ダイアルに小さなDJパンダ! H. モーザーとMB&Fがコラボした「ストリームライナー パンダモニウム」

2023.09.17

H.モーザーとMB&Fは、チャリティーオークション「Only Watch」のためのコラボレーションモデル「H. Moser X MB&F ストリームライナー・パンダモニウム」を発表した。本作はユニークピースとなっており、ダイアルにはミニチュアのDJパンダが配されている。

ストリームライナー・パンダモニウム


ミニチュアのDJパンダ

ストリームライナー・パンダモニウム

H. Moser X MB&F ストリームライナー・パンダモニウム
手巻き(Cal.HMC 906)。37石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約54時間。SSケース(直径42.3mm、厚さ17mm)。5気圧防水。ユニークピース。

 マクシミリアン・ブッサーとエドゥアルト・メイランは、モナコ筋ジストロフィー協会への寄付を目的としたチャリティオークション「Only Watch」のために、音楽に捧げる特別なユニークピースの共同制作で2度目のコラボレーションを果たした。「H. Moser X MB&F ストリームライナー・パンダモニウム」と名づけられたこのモデルには、今やOnly WatchにおけるMB&Fの作品の象徴となった、DJパンダのミニチュアが操るミニッツリピーターが組み込まれている。

「H.Moser X MB&F ストリームライナー・パンダモニウム」という名前は、地獄の伏魔殿「パンデモニウム(Pandemonium)」に由来している。ただし、Pandemoniumの「e」の代わりに、今やMB&Fの世界を象徴するモチーフとなったミニチュアのパンダの「a」の文字が入っている。

ストリームライナー・パンダモニウム

 これについてブッサーはこう述べている。「Only Watchに出品されるそれぞれの作品はMB&Fにとって、子供たち、特に筋ジストロフィーに苦しむ子供たちの目を通して物事を見る機会となります。初代のパンダはOnly Watch 2011のための寓意として誕生し、2021年に復活、さらに2023年には3度目の登場を果たします。今回はほんの束の間、音楽の世界に浸って現実を忘れさせてくれるような作品に仕上がりました。MB&FとH.モーザーのどちらにとっても、喜びという概念は不可欠なものです。時計製造と同様に、人生においても楽しみながら、内なる子ども、インナーチャイルドを育むことが重要になります。それを可能にするのが、完全な手作業で彫刻と装飾を施したホワイトゴールドの小さなDJパンダです」。

DJ パンダのミキシングテーブル

ストリームライナー・パンダモニウム

 このパンダはハンマーの横に並び、MB&FとH.モーザーが重ねた話し合いの「サウンドトラック」をミキシングしているかのように見える。ターンテーブルはハンマーの軸に取り付けられており、機構が作動するときの回転によって駆動する。高さわずか5.35mmのこのミニチュアのために、デザインから開発、モデリング、実際の製造に至るまで、数え切れないほどの時間がこの精密作業に投入された。さらには、手作業によるエングレービング、宝石職人による最終的な研磨、そして緻密なペイント作業が行われたのだ。0.99mmのマズル、足形をモチーフにした外径1.75mm、厚さわずか0.35mmのターンテーブルなど、ひとつひとつの小さなパーツがまさに技術、芸術の粋を体現している。

フライングテンプとダブルヘアスプリング

ストリームライナー・パンダモニウム

 主役となるのは、レガシーマシン シリーズから取り入れられた大型の吊り下げ式テンプだ。時を刻む心臓部はブッサーの目から見た時計製造の真髄を表し、H.モーザーの姉妹会社にあたるプレシジョン エンジニアリング社が手掛けたダブルヘアスプリングが組み込まれている。このヘアスプリングのペアにより、拡張時の各ゼンマイの重心の動きが補正され、精度と等時性が大幅に向上し、継続的な完成度が実現される。

 また、通常シングルヘアスプリングにかかる摩耗が軽減されることでも等時性が向上する。うっとりさせるような動作のテンプは、ゴングがブリッジを通過できるよう2カ所を曲げる必要があったことがさらなる課題となった。三次元空間を占めるゴングは、平らなコイルと上部のコイルが重なっている。

音を大きく響かせるための工夫

ストリームライナー・パンダモニウム

 ケースの形状は、ステンレススティールの特性を最大限引き出してその効果を高めつつ、音を共鳴させるために欠かせない壁を作ることができるよう、細心の注意を払って設計・開発されている。ステンレススティールは、比較的弾性係数が高く、この素材がほんのわずかな圧力で変形し、結果的にゴールドよりも剛性が高くなるということで、減衰効果が小さいため、音の振動エネルギーを逃がさず、しっかり保持することができる。

 一体型ブレスレット上のステンレススティール製フレームに収まったクッション型ケースのトップ部分はドーム型のサファイアクリスタルで、5気圧防水となっている。スライドボルトはミニッツリピーター機構を作動させるのに使用されるため、滑らかにスライドするようテフロン製ランナーに取り付けられており、スペースを極力なくすためにメインプレートに組み込まれている。

 また、ムーブメントを収め、サウンドボックスを生み出すための十分なスペースを確保できるよう、ミドルケースは完全に空洞になっている。これにより、異なるフィーラースピンドルから得られる情報に基づいて作動する2個のハンマーが2個のゴングを叩き、時、15分単位、および分を告げる音を増幅させる。

立体彫刻さながらのムーブメント

キャリバー HMC 906

 卓越したこのモデルを駆動するのは三次元構造の手巻きムーブメント、Cal.HMC 906で、重要な内部のコンポーネントを鑑賞できるよう部分的にスケルトン加工が施されている。このムーブメントは通常のように下から取り付けることが不可能なため、組み立て方法を再検討する必要があった。そこで、ケース上部からキャリバーを組み込めるよう、取り外し可能なベゼルが製造された。これによって作業がしやすくなっただけでなく、ケースが大型化したことで音質も向上。

 Cal.HMC 906は1万8000振動/時、パワーリザーブは約54時間となっている。アンスラサイトグレーのロジウムメッキが施されたブリッジとメインプレート、有名な水平方向のダブル モーザーストライプといった非常に現代的な仕上げを特徴としている。

友人間のコラボレーション

エドゥアルト・メイランとマックス・ブッサー

 最後に、エドゥアルト・メイランは次のように強調した。「互いを高め合うふたつの専門知識とDNAの巧みな融合が成功をもたらした『H.Moser X MB&F ストリームライナー・パンダモニウム』は、独創的な開発プロセスから生まれ、Only Watchのために特別に製作された特別なムーブメントとダイアルを備えたユニークピースです。社会的意義のためではありますが、これが自身をさらに向上させる機会となりました。コレクターや高級時計愛好家の間で話題を呼ぶことは間違いありません。このユニークピースは、11月5日のオークションでクライマックスを迎える国際的なOnly Watchイベントに出品される予定です。エドゥアルト・メイランとマックス・ブッサーよりすべての音楽愛好家の皆様へ。On your marks! Get ready! MIX!

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