パルミジャーニ・フルリエは、控えめなラグジュアリーとモダンなスタイルを合わせた新しいトリックコレクションを発表し、現代のエレガンスを再定義した。その優れたウォッチメイキングは、良品を知るコレクターや、他にはない希少で控えめなハイエンドウォッチを求める愛好家から既に高く評価されている。
堅苦しいドレスコードからの解放
プラチナケースのトリック プティ・セコンド
ブリッジは全て18Kローズゴールド製だ。文字盤、時分針、インデックスは18KWG製である。自動巻き(Cal.PF780)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。Ptケース(直径40.6mm、厚さ8.8mm)。30m防水。5万2000スイスフラン(税別)。
ゴールドケースのトリック プティ・セコンド
ブリッジはすべて18Kローズゴールド製であり、文字盤、時分針、インデックスは18KRG製だ。自動巻き(Cal.PF780)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KRGケース(直径42.5mm、厚さ14.4mm)。30m防水。4万5000スイスフラン(税別)。
世界限定 30 本の希少なトリック クロノグラフ ラトラパンテ
すべてのブリッジには18Kローズゴールドを採用、文字盤、時分針、インデックスは18KRG製。自動巻き(Cal.PF361)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRGケース(直径40.6mm、厚さ8.8mm)。30m防水。世界限定30本。13万5000スイスフラン(税別)。
堅苦しいスーツや糊のきいた襟といった、かつての権力の象徴はもはや通用しなくなった。勢力者の装いは、テック業界の巨人によってブルネロ クチネリのTシャツに、ロロ・ピアーナのローファーに再定義された。かつては格式の典型ともいえた金融界の重鎮でさえ、昔は肉体労働の象徴であったダウンベストを、新たな成功の象徴として取り入れている。このようなメンズファッションの変化、堅苦しいドレスコードからの解放こそ、新しいトリックが体現しているものだ。洗練と個人の表現の自由が出会う、進化するラグジュアリーの言語と共鳴するタイムピースである。
トリックコレクションの核:ゴールド製ムーブメント
「トリック プティ・セコンド」と「トリック クロノグラフ ラトラパンテ」は、どちらのモデルも18Kローズゴールド製ムーブメントが搭載されている。これは数あるラグジュアリーウォッチメイキングでも希少で、パルミジャーニ・フルリエはこの貴金属を使用する数少ないブランドのひとつである。
ムーブメントには、285個の部品と35個のルビーが使用され、65時間のパワーリザーブを備えている。柔らかなゴールド素材を成形することの難しさは、高級時計の愛好家であれば誰もが認める現物価値が高いモデルである。
パルミジャーニが復活させた失われたグレイン技法
グレナージュ(グレイン仕上げ)は、忘れられていた文字盤の古い装飾技法で、ミシェル・パルミジャーニが再生させたものだ。酒石英、粉砕した海塩、銀を混ぜたペーストを塗布して、ブラシで仕上げる技法を指す。脱塩水を使うことで作業しやすいアマルガムをつくり、角製のスプーンで表面に塗り広げる。全方向に円を描くように専用ブラシで文字盤をこすりが、銀は感光性なので明るい日光の下ではなく、薄暗がりで作業することが大切である。
まず硬めのブラシから始め、それが鉛のような色を出す。次に使うのは、もっと細くて毛先が簡単に曲がる柔らかいブラシで、より緻密で白いグレインに仕上げていく。手の圧力と動きに、突然抵抗を感じる時がくる。すると、素材に付着した銀の粒で文字盤が覆われ始めるのだ。Grenéとはグレインに由来し、小さな粒が隣り合って積み重なったものを意味する。
ストラップの縫製に採用されたイタリアの仕立て技法
ヌバックストラップの製作は、オーダーメイドのスーツを仕立てる緻密な工程に倣っている。ストラップはすべて職人の手でつくられ、素材と縫製にこだわり抜いている。完成までに約 20工程の精密な手作業を経ることで、微細で独特な違いが生まれる。舌革の側面にパッドを入れるなど機械ではできない作業もあり、機械を使うとわずか3分のところを、およそ20分かけて手縫いで仕上げている。
レザーストラップの縫製には、「プント・ア・マーノ(=手縫い)」と呼ばれるイタリアの仕立て技術が使われている。目に見える表側には、小さな縫い目(1mm)に大きな空白(4mm)が続くが、内側では大きな縫い目の後に小さな空白という逆の順序になる。この独特なスティッチは、これまでストラップメーカーが採用したことはなく、パルミジャーニ・フルリエから依頼して実現した。
複雑なムーブメントの組み立てと仕上げ
最後に、搭載されるムーブメントの組み立てと仕上げの写真を紹介しよう。