ユリス・ナルダンは、世界最大の単独、無寄港、無支援世界一周ヨットレース、ヴァンデ・グローブに参加するヨットマンやヨットウーマンなど、過酷な航海フリークたちのための破天荒な時計、「ダイバー ネット ヴァンデ・グローブ」を発表した。
ダイバー ネット ヴァンデ・グローブ
世紀に正確で信頼性の高いマリンクロノメーターを世界の海軍に供給し、その名を確固たるものにしたユリス・ナルダンは、2020~21年大会に続き、2度目となるヴァンデ・グローブのオフィシャルパートナーおよびオフィシャルタイムキーパーを務める。ヴァンデ・グローブは4年に1度開催される大会だ。300本限定生産の「ダイバー ネット ヴァンデ・グローブ」は、全身全霊でレースに打ち込む勇敢な男女からインスピレーションを得ているだけでなく、世界の海のもろさや地球温暖化の影響を強調するサステナブルな時計を作るという同社のビジョンも反映している。
アップサイクル・シリコンウェハー(生産廃棄物)から製造した DIAMonSIL 脱進機を初めて採用した。
自動巻き(cal.UN-118)。50石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。95%リサイクル・スティール製ケース(直径44mm、厚さ14.81mm)。50m防水。世界限定300本。225万5000円(税込み)。
この革新的な時計には、リサイクル・スティール、アップサイクル・カーボンファイバー、リサイクル漁網など、リサイクル素材やアップサイクル素材を多様に採用している。さらに斬新なことに、ムーブメントの脱進機にはアップサイクル・シリコンが用いられた。これらの先駆的かつ環境ファーストな要素が相まって、ダイバー ネット ヴァンデ・グローブは、ル・ロックルにあるユリス・ナルダンのマニュファクチュールで誕生した最もサステナブルな時計に仕上がっている。
アップサイクル・シリコンウェハー(生産廃棄物)から製造した DIAMonSIL 脱進機を初めて採用した。
自動巻き(cal.UN-118)。50石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。95%リサイクル・スティール製ケース(直径44mm、厚さ14.81mm)。50m防水。世界限定300本。225万5000円(税込み)。
サスティナブルなケース構造
第10回ヴァンデ・グローブ大会のために、ユリス・ナルダンが製作した、ダイバー ネット ヴァンデ・グローブは、同社の高性能ダイバーモデルをベースとしている。300m防水、潜水用逆回転防止ベゼル、夜光塗料を塗布したディテール、稼働状態を示す視認性の高い秒針を備える。ダイバー ネット ヴァンデ・グローブは、CarbonFoil や NyloFoilといった最先端のアップサイクル素材やリサイクル素材を使用することで、デザインと技術的な限界を押し広げ、同社がこれまでに製作した時計の中で最もサステナブルなモデルとなった。300本の限定生産予定で、サステナビリティに特化しているだけでなく、中にはレース、ユリス・ナルダン、そしてヴァンデ・グローブとのパートナーシップを物語る要素がある。
ヴァンデ・グローブとウォッチを繋ぐ造形
海のエベレストと呼ばれるレースの由縁
ヴァンデ・グローブは、夢追い人、型破りな人、不可能を可能にすると信じる人だけが参加できる、気の遠くなるような困難な旅である。1989年に初めて開催されて以来、ヴァンデ・グローブ世界一周レースに参加したセーラーはわずか200人、そのうち完走したのはその半数強の114人に過ぎない。このレースは単独、無寄港、無支援で行われ、第三者からの技術サポートやレースサポートを一切受けずに争われるため、スキッパーには相当な技術、回復力、決断力、そしておそらく少しの運も必要になる。
このレースは“海のエベレスト”として知られているが、現在ではヴァンデ・グローブの完走者よりも世界最高峰の山に登った者の方がはるかに多いため、間違いなく人間の耐久力を試す究極の試練と言えよう。レーサーたちは、4万5000kmのコースを完走するために、極端な天候、凍てつくような気温、巨大な波、疲労、孤独、ボートの損傷(ほとんど不可避だが)、そしておそらく病気や怪我を克服しなければならない。旅を共にするのは、自分たちのボートしかなく、ルールによれば、これらのヨットは全長18.28m、喫水4.50mでなければならない。巨大なセールを装備し、ダウンウインドでの最高速度はほぼ40ノットに達し、単独スキッパーが率いるヨットとしては世界最強である。
洋上で 100 日間を超えるレースの概要
今年で10回目を迎えるヴァンデ・グローブ。2024年11月10日にフランス西部の大西洋岸のレ・サーブル・ドロンヌ湾からスタートしたこのレースには、過去最多の40人のスキッパーが参加した。コースは、南アフリカの喜望峰まで南下し、インド洋と太平洋を横断し、オーストラリアのルーウィン岬と南米のホーン岬を通過した後、レ・サーブル・ドロンヌのフィニッシュラインまで北上。レース距離は理論上のもので、多くのセイラーが最高のコンディションを求めてジグザグに海を横断しながら、5万km以上を走破する。
勝者は少なくとも70日間陸に降りずに、1月にフィニッシュラインを通過すると予想される。2017年には、アルメル・ル・クレアックが74日間という記録で優勝している。スキッパーたちは、2020~21年大会で完走した選手が達成した116日18 時間15分46秒以内にレースを終えなければならない。