ベル&ロスから、航空機のダッシュボードに設置される航空計器を模した腕時計「BR-03 ホライゾン」が登場した。パイロットにとって不可欠なアーティフィシャル・ホライゾン（人工水平儀）。この、空間的な方向感覚を可能にする重要な計器がモチーフとなっているのだ。独創的で遊び心のあるこの腕時計は、999本限定で販売される。
パイロットに必要な機能：アーティフィシャル・ホライゾンを落とし込んだ新作モデル
ベル&ロスから新作モデル「BR-03 ホライゾン」が発表された。この特徴的なダイアルは、航空機のダッシュボードに設置される航空計器のうち、姿勢指示器にあたる「アーティフィシャル・ホライゾン（人工水平儀）」がモチーフとなっている。
自動巻き（cal.BR 327）。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。BLACKセラミックケース（直径41mm、厚さ10.6mm）。100m防水。64万9000円（税込み）。世界限定999本。
コックピット計器は、パイロットの作業を容易にするために発明された。初期のパイロットは視覚によってしか航行できなかった。航空パイオニアたちは山や海などの自然を観察する以外には、ほとんど自らを導くことができず、しばしば地上の鉄道をたどって航路を見つける必要があった。では、夜間や雲の中、特に高速で航行する場合はどうすればいいのだろうか？
自然情報の不足を補うため、技術者たちはジャイロスコープを使ったコックピット用の基本計器を発明した。対気速度計、高度計、ターンコーディネーター、ジャイロコンパス、垂直速度計とともに、姿勢指示器はダッシュボードの重要な計器の一部となった。この垂直軸ジャイロスコープのおかげで、水平線に対するピッチやダイブの角度をリアルタイムで表示するため、パイロットは常に航空機の姿勢や傾きをコントロールすることができるようになったのだ。
すなわちアーティフィシャル・ホライゾンインジケーターは、航空機のダッシュボードで最も象徴的な計器のひとつと言える。また、地球のイラストと航空機のシルエットを組み合わせた本計器は、航空計器の哲学を象徴している。ちアーティフィシャル・ホライゾンという、この比喩的な表現は線で分割された球体の形をしていて、上部の青色は空を、下部の暗色は地球を象徴する。中央には2本の赤い線で翼を表現した航空機が直感的に描かれる。
また、外周の目盛りは航空機の横方向の傾斜角度を示し、中央の目盛りはピッチを示している。
直感的な視認性
そんなアーティフィシャル・ホライゾンを落とし込みつつ、ベル&ロスのアイデンティティである丸と四角が組み合わされた新作「BR-03 ホライゾン」。一見して洗練された意匠を獲得しているものの、計器らしい機能性もフィーチャーされている。
その機能性の最たるものが、視認性だ。目盛りが刻まれたインナーベゼルと、調整された2本の針によって、直感的な表示の読み取りが可能なのだ。なお、白い針は分を示し、黒と白のストライプが入った2色の大きな針が秒を示す。時間表示は、ダイアル中央のディスクで示され、中央の大きなインジケーターの矢印がアワーマーカーとして機能する。
視認性は航空計器設計者の最大の関心事のひとつだ。パイロットにとってすべてが明白でなければならない。本作のダイアルがユニークながら明瞭なのは、たとえ一見して複雑であっても不可欠な要素を追求しているがゆえだ。
現代的なスタイル
航空宇宙を想起させる「BR-03 ホライゾン」は“スタイル”の要素でもあり、航空冒険への情熱を共有する指標でもある。100m防水、無反射コーティングが施されたサファイアクリスタルを風防に持つ径41mmのケースは、マイクロブラスト仕上げのブラックセラミックス製。
また、自動巻きムーブメントBR.CAL-327を搭載しており、パワーリザーブは約54時間となっている。
パイロットの装備にインスパイアされた頑丈なブラックのラバーストラップは、オレンジのベルクロストラップと交換可能だ。
999本限定生産の新作モデル「BR-03 ホライゾン」は、デザイン愛好家や航空愛好家にとっても独創的なタイムピースとなっている。
