2024年4月9日、ユリス・ナルダンの独創的な機構が特徴的な「フリーク」コレクションより、最新作「フリーク S ノマド」が登場した。22年に発表された前衛的なメカニズムとデザインが目をひく「フリーク S」に、スイスの誇る歴史ある職人技が融合した腕時計だ。99本のみの限定生産である。
自動巻き(Cal.UN-251)。33石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ti×カーボンファイバーケース(直径45mm、厚さ16.65mm)。30m防水。世界限定99本。価格要問い合わせ。
最先端技術に加えられた、伝統的な職人技
ユリス・ナルダンはウォッチズ&ワンダーズ2024にて、独創的な機構を持つ「フリーク S ノマド」を発表した。22年作である、華やかなゴールドカラーの「フリーク S」のデザインとメカニズムを踏襲したモデルである。カラーリングやケース素材の変更を行うことで、前モデルとは異なる印象を与える腕時計だ。
本モデルで最も注目すべき点は、最先端テクノロジーの結晶とも言うべきこの腕時計に、歴史ある手作業による職人技が加わった点であろう。フリークの特徴である、分針を担うセンターカルーセル機構を備えたムーブメント。その奥にあるアワーディスクには職人技が息づいているのだ。
革新を続けるフリーク
未来的なデザインと最先端技術を駆使した、独創的なメカニズムが特徴のフリークコレクション。初代モデルは01年に発表され、すでに20年以上の歴史を誇る。時計業界の常識から外れた、針や文字盤、リュウズを持たないフリークの構造は、設計者であるキャロル・カザピによって考案された。当時ユリス・ナルダンの時計職人だったルートヴィヒ・エクスリンの手によって実現されたものだ。
ダイヤモンド・ギヨシェ・アワーディスク
まるで宇宙船を思わせるムーブメントの下部には、時針の代替となる、12時間で1周するアワーディスクが設置されている。これこそが職人技の粋というべき存在なのだ。ダイヤモンド・ギヨシェ・アワーディスクと呼ばれるこのパーツの模様は、熟練の職人が18世紀のローズエンジン旋盤を用いて精緻に彫り勧められている。240回も同じ作業を行い、完成するまで3時間近くかかる、手間のかかったパーツなのである。
ユリス・ナルダンは手作業による仕上げに力を入れる。それには3つの理由が存在する。まずは職人による仕上げに価値を見出しているため。そして、機械を用いるよりも、仕上がりが美しいためだ。最後に、唯一無二の存在が生み出されるからなのだ。最先端技術への情熱と同様に、受け継がれ続ける手作業への愛情を、同社が強く抱いていることが良く分かるだろう。
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