チューダー「ブラックベイ 54」
自動巻き(Cal.MT5400)。27石。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径37mm)。200m防水。ラバーストラップモデル(左)46万3100円(税込み)。ブレスレットモデル(右)49万600円(税込み)。(問)日本ロレックス / チューダー Tel.0120-929-570
腕時計の小型化の流れは健在だ。チューダーは、初代ブラックベイの大きさである直径37mmをそのままに、新しい「ブラックベイ 54」を発表した。
オリジナル同様の小径ケースを採用しつつ、モダンにアップデートされたブラックベイ
直径41mmの「ブラックベイ」、そして2018年に発表されたまだ若い直径39mmの「ブラックベイ 58」に続き、チューダーはブランドの初代ダイバーズウォッチをリメイクした「ブラックベイ 54」を発表した。
モチーフとなったのは、チューダー初のダイバーズウォッチである「オイスター プリンス サブマリーナー」Ref.7922だ。このモデルは1954年に誕生し、直径37mmのケースを備えていた。
ブラックベイ 54は、オリジナルモデルのディテールを引き継ぎつつも、いくつかの現代的な解釈が加えられ、アップデートを果たしている。ステンレススティール製のベゼルからは、オリジナルと同様に15分までのミニッツスケールが取り除かれている。蓄光塗料をあしらった丸い先端を持つ秒針もオリジナルモデルからの踏襲だ。しかし、時針に採用されているスノーフレーク針は、1969年以降に導入された要素である。
直径37mmのステンレススティール製ケースは、200mの防水性能を備える。搭載されるのは、シリコン製ヒゲゼンマイや重金属タングステン製ローターを備えた自社製自動巻きキャリバーMT5400だ。約70時間のパワーリザーブを保持し、クロノメーター認定を取得したムーブメントである。サイドリベット付きの3連ブレスレットモデルと、ラバーストラップの2モデルの展開がある。
グランドセイコー「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」
自動巻き(Cal.9SC5)。60石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約72時間(クロノグラフ作動時)。ブライトチタンケース(直径43.2mm、厚さ15.3mm)。10気圧防水。181万5000円(税込み)。(問)グランドセイコー専用ダイヤル Tel.0120-302-617
グランドセイコーは、ブランド初の機械式クロノグラフムーブメント「テンタグラフ」ことCal.9SC5を搭載した「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」を発表した。
ブランド初の機械式クロノグラフムーブメントを搭載
グランドセイコーが「エボリューション9 コレクション」をブランド初となる機械式クロノグラフモデルで拡充した。エボリューション9 コレクションとは、1967年に44GSで確立されたデザイン文法を継承し、審美性、視認性、装着性という3つのデザイン方針をもとに、独自で定義された9つのデザイン要素に基づいて開発された腕時計を指す。「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」に冠されたテンタグラフ(TENTAGRAPH)の名称は、10振動(ten beats per second)、約3日間のパワーリザーブ(three days)、自動巻きクロノグラフ(automatic chronograph)に由来する。
スポーツウォッチとしての高い水準が、「エボリューション9 コレクション テンタグラフ SLGC001」にはっきりと見て取れる。まず針とインデックスが印象的に際立っている。クロノグラフの秒針は文字盤の縁に向かって緩やかにカーブしており、分針もわずかにカーブしているため、良好な視認性が確保されている。さらに、針とインデックスにはルミブライトが塗布されている。
本作の文字盤は、岩手山の山肌からインスピレーションを得た繊細なパターンと、透明感のあるブルーを組み合わせ、星々がきらめく夜の岩手山を表現したものだ。3時位置にスモールセコンドを備え、9時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計が配されている。ベゼルはセラミックス製、ケースとブレスレットはチタン製だ。
「テンタグラフ」ことキャリバー9SC5
新しい自社製の自動巻きムーブメントである「テンタグラフ」ことキャリバー9SC5は、2020年に発表された高精度とエネルギー効率を誇るハイビートキャリバー9SA5がベースとなっている。毎秒10振動の計時精度を持ちながら、ツインバレルによりクロノグラフ作動時でも約72時間の駆動が可能なロングパワーリザーブを確保する。これは10振動の自動巻きクロノグラフムーブメントとしては最も長い持続時間だ。
本作の発表にあたり、グランドセイコーでは機械式クロノグラフのための新たな精度規格が設定された。従来と同様に、6方向の姿勢、3段階の温度という条件下で17日間にわたる厳格な試験を受け、さらに3日間にわたりクロノグラフを作動させた状態かつ3方向の姿勢で精度が評価される。テンタグラフは、グランドセイコー規格が定める基準をクリアするために合計20日間をかけて精度テストが行われた。
テンタグラフはまた「デュアルインパルス脱進機」を搭載している。これはエネルギー伝達効率を高めるものであり、ガンギ車から直接テンプに力を伝える「直接衝撃」と、従来のアンクルを介す「間接衝撃」を組み合わせることで、ゼンマイからの力を効率的にテンプへ伝達できる機構だ。他にも0.001mm単位という極小精度で軽量なパーツを作ることが可能な「MEMS」の技術により、エネルギー効率はさらに高まり、パワーリザーブのパフォーマンスを向上させている。またクロノグラフ機構では、垂直クラッチとコラムホイールが高精度と最適な操作性を担保している。垂直クラッチにより、クロノグラフ駆動時の針飛びが回避され、計測精度が高められた。一方、コラムホイールによりクロノグラス操作の正確な制御が確保されている。ムーブメントには3本のアームで構成されたゼロリセットレバーが採用され、リセットプッシャーを押すとすぐに、元の位置に帰針する。
ブライトチタンケースは10気圧の防水性能を備える。日本では2023年6月から発売予定だ。
ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ・ムーンフェイズ・レトログラード・デイト」
自動巻き(Cal.2460 R31L/2)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径41mm)。5気圧防水。価格要問合せ。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755
ヴァシュロン・コンスタンタンのスポーティーな「オーヴァーシーズ」コレクションに、レトログラード表示が搭載された「オーヴァーシーズ・ムーンフェイズ・レトログラード・デイト」が登場した。
オーヴァーシーズコレクション初のレトログラード搭載モデル
ヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ・ムーンフェイズ・レトログラード・デイト」は、コレクション初のレトログラードデイトと高精度ムーンフェイズを組み合わせた表示機能を搭載する。これを実現するのが自社製ムーブメントのキャリバー2460 R31L/2であり、22Kゴールド製の自動巻きローターと約40時間のパワーリザーブを保持している。6時位置に配された高精度ムーンフェイズは、122年に1日だけ調整が必要である。
力強いスポーティーな雰囲気と、洗練されたエレガントな味わい深さを併せ持つことがオーヴァーシーズの特徴だ。本作は透明感のあるブルーダイアルがその魅力を際立たせている。ポリッシュラッカー仕上げの文字盤は、光の加減でさまざまな表情を見せる。オーヴァーシーズコレクションの特徴のひとつでもあるインターチェンジャブルシステムにより、ストラップ交換は工具不要で容易に行える。ステンレススティールブレスレットに加え、カーフスキンのレザーストラップとブルーのラバーストラップが付属する。
直径41mmのステンレススティール製ケースの防水性能は5気圧だ。ヴァシュロン・コンスタンタンのブティックでのみ販売される。
ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」
手巻き。(Cal.JLC860)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(縦49.4×横29.9mm、厚さ11.14mm)。3気圧防水。321万2000円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833
ジャガー・ルクルトからは、アイコニックなレベルソコレクションに新しいクロノグラフムーブメントを搭載した「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」が発表された。
時分表示とクロノグラフ表示を備えた新しいレベルソ
ジャガー・ルクルトは時分表示とクロノグラフ表示を備えた「レベルソ・トリビュート・クロノグラフ」を発表した。ブルーグレーダイアルのステンレススティールモデルと、ブラックダイアルの18Kピンクゴールドモデルの2種類がラインナップされている。
本モデルに搭載される新ムーブメントのキャリバー860は、1996年に発表された最初のレベルソ・クロノグラフからインスピレーションを得たものだ。クロノグラフ機能だけでなく、両ダイアルに時刻を表示するこのムーブメントは。機械式時計が復興を遂げる当時、その複雑性で注目を浴びた。
手巻き。(Cal.JLC860)。38石。2万8800振/時。パワーリザーブ約52時間。18KPGケース(縦49.4×横29.9mm)。3気圧防水。563万2000円(税込み)。
時計の表ダイアルは時分表示を備える。この面では、バトン型のインデックス、ドーフィン針、ペリフェラル・ミニッツトラックなど、「レベルソ・トリビュート」シリーズのすべての特徴を見ることが可能だ。
クロノグラフ機構は、裏ダイアルから眺めることができる。文字盤はシースルー仕様になっており、キャリバー860の複雑さも鑑賞することができる。オフセットセンターの時分針とクロノグラフ秒針を備え、6時位置にはレトログラード式の30分積算計を備える。
2万8800振動/時で動くキャリバー860には、水平クラッチを備えたコラムホイール式クロノグラフが組み込まれている。裏表両方のダイアルに時分を表示し、かつレトログラード式の30分積算計を備えたクロノグラフ機能を有することで、高いエネルギーが消費されるにもかかわらず、約52時間のパワーリザーブが確保され、ケースの厚さは11.14mmに抑えられた。結果、レベルソの特徴であるエレガントなスタイリングが実現した。
ストラップにはカーサ・ファリアーノがデザインを手掛けたレザー及びキャンバス地のストラップが付属し、インターチェンジャブルシステムが採用されている。
オリス「プロパイロットX キャリバー400 カーミットエディション」
自動巻き(Cal.Oris400)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径39mm)。10気圧防水。66万円(税込み)。(問)オリスジャパン Tel.03-6260-6876
オリスは「プロパイロットX キャリバー400」のスペシャルエディションとして、ディズニーマペッツのカーミットにインスパイアされた「プロパイロットX キャリバー400 カーミットエディション」を発表した。
マペットショーのスターがデイトウィンドウに
本作はオリスのプロパイロットX キャリバー400をベースに、グリーンのダイアルとちょっとした遊び心を加えたものだ。文字盤はカーミットにインスパイアされたグリーンダイアルで、毎月の初日にカーミットの顔が日付窓に表示される。月に一度のカーミットデーに、カーミットはデイトウィンドウから笑いかけ、笑顔を引き出し、毎日をもっと力を抜いて過ごせばいいという気持ちにさせてくれる。
搭載される自動巻きムーブメントは、オリスの自社開発キャリバー400だ。キャリバー400はツインバレルによる約5日間のパワーリザーブと高度な耐磁性を備え、10年の保証およびオーバーホール推奨期間が付属する。
チタン製ケースのサイズは直径39mmで、ブレスレットにはオリスが特許を有するリフトシステムのクラスプが付属する。税込み価格は66万円で、限定モデルではない。
https://www.webchronos.net/features/94906/
https://www.webchronos.net/features/95506/
https://www.webchronos.net/features/95261/