チャペックは、カメレオンのようにさまざまなキャラクターを持つ、スポーティでシックな「アンタークティック」コレクションに新たなモデルを投入する。最新モデルは、アヴェンチュリンダイアルとダイアモンドインデックスを採用した、まるで「ガラのためにドレスアップする」という、予想外の新しいひねりを加えたサイズ違いの4モデルだ。
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直径40.5mmと38.5mmケースを備えた特別な「アンタークティック S」
チャペックの「アンタークティック」コレクションから、直径40.5mmと38.5mmケースを備えた新作モデルが4種、登場した。この新作モデルの最大の特徴は、ダイアルの素材にアヴェンチュリンを採用し、かつ特別なカットを施したダイヤモンドインデックスをあしらっていることだ。
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自動巻き(Cal.SXH5)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m防水。世界限定99本。583万円(税込み)※2025年秋に販売予定。
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自動巻き(Cal.SXH5)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径38.5mm、厚さ10.6mm)。120m防水。世界限定77本。583万円(税込み)。2025年秋に販売予定。
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自動巻き(Cal.SXH5)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m防水。世界限定8本。935万円(税込み)。2025年秋に販売予定。
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自動巻き(Cal.SXH5)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径38.5mm、厚さ10.6mm)。120m防水。世界限定18本。935万円(税込み)。
チャペックはアヴェンチュリンに対して長年愛着を持ってきた。その神秘的な美しさを利用して、2019年のジュネーブでの自社ブティックのオープンを記念した「ケ・デ・ベルク ミッドナイト・イン・ジュネーブ」、そして2022年発表の「フォーブル・ド・クラコヴィ」などの限定モデルを製作してきた。「アヴェンチュリンは私たちが大好きなマテリアルであり、それをアンタークティックに採用することは、論理的な進化の一部であり、自然な流れでした。さらに南極は、星空観察には世界最高の場所です !」と、チャペックのCEO、ザビエル・デ・ロックモーレルは述べている。
なお、2020年5月に発表されたオリジナルの直径40.5mmのアンタークティックに続き、2022年には 38.5mmのアンタークティック Sが登場している。このモデルは、より細い手首にエレガントかつ快適にフィットするように設計された小さめのケースサイズを備えている。アンタークティックの両モデルには、ブランド初の完全自社開発ムーブメントであるCal.SXH5が搭載されている。
アヴェンチュリンとは?
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アヴェンチュリンは、17世紀、ムラーノ島のガラス職人が偶然に金属の削りくずを冷却中のガラス混合物に落してしまい、それが結晶化して多色の輝きを生み出したことから開発されたガラスの一種だ。その名前は「偶然に」を意味するイタリア語「all’aventura」に由来し、同名の天然石クォーツの発見より少なくとも1世紀前に誕生した。
アヴェンチュリンはもともと壊れやすく、加工の際に割れやすいため、取り扱うには高度で専門的な知識が必要である。チャペックのコラボレーションアプローチ、つまり伝統的な時計製造の精神であるエタブリサージュに基づいて、さまざまな技術の専門家と協力することは、これらのダイアルを製作する際に、大きな強みであることが再び証明されている。
独自のアンタークティック・カット
さらにチャペックは、アヴェンチュリンに細長い台形状のダイヤモンドインデックスを、「目に見えないよう」にセットしたいと考えた。そのために、ダイアル製作のパートナーであるGT カドラン社にとっての大きな課題は、フライングダイヤモンドモデルのダイアルにある、13個のダイヤモンドそれぞれに特別なセッティングを施すことだった。
2023年の初めに導入された細長いインデックスのアンタークティック・カットは、チャペック専用に設計され、正式に登録されたまったく新しいダイヤモンドカットである。24個のファセット(14 個のパビリオンファセットと10 個のテーブルファセット)を持つアンタークティック・カットは、標準的なバゲット・カット(ファセット数が14個しかない場合もある)よりもはるかに多くの光を捉えて反射する。そしてダイヤモンドが長ければ長いほど、ダイアルの価値は貴重になるのだ。
自社開発ムーブメント Cal.SXH5
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2020年5月に発表されたアンタークティックのファーストモデルのムーブメントである、Cal.SXH5。フランソワ・チャペックが製作した19世紀の懐中時計に触発された、7つのスケルトンブリッジを備えた独特な構造であるため、すぐにチャペック製であることを認識できる。
ウォッチメイキングの過去と現在の両方を最大限に活用したムーブメントは、フリースプラングテンプとリサイクルされたプラチナ製のエレガントで高効率なマイクロローターを備えている。高級時計製作にのっとった仕上げは、手作業で面取りされた入り角と最先端のレーザー・エングレービングを組み合わせて、明るい色と暗い色、質感のある滑らかな、マットで洗練されたコントラストの美しい遊びを作り出している。
注目すべきディテール