面取りが狭いため、多少トゲトゲしく感じる場面もあった。

 本作の最大の特徴であるアンバーカラーのサンレイ文字盤は、昨今トレンドのサーモンピンクと比べると、よりイエロー味が強く、今までありそうでなかった色合いだ。

 腕上で見ると鮮やかではあるが、日本人の肌色に良くなじむため悪目立ちすることもなく、本作独自のブラックGMT針とも相まって、ビジネスシーンでも使えそうなほど上品な雰囲気にまとまっている。

BR 05 GMT AMBER

快晴の屋外では、文字盤もケースも周囲の景色を反射するため、色々な表情を見せてくれる。

 全体的にメッキ処理のため、屋外では空や周囲の景色など、さまざまな物を映し込んで多彩な色味に変化するが、立体的なアプライドインデックスの効果もあり、文字盤の視認性は極めて良好だ。


シンプルな操作性と、安心のメンテナンス性

 GMT搭載キャリバーBR-CAL.325の操作は至ってシンプルで、リュウズを1段引き奥に回すとGMT針単体調整、手前に回すと日付調整、2段引くと時刻調整が可能だ。

 時針の単独調整機能はなく、文字盤上の24時間ディスクにも回転機構はないため、実際に海外渡航の多い人にとっては少々不便かもしれない。

 針回しは標準的なセリタの感触で、コリコリと歯車の噛み合う振動が伝わってくるが、重みは常に一定である。

 バックルはダブル・フォールディング式になっており、開閉もスムーズだ。

 ロック部分はむき出しになっているが、ここがカバーされると皮脂が溜まりやすくなり、動作不良を起こす原因にもなるため、洗浄しやすい構造はむしろ安全で良い。

ベル&ロス バックル

ブレスレットのコマはバックルの根元まで一貫したヘアラインで仕上げられている。


宣材写真では伝わらない魅力に、心が躍る実用時計

 筆者はこれまで、「BR 05」コレクションを十分に触っておらず、「BR 05 GMT AMBER」が初対面となってしまったが、「BR 01」の個性を継承しながらも緻密にアレンジされたデザインと、高度な外装仕上げの相乗効果が凄まじく、メーカー写真からは想像できなかったほど、ワクワクさせられる時計であった。

 なおかつ、実用性も高い次元で確保されているため、日常的に使いやすい。

 今回のレビューでは、執筆前に1週間という長期間にわたって着用したが、さまざまな環境下で多彩な見え方が楽しめる時計なため、返却するのが名残惜しく感じたほどだ。

 昔からのベル&ロスファンはもちろん、今まで興味がなかったと言う人も、ぜひ実機を腕に乗せてみて欲しい。

Contact info:ベル&ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989


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