リシャール・ミルは、手巻きトゥールビヨンCal.RM21-02を搭載する新作、「RM 21-02 トゥールビヨン エアロダイン」を発表した。航空工学からインスピレーションを得た本作は、ホワイトクオーツTPT®やカーボンTPT®、グレード5チタンといった次世代材料が駆使されており、精度、軽さ、耐久力が極めて高い次元で融合を果たしている。
最先端のマテリアルで「エアロダイン」の美学を再定義
F1レースや航空の世界からインスピレーションを獲得し、チタンやカーボン素材といった、次世代の新素材を常にウォッチメイキングへ取り入れてきたリシャール・ミル。中でも、航空工学へのオマージュが色濃く表現されているのが、2009年より展開されている”エアロダイン”の名を冠するコレクションである。
最新作にあたる「RM 21-02 トゥールビヨン エアロダイン」は、手巻きトゥールビヨンCal.RM21-02を搭載した第2弾モデルとして登場。品質への突き詰めたアプローチによって、コレクションのコンセプトを再定義するモデルに仕上がっている。
手巻き(Cal.RM21-02)。27石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。ホワイトクオーツTPT®×カーボンTPT®×Tiケース(縦50.12mm、横42.68mm、厚さ14.30mm)。50m防水。世界限定50本。1億4630万円(税込み)。
構造は、従来のエアロダインと同じく航空工学に基づいた、厳格かつ精密な設計が行われている。12時位置には香箱、6時位置にはトゥールビヨンが配置されており、それぞれアームとグレード5チタン製ブリッジによって安定性を確保。ムーブメントは、グレード5チタン製のネジとサイレントブロック (ISO SW) によってシャーシに固定されており、ケーシングリングのオミットを実現している。
また、12時位置には香箱を挟む形でトルクインジケーターとパワーリザーブインジケーターが配されており、香箱に蓄えられたエネルギーの質と量を視認できる。これにより、主ゼンマイのテンションを管理できるため、ムーブメントの性能を常に最適な状態に保つことが可能だ。
さらに、4時位置にファンクションセレクターが搭載されている点にも注目したい。リュウズ中央のボタンを押すと、リュウズの機能を、巻き上げ(W)、ニュートラル(N)、時刻合わせ(H)のいずれかへと変更することができる。この機能はレーシングカーのギアチェンジがモチーフとなっており、耐久性への追求の一環として搭載されている。
並外れた耐久性を実現したハニカム構造
象徴的なディテールである地板のハニカム構造は、ブラックPVD処理を施したHAYNES®️ 214®️合金で構成されている。この構造は、超音速航空機の翼へ応用するためにNASAが研究していたものから着想を得ており、本作では、極めて高い剛性と温度変化への耐性、そしてねじれ抵抗を、究極の軽さと共に実現している。
また、このハニカム構造の地板は中心にカーボンTPT®️が据えられており、こちらも耐久性の向上と軽量化に貢献している。最新の航空産業で活躍するこれらの素材は、エアロダインを象徴するハニカム構造に欠かせないファクターと言えるだろう。
3層構造のトノーケース
本機のトノウケースは、それぞれの素材がシームレスに組み合わさった3層構造を採用している。ベゼルはカーボンTPT®とホワイトクオーツTPT®の2種で構成されており、ミドルケースにグレード5チタン、ケースバックにホワイトクオーツTPT®をそれぞれ使用。
組み立てには、グレード5チタン製スプラインネジと、316Lステンレススティール製の耐摩耗性ワッシャーが使用されており、合計32個ものニトリル製Oリングガスケットを取り付けることで、複雑構造ながら50mの防水性が実現されている。
https://www.webchronos.net/news/103653/
https://www.webchronos.net/features/88560/
https://www.webchronos.net/news/63836/