ユリス・ナルダン「マリーン トルピユール」から、時計正規販売店COMMON TIMEとのコラボレーションモデルが登場した。本作は、COMMON TIMEを展開するCHARMY(チャーミー)が、2024年に創業60周年を迎えることを記念し、60本限定で販売される特別なタイムピースだ。
ユリス・ナルダン「マリーン トルピユール」COMMON TIME限定モデル
COMMON TIMEは、ジュエリー専門店のCHARMY(チャーミー)が展開する正規時計販売店である。現在は神奈川県の横浜に3店舗、東京の渋谷に1店舗を構えており、高級腕時計を中心に、幅広いブランドを取り扱っている。この取り扱いブランドの中で、同店との深い関係をイメージさせやすいのがジラール・ペルゴかもしれない。ジラール・ペルゴはスイスの時計ブランドであるものの、創業家一族のひとりであるフランソワ・ペルゴが1860年に来日。日本の時計市場に西洋式時計を輸入し、その普及に尽力した。フランソワ・ペルゴはその生涯を日本で終え、現在横浜の外国人墓地に眠っている。同店では、このフランソワ・ペルゴの墓参を定期的に行っているのだ。
しかし、COMMON TIMEとの関係性が深いブランドはもうひとつ挙げられる。ユリス・ナルダンだ。今回COMMON TIMEは、母体となるCHARMYが2024年に創業60周年を迎えることを記念して、ユリス・ナルダンとコラボレーションした、「マリーン トルピユール」COMMON TIME限定モデルを発売した。
自動巻き(Cal.UN-118)。50石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径42mm)。50m防水。世界限定60本。258万5000円(税込み)。
ユリス・ナルダンとCOMMON TIME
ユリス・ナルダンは1846年にスイスのル・ロックルで創業した時計ブランドだ。創業当時、ニーズが高まっていた航海用のマリンクロノメーター製造に着手。高品質な製品の量産体制を強みに、各国の海軍にマリンクロノメーターを供給した。この歴史を象徴するかのように、ユリス・ナルダンのブランドロゴには、錨(いかり)が用いられている。現在のユリス・ナルダンは「フリーク」や「ブラスト」といった、創意と革新性にあふれたコレクションを大々的に打ち出しており、時計市場ではユニークなポジショニングを行っている。一方で、マリンクロノメーターを製造してきた歴史を体現する、伝統的なコレクションも有している。そのコレクションが、「マリーン トルピユール」だ。COMMON TIMEは60周年記念モデルの製作にあたって、フリークでもブラストでもなく、このマリーン トルピユールを採用した。
横浜の地で正規時計販売店を営んできたCOMMON TIMEは、ユリス・ナルダンに関するイベントを意欲的に行うことで、同ブランドの認知度向上に寄与している。横浜という土地は、ユリス・ナルダンを最初に日本に輸入したファーブル・ブラント商会や、ユリス・ナルダンのマリンクロノメーターのメンテナンスを行なってきた宇津木計器の創業の地でもある。なお、ファーブル・ブラントは山手町に位置する、横浜外国人墓地に眠っている。COMMON TIMEは、そんなユリス・ナルダンと、横浜という共通のつながりによって、特別な関係性を有しているのだ。
マリンクロノメーターとCOMMON TIMEのつながりを感じる限定モデル
今回60本限定で登場したマリーン トルピユールのCOMMON TIME限定モデルは、既存のモデルと大きくスタイルは変えていない。ローマンインデックスにカセドラル型の針、そして12時位置のパワーリザーブインジケーターや6時位置の大型スモールセコンドなど、古典的なマリンクロノメーターの意匠を踏襲している。しかし、さりげなく特別モデルらしい要素がちりばめられている。
本作の最大の特徴であり、特別感を醸し出しているのが、グラン・フー・エナメル文字盤だ。「マリーン」コレクションの中でも特別なモデルに採用されてきたエナメル文字盤。さらに限定モデルでは、文字盤、12時位置のパワーリザーブインジケーター、そして6時位置のスモールセコンドそれぞれが、別々に焼成されるという、手の込んだ“3枚焼き”となっているのだ。この3枚焼きは、かつて懐中時計で用いられていたサンクダイアルと呼ばれるスタイルだ。20世紀に入り、1枚のエナメルに段差を付ける手法が広まってから、徐々に廃れていったが、限定モデルではこのサンクダイアルが採用されている。なお、既存のモデルと比べてデイト表示の小窓が付いていないため、より伝統的なスタイルに近づけられた。
また、12時位置のローマンインデックスがレッドに、そしてスモールセコンド内の“60”のスケールがブルーに彩られているところも、特別仕様として挙げられる点である。さりげないながらも、本作がCHARMYの60周年記念モデルであることを主張する仕様だ。
さらに、60本限定という稀少性を感じられるのが、シリアルナンバーが記されたプレートだ。ケースサイド9時側という目立つ位置にシリアルナンバーが配されることで、目に留まる位置に特別感を覚える意匠に仕上がった。
搭載するムーブメントは、自動巻きCal.UN-118だ。従来からマリーンコレクションに搭載される、ユリス・ナルダンが開発した基幹ムーブメントで、シリコン製ヒゲゼンマイとダイヤモンシル(ダイヤモンドコーティングしたシリコン)製脱進機を搭載する。ユリス・ナルダンは腕時計の機械式ムーブメントにシリコンをいち早く採用したブランドであり、そのノウハウを活かした時計製造で知られている。ダイヤモンシル製脱進機もまた、そんなノウハウの結実であり、軽量で摩耗しづらいシリコンに、さらに耐久性をもたらしている。
加えて、マジックレバー式の自動巻き機構を採用することで、非常に優れた巻き上げ効率を実現している。精度も高く、マリンクロノメーター時代から続く、ユリス・ナルダンの高品質なタイムピースを、手首で感じられるムーブメントと言えるだろう。
COMMON TIME横浜元町本店でユリス・ナルダンのフェアを開催!
60本のみの限定生産となる本作は、COMMON TIME横浜元町本店で、4月頃に販売が開始される。さらに同店では、この春、ユリス・ナルダンのフェアを開催する。フェアに合わせて、この特別なマリーン トルピユールを見に行ってみてはいかがだろうか。
フェア概要
開催期間:2024年3月30日(土)から4月21日(日)まで
場所:COMMON TIME横浜元町本店
〒231-0861
神奈川県横浜市中区元町3-120
TEL:045-662-0041
営業時間:11:00~20:00
開催期間中、ユリス・ナルダンの時計を購入したユーザーには、ノベルティグッズが贈られる(個数に限りあり)。
今回紹介した限定モデル以外にも、ユリス・ナルダンの製品が店頭に並んでおり、ブランドのファンはもちろん、時計愛好家は必見のフェアとなっている。
Contact info: ソーウインド ジャパン Tel.03-5211-1791
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