もはや死角なしの高機能ダイバーズ! オメガ「シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック」を着用レビュー

2023.04.21

今回インプレッションを行ったのは、オメガの「シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック」。600mの深海であっても、強い磁力にさらされる環境でも、そして旅行先であっても、常に正しい時刻を表示することができるスーパー・ウォッチであった。

シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック

名畑政治:文 Text by Masaharu Nabata
2023年4月21日掲載記事


タフで高機能なシーマスター

 黒い時計が市場を席巻したのは、もう10年以上も前のこと。あれ以来、ケースやダイアル共にブラックのモデルが各社から登場し、広く普及するに至っている。

 そんな黒い時計の中でも、今回、ここで取り上げるオメガの「シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック」は、ケースにブラックのセラミックスを採用して60気圧(600m)防水を実現し、第2タイムゾーンの時刻を表示する、いわゆるGMT機能が搭載されたタフで高機能なダイバーズ・モデルである。

シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック

「シーマスター プラネットオーシャン マスター クロノメーター GMT ディープブラック」
自動巻き(Cal.8906)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。セラミックスケース(直径45.5mm、厚さ17.4mm)。600m防水。165万円(税込み)。

 そのGMT機能の操作は非常にシンプル。旅行先の異なるタイムゾーンに到着した際、2段引きのリュウズを1段引くと短針(時針)が1時間ずつジャンプできるので、これで現地時間に合わせる。すると通常、GMT針を出発地(通常なら自分の国)の時刻に合わせておけば、GMT針がホームタイム、短針が現地時刻を表示する。

 最近、新型コロナの影響がほぼ払拭されたことで世界的な旅行ブームが巻き起こっており、GMT機能やワールドタイム機能を持つ時計の需要が高まっているように思う。そんなとき、本当に便利に使えるのが、この「シーマスター」のようなシンプルなGMTだ。

 もちろん、異なるタイムゾーンの国を次々に訪問したり、日本にいながら世界各国の時刻を知りたい、なんて場合はワールドタイム機能が便利かもしれないが、私個人としてはシンプルなGMTモデルをおすすめしたい。

シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック

 また、このモデルはオメガが開発し、スイス連邦計量・認定局(Swiss Federal Institute of Metrology:METAS)が設定した8項目の検査に合格した、マスター クロノメーターの認定を受けた自社製ムーブメント、キャリバー8906が搭載されていることも大きな特徴となっている。

 すでに熱心な時計ファンならご存知のように「マスター クロノメーター」とはスイス クロノメーター検定協会(C.O.S.C.)によるクロノメーター検定に合格したムーブメントを搭載したモデルを、さらにMETASによる検定に合格し、高い精度と1万5000ガウスという強い磁場にも耐えることが証明されたタイムピースに与えられる称号である。

シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック

 そして、手に入れたウォッチが、METASのテストでどんな成績を収めたかを知りたい場合は、スマートフォンにアプリをダウンロードし、時計に添付されたカードをスキャンして、そこに記された固有の証明書番号を入力することで、いつでもどこでも正しい検査結果にアクセスすることが可能となっている。こんな先進的なサービスにも、オメガという時計メーカーの良心と自信を確認することができる。


単なる“オールブラック”とは違う、視認性の良さ

 では、外装を見ていこう。実は私、黒い時計にはことのほか強い思い入れがある。というのも生まれてはじめて、小学2年生の時に父に買ってもらった時計が黒いダイアルのモデルだったのだ。

正確には、最初に購入したのは白いダイアルだったが、すぐに壊れてしまい、交換に行ったら「黒ダイアルしかありません」と言われてそれと取り替え、高校生までこれを使っていたので、ブラックのダイアルには強い反応を示してしまうようになったのであった。

シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック

 そんな目で見ると、この「シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック」は、ダイアルどころかケースまで純粋なブラック仕様で非常に好み。しかも、一時大流行したインデックスまで真っ黒で、パッと見ると何時だかわからないモデルとは違い、インデックスは針には白い蓄光塗料(ホワイトのスーパールミノヴァ)が塗られており、時刻確認が容易だから、日常使いにも不便はない。

 このスーパールミノヴァは、暗闇ではインデックスと短針がブルーに、長針がグリーンに発光し、時刻の読み取りが確実に行える。また、ブルーとグリーンの蓄光塗料の使い分けも絶妙。潜水時間の把握などに用いる回転ベゼル状のマーカーと分の経過を示す長針の発光カラーがグリーンでマッチングされているなど細かな気配りもなされている。

 つまり、この「シーマスター プラネットオーシャン ディープブラック」とは、600mの深海であっても、強い磁力にさらされるような特殊な環境においても、そして旅行先であっても、常に正しい時刻を表示することができるスーパー・ウォッチだと評価することができるのだ。



Contact info: オメガお客様センター Tel.03-5952-4400


オメガ「スピードマスター ホワイトサイド オブ ザ ムーン」を実機レビュー! 外装フェチのためのセラミックウォッチだ

https://www.webchronos.net/features/94246/
ルックスも使い勝手も隙のない良時計。オメガの代表作「シーマスター 300」をレビュー

https://www.webchronos.net/features/89196/
オメガ シーマスター アクアテラの洗練されたデザインとおすすめ3選

https://www.webchronos.net/features/52685/